【植物手帳】山鳥兜 ヤマトリカブト
山鳥兜
ヤマトリカブト
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暑い夏が過ぎ
秋の涼しい風が吹く中
弓なりの長い葉茎を
揺らしながらこっちこっちと
誘ってくる
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青紫の花は美しく
気品があって
けれどどこか怪しげな雰囲気
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『怪しげとは失礼ね
まあ普通の花とは違うけれど』
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普通の花と違うとは?
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『わたくし、毒をもっておりますの
トリカブトって名前
聞いたことあるでしょう?』
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あなたがトリカブトでしたか!
そういわれると
近寄るのが怖くなってきました
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『近寄るだけでは死にはしないけど
葉っぱの2~3枚食べてみなさいな
黄泉の国へ連れて行ってあげるわよ』
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恐ろしや
そんな毒あると知っていたら
誰も近寄りはしないでしょうに
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『けれどよく葉っぱを食べる人もいるんですよ
二輪草の葉に似ているからとかで』
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調べてみると
見分けがつかないほど瓜二つ
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二輪草は山菜として食べられ
美味しいそうだが
こんな危険をを冒してまで食べる
人間の強さにも恐れ入る
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『そうね
矢に塗ったり
毒をもったり
人間にはよく使われたわ』
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どうしてこんなにも
使われるようになったのでしょう
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『解毒剤がないのよ
だいぶ科学が発達したみたいだけど
今の時代でも特効薬がないそうよ
それだけ私の力が強いってことね』
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でもさっきから蜜を吸いに
マルハナバチが飛び回ってますけど
蜂には毒が利かないんですか?
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『蜜にも毒があるんだけどね
物好きな子たち
けれどそのおかげで花粉を
運んでくれるから助かるわ』
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毒を摂取してでも
蜜を集めて女王バチに届ける
蜂たちの勤労ぶりに
驚きます
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Aconitum japonicum Thunb. var. montanum Nakai
キンポウゲ科
トリカブト属
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名の由来は
花の形が舞楽で用いられる被り物の
「鳥兜」に似ていることから。
英語では「モンクスフード(修道僧の頭巾)」
「ウルフズベイン(狼殺し)」と呼ばれる。
特に根に毒が多く含まれる。
アイヌでは狩猟の矢にトリカブトを使用されていた。
弱毒処理したものは「附子」と呼ばれる生薬に。
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日本原産
花期8~9月
花言葉「騎士道」「栄光」「復讐」
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