【映画レビュー】摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に
こんにちは。映画大好きマヒロです。
高度成長を成し遂げたマンハッタンのサクセスストーリは如何でしょうか?
今回はそんな映画をご紹介致します。
あらすじ
主人公のブラントリーはカンザス州からニューヨーク・マンハッタンへ向かいます。
舞台はマネーゲームに沸く1980年代のアメリカ。
そんなアメリカのお金が動くマンハッタンにある企業に内定が決まりますが、その会社が出勤当日に買収されてしまいます。
ニューヨークに来てすぐに職を失ってしまったブラントリー。
このままカンザスに帰る訳にはいきません。
危機的状況の中、ブラントリーは母が「困ったら頼りなさい」と教えてくれたニューヨークの遠く遠く離れた親戚である叔父を頼ることにします。
叔父の働いている職場は何と大企業の「ペンローズ社」だったのです!
叔父が渋々くれた仕事はメールボーイ。
メールボーイは他の従業員とは違い、私服勤務です。
スーツを着た社員は私服であるメールボーイのブラントリーが声を掛けても変な顔をします。
メールボーイ仲間は言います。
「スーツにはこちらから声を掛けるな」
同じ人間で同じ職場で働いているのに、そこには格差がありました。
そんな中、ペンローズ社で唯一の女性重役であるクリスティと出会います。
スーツである彼女がスーツを来ていないブラントリーを相手にする訳などありません。
社会人初日でクビになってしまい、頑張って就職活動しても経験がないからと雇ってもらえず、遠い遠い会ったこともなければ、それまで存在すら知らなかった叔父を頼ってやっとマンハッタンというビッグシティで手に入れたメールボーイの仕事。
「このままでは終わらないぞ!」
ブラントリーはどうなってしまうのでしょうか?
個人的に気になった役者のご紹介。
叔父さんの妻・ヴェラ役を演じたのはマーガレット・ホイットン。
「メジャーリーグシリーズ」にも出演している方です。
この「叔母さん」の存在が強烈過ぎて……
しかも中途半端なことしないでやりきるから凄いなって思います。
ブラントリーのことをガンガン翻弄していきますよ!
後、「ホーム・アローン」でお馴染みの意地悪叔父さん役を演じたジェリー・バマンもペンローズ社の重役として少しだけ登場しています。
音楽もこの時代だなぁと懐かしくなるサウンドです。
明るく軽快なリズムのナイトレンジャーの「シークレット・オブ・マイ・サクセス」。
本当にサクセスって感じ!
摩天楼
摩天楼とは…… 天に届かんとばかりに高い建物。
成長を遂げたマンハッタンには続々と高層ビルが建ち始めました。
アメリカは高層ビルの先駆けの国でもあります。
その中でも摩天楼といえば「マンハッタン」を思い描く方は多いのではないかなと思います。
狭いマンハッタン島には金融機関が多くあり、上に上にと高層ビルがギュウギュウに建ち並ぶ摩天楼。
マンハッタンには空港がないからか、隣のブルックリン区から橋を渡ってマンハッタンに行く描写はよく映画でも出てきますよね。
それがまた「到着したら都会だった」ではなく、橋の先にある摩天楼を眺めながら橋を渡って段々とマンハッタンに近付く描写はここでしか演出出来ないのではないかと思うくらいのロマンティックさがあります。
波に乗っていた80年代のマンハッタンが今作の舞台です。
実際にマネーゲームが盛んに行われていたこの時代、喰うか喰われるかの状況だったのではないのかなと思うと、夢がある摩天楼も怖い所だなと実感させられます。
今回の作品はコメディですが、マンハッタンのマネーゲームを題材にしたシリアスな映画も沢山ありますもんね。
丁度マンハッタンが摩天楼となった時代となって栄えたのが80年代なのではないでしょうか?
その頃のマンハッタンを面白おかしく楽しめる作品です。
「何か経験はあるのか?」
映画は冒頭からクビを切られたブラントリーの就職活動から始まります。
そして企業側からは「経験者が欲しい」と言われてしまいます。
新人なんだから経験なんてある訳ありません。
「経験がないと社会では通用しない」
就職活動しても企業側にそう言われてしまう新人ブラントリー。
誰しもが経験する苦い思い出ではないでしょうか?
こんな思いを少しでも軽減しようと、就職活動の時に経験を積もうとしますよね。
「自分は興味ないけど、就職活動にメリットがあるから参加してみるか」
そんなことはよくある話ではないでしょうか。
でも、結局社会人になれば未経験者に過ぎないという壁が立ちはだかります。
ブラントリーもその壁にぶち当たります。
その中でもその壁を乗り越えようとする様は決してお手本にはなりませんが、爽快なコメディ作品ということもあって見ていて清々しい気分になります。
「どんなに悩んだって経験ないもんはないんだから、ほら次いくよー」でいくしかないんですよね、結局。
時間しか解決してくれない「経験のなさ」に苦い思いをすることもありますが、時間しか解決してくれない問題なんだからいちいち悩んでいても仕方がないと思わせてくれる作品だと思います。
マイケル・J・フォックス
マイケルといえば「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で有名ですよね!
「摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に」が公開かれたのは1987年。
1980〜1990年代、この時代のコメディといえばエディ・マーフィでしょうか?
マイケル・J・フォックスも負けていません!
童顔の可愛らしい顔に163㎝の小柄な体格をいかして、押しが強いキャラでもどこか憎めない、嫌みのないキャラになります。
今作は「現実離れ満載」の内容ではありますが、マイケルの演技のコミカルさでサクサクと小気味良く見終わることが出来ます。
マイケルの良さは「良い人」な所でしょうか?
悪どいことをせず、ひたむきに頑張るキャラを演じることが多いと思います。
それが本当にマッチしている!
マイケル・J・フォックスにしか許されない役だと思います。
あっぱれ!
感想
現実離れした嘘くさい話ではありますが、私は元気をもらえました。
「こんなことも許される時代だったのかな」と経済成長を遂げて、大きくなったマンハッタンの摩天楼の中でだから味わえる夢物語なのではないのかなと思います。
その頃の日本は成長期でした。
バブル期がすぐ目の前に来ている時代です。
とにかく華やかな時代でした。
公開当時の日本にもマッチした作品だったと思います。
今思えば「弾けるから、バブル……」って思いますが、先進国の成長はそれだけどんちゃん騒ぎで夢のあるものでもあったんですよね。
私はバブルの恩恵を直に受けてない人間なので羨ましくもありますが、一時のバブリーを味わえる、この時代ならではの作品ではないかなと思います。
気分がとても明るくなりますよ!