FAR1-3 1.Basic Concepts of Financial Accounting
〇GAAP(Generally Accepted Accounting Principals)
→一般に認められた会計基準のこと。
日本ではASBJ(Accounting Standers Board of Japan)が設定するGAAP
アメリカではFASB(Financial Accounting Standers Board)が設定するU.S.GAAPが適用されている。
(FASBは7名の委員により構成される)
現在世界的に支持を得ているGAAPがIASB(International Accounting Standers Board)によって設定されたIFRS(International Financial Reporting Standers)である。
〇認識(Recognition)と測定(Measurement)の概念
認識(Recognition)
→ある項目を資産、負債、収益、費用として財務諸表に記載すること。
測定(Measurement)
→認識される項目を数量化すること。
数量化のためには属性(attribute)と測定尺度(scale of measurement)を必要とする。
具体的には以下の方法が使用される。
属性(attribute)
→取得原価(historical cost)
再調達原価(replacement cost)
現在市場価値(current market value)
正味実現可能価額(net realizable value)
将来キャッシュフローの現在価値(present-value of future cash flow)
測定尺度(scale of measurement)
→貨幣単位(monetary unit)
〇SFAC(Statements of Financial Accounting Concepts)
→FASBが様々なルールを作成するときに準ずるべき規範。
適応するGAAPが存在しないときの行動指針にもなる。
現在第8号まで発行されている
SFACは3つの階層により構成されている。
SFAC
1st Level
Basic Objectives(目的)
→SFAC1により公表、SFAC8により改訂
財務諸表の(数字を集める)目的
2nd Level
Qualitative characteristics(質的特性)
→SFAC2により公表、SFAC8により改訂
どのような性質を持った数字であるべきか
Elements(構成要素)
→SFAC6で公表
どんな数字を集めるのか
3rd Level
Recognition and measurement concepts(認識及び測定概念)
→SFAC5により公表
どのように数字を認識、測定するのか
より具体的に見ていくと、、、
2nd LevelのQualitative Characteristicsでは以下の質的特性を挙げている。
①基本的な質的特性2つ
・目的適合性(relevance)2つ
→・予測価値(predictive value)
・確認価値(confirmatory value)
・忠実な表現(faithful representation)3つ
→・網羅性(complete)
・中立的(neutral)
・重要な誤謬がないこと(freedom from error)
②補強的な質的特性5つ
・比較可能性(comparability)
・検証可能性(verifiability)
・適時性(timeliness)
・理解可能性(understandability)
3rd LevelのRecognition and measurement conceptsでは以下のように考えられている。
Recognition and measurement concepts3つ
・基本的前提
→経済実態
継続企業
貨幣単位
期間区分
・基本的会計原則
→取得原価
収益認識
収益費用対応
完全開示
・制約
→費用対効果
重要性
業界慣行
保守主義
基本的会計原則
①取得原価主義(historical cost principle)
→資産の評価基準として資産の取得原価(historical cost)を採用する。
②収益認識の原則(revenue recognition principle)
→発生主義を採用する。(収益が実現した(realized)または実現可能(realizable)な状態でかつ稼得した(earned)状態のことを指す)
③費用収益の原則(matching principle)
→収益獲得の過程で発生した費用は関連する収益に対応させる。
営業活動の各プロセスの中で徐々に発生している費用は、その都度認識するのではなく、収益を計上したタイミングで初めてそれに対応する費用を計上することになる。
④完全開示の原則(full disclosure principle)
→利用者の意思決定に影響を与える情報はなるべく多く載せる&利用者の判断を誤らせないように情報はなるべく明瞭化する。
制約
①費用対効果の関係(cost-benefit relationship)
→会計情報を提供するためにかけるコストは、会計情報を提供することによって得られる効果を上回ってはいけない。
②重要性の原則(materiality)
→利用者の意思決定に大きな影響を与えない重要性の低い項目については感便法の処理で済ませることを認める。
③業界慣行(industry practice)
→業界独特の慣行により例外的な会計処理を認める。
④保守主義の原則(conservatism)
→資産および利益を過大表示してしまわまいような方法を探す。
〇SFAC7
→3rd LevelのMeasurement(測定)において、資産、負債の評価額の測定の際に、キャッシュフロー情報及び現在価値を使用する際のフレームワークが記載されている。
SFAC7が適応される局面3つ
・資産、負債の原初認識時(initial recognition)。
・改めて測定しなおす必要が生じた時。
これをフレッシュスタート測定(fresh-start measurements)という。
・償却原価法において実効金利法を必要とするとき。