日銀新総裁に植田氏

本日の夕方に日銀新総裁として植田和男氏が本命路線になった。
植田氏は過去の発言を見る限り緩和路線に対しては肯定的なるもYCCに対するスタンスは解釈が分かれる。
マネタリズムによるデフレ解消に対して当初否定的なスタンスを取りつつも退任間際には緩和は維持すべきとしている。
YCCに対しては年限短縮化や10年利回りを誘導対象とすることへの疑問を提言しつつも直近ではたとえ短縮化したとしても海外売りに対しては効果薄いという趣旨のコメントも残している。

また、インフレは欧州ほど進むか疑問といったトーンでの話をされている様にも思われる。

市場関係者からの評価ではタカ、ハトのカラーはあまりないというところ。薫陶を受けたフィッシャーについても中立的と言われたことから政府の方針に沿う政策を取れる人物として起用された可能性はある。

飽くまで中立的なスタンスは維持しつつ、緩和路線もキープしながらYCCに関する課題意識については何かしらの提言をしていく様にも思われる。ただ市場へのサプライズ効果に傾倒、タームスプレッドをあからさまに押さえ込んできた黒田総裁のスタンス対しては、それまでの政策決定に関わっていなかったことからアンチテーゼを提示する可能性はあると思われる。

何より総裁人事候補として出ていた顔ぶれとは全く異なる人選であり、市場にはサプライズ。ドル円は一気に売られ、金利も上昇。その後の緩和維持とのコメントでいってこいとなる展開。本人の政策へのスタンスが確認、その後の思惑が払拭されるまでは値動き荒い展開が予想される。

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