FAR1-3 6.Property, Plant and Equipment
〇有形固定資産の取得原価
→その有形固定資産を購入するのに必要不可欠であった支出を原価に含める。
ex)運賃(freight-in)
設置コスト(installation cost)
建設中の金利(interest cost incurred during construction)
資産除去債務(asset retirement obligation)
〇一括購入(Lump-sum)
→有形固定資産を一括購入した場合は、各固定資産の時価で按分する。
(有形固定資産A÷一括の合計金額)×取得原価の合計
で、有形固定資産Aの単体の取得原価を求めることができる
有形固定資産を対象にメンテナンス等の支出が生じた場合は2つのパターンに分かれる。
①支出金額を有形固定資産に上乗せして資産計上する
②支出の発生した年の費用として処理する
①になるためには以下2つの条件のいずれかを満たした場合である。
・支出により有形固定資産の効率が向上する場合
・有形固定資産の耐用年数が延長される場合
どちらにも該当しない場合は②として費用計上する
①になる例
→・配線システムの大幅な改良(major improvement to the electrical wiring system)
②になる例
→・修繕(continuing and frequent repairs)
・工場建物の再塗装(repainted the plant building)
・天井用タイルの部品交換(partial replacement of roof tiles)
〇利子コストの計算方法
→回避可能利子(avoidable interest)と実際の発生利子(actual interest)の小さい方である。
〇回避可能利子の計算方法
→資金の調達元となる金額を求める
(1月16日に支払いをしている場合はその金額×1/2をして適切な期間での利子を求める)
→一般借入金として複数の利子率で借り入れをしている場合は利子率を加重平均で求め、その利子率を一般借入金にかけることで利子を求める
〇非貨幣性資産の交換におけるルール
→①市場における取引においては交換されるものの価値は等しい
②価値が一致する金額が時価である
③新たに取得した資産は時価で計上し、引き渡した資産は簿価を消去する。その差額が利得(gain)または損失(loss)となる。
商業的実態のある非貨幣性の取引(an exchange with commercial substance)では利得または損益が認識される
例外的に利得を認識しないケース
→①顧客への販売を促進するための交換取引
②商業的実態のない交換取引
(The cash flows from the trucks received are not expected to be significantly different than the cash flows from the ~ provided)
※商業的実態のない交換取引であっても、損失は認識する。
例外的に部分的に利得を認識するケース
→商業実態のない、もしくは販売を促進するための交換取引の場合、基本的に利得の認識は認められていない。
但し、受領した資産がすべて現金であれば利得は認識することができる。
認識される利得
=基本ルールで認識される利得×
受領した現金/受領した非貨幣性資産の時価+受領した現金
〇有形固定資産の処分(Disposition)
→Dr)Cash
Accumulated depreciation
Cr)PP&E
Gain
という仕訳を切る
〇減価償却(depreciation)
→有形固定資産購入後、PP&Eの価値は下がるため購入後から規則的に価値を減らしていく会計処理のこと
〇評価下げ(write-down)
→有形固定資産の収益性が予想よりも低下することが分かった時に、帳簿価格(取得原価-減価償却累計額)をしかるべき水準まで引き下げる会計処理のこと
〇減損(impairment)
→有形固定資産の評価下げを行う会計処理のこと
〇減価償却費の計算方法
→4つの方法が認められている
①定額法(Straight-Line Method)
→減価償却費=(取得原価-残存価格)×1/耐用年数
②級数法(Sum-of-the-Year's-Digits Method)
→1年目の減価償却費=(取得原価-残存価格)×5/5+4+3+2+1
2年目の減価償却費=(取得原価-残存価格)×4/5+4+3+2+1
・・・続く
※耐用年数を5年とした場合
③2倍逓減法(Double-Declining Balance Method)
→減価償却費
=(取得原価-期首の減価償却累計額)×定額法の2倍の減価償却率
※耐用年数が5年だったら2/5をかける
④生産高比例法(Units of Production Method)
→減価償却=(取得原価-残存価格)×当期の使用量/総使用量
〇資産除去債務(Asset retirement obligation, ARO)
→PP&Eの取得や使用等をする場合、将来このPP&Eを解体、撤去、処分または原状回復することが義務付けられている。
この義務を資産除去債務と呼ぶ。
AROはその公正価値を見積り負債として計上し、耐用年数にわたって費用処理していく。
〇減損(impairment)
PP&Eの評価を下げる会計処理のこと
→3つのケースに分けられる
①業務上の使用、保有を予定している資産
②売却以外による処分
③売却による処分
①②のケース
→減損の兆候の有無の判断
兆候なしの場合減損処理は不要
→減損の認識(回収性テストRecovery test)
→減損の測定(公正価値テストFair value test)
→減損後の処理
新帳簿価格を残存耐用年数にわたり償却していく
減損の戻し入れは行わない
③のケース
→減損の兆候の有無の判断は行わない
→ 減損の認識(回収性テストRecovery test)
公正価値(売却コスト除去後)をA、帳簿価格をBとして
A>=Bのとき減損処理は不要
A<Bのとき
→ 減損の測定(公正価値テストFair value test)
帳簿価格が公正価値を上回る金額を減損損失として認識
→減損後の処理
翌期以降は減価償却されない
損失の戻し入れが可能
※減損の適用を受けない例
→将来の割引前期待キャッシュフロー(undiscounted cash flows)の純額が帳簿価格(carrying amount of the assets)よりも下回っているとき
〇減損の見直し(review for impairment)
→簿価が回復しないかもしれないという兆候が存在するとき(When circumstances indicate that the carrying amount of an asset might not be recoverable)減損の有無についてのテストの実施が求められる
処分予定の資産に関する評価損は損益計算書の税引前(before income tax)の継続事業による利益(income from continuing operations)の構成項目として計上する
〇減耗償却(Depletion)
→天然資源のように採取後は復元できない減耗性資産の費用化プロセスのこと
減耗償却費の計算は生産高比例法と同様である
減耗償却費=(取得原価-残存価格)×当期の採掘量/予想される採掘可能量
※取得原価にはAcquisition cost やDevelopment cost , Restoration costが含まれる