見出し画像

「チートが標準装備」の時代の幕開け

「OJT教育という概念が終わったんだよ。」

凄まじいポストが目に飛び込んできた。


若者はこのツリー必読である。

あまりに不都合な真実だが、実にわかりやすくその解説がなされている。

引用ポストで何やら異を唱えている思慮浅い人たちもいるが、往々にして全く的を得ていない。

これは単なる事実である。

そこにどう解釈を加えていくかが大切なわけで、事実そのものに文句を言うのはお門違いである。

このポストに屁理屈をこねて物申している者の真意はズバリ、

そんなの怖くて受け入れられません」だろう。

+++++++++++

「OJT教育の終焉は過酷な時代を生きた中年にとって福音である。」


猫山課長がポストやnoteで提言してくれている内容もまた事実だろう。

僕は中年より一世代若いが、中年世代の受けた不条理は組織で普通に働いていれば、下の立場から見ていてもよくわかる。

若手の頃は下働きと称された過酷なブラック労働を経験し、ようやく抜け出したと思えば次は下からハラスメントで刺される世代

しかも上の役職にはまだ人が詰まっていて、中間管理職としてストレスフルな板挟み業務を押し付けられる。

そして「管理職であるため残業代は出ない」なんてこともザラだ。

何とも不遇な時代を生き抜いてきているのである。

そこに、このタイミングでジョブ型雇用の幕開けである。

中年は今の今まで溜めに溜めた力を存分に発揮する機会を得ることとなる。


そしてジョブ型雇用には”スキルを競う競争ですよ”という大義名分がある。

中年は、血反吐を吐きながら培ってきた経験値と人脈を元に易々と若者を駆逐していくだろう。

当たり前だが、真っ先に排除されるのは近場にいる垢抜けない顔をした「タイパくん」「コスパくん」である。

そしてそれでも口減しが足らなければ…

「平均的な新人」ですら、

「長年耐え忍んで待ち侘びたチャンスなんだ。すまんな。」

と、駆逐されていくだろう。

++++++++++++++++

僕は30半ばで中年と新人の間にいる。

どちらの立場も取りうるし、どちら側のスタンスをとるか選べた、狭間の世代だ。

僕らの世代は、真面目に働いていればいるほど、下の立場で中年世代に勝つことは茨の道であるとわかっているはずだ。


例えば、医者としての手術や手技の実力もそうだ。

漫画やドラマでは「若き天才ドクター」が周囲の上司たちを圧倒していく様が描かれることが多いが、現場ではそんなことは起こらない。

基本的には年功序列、役職順に実力がある。

なぜなら、手術や手技の実力とは、単純な手先の器用さだけでないからだ。

経験や判断など総合的な力が求められ、時には失敗した数がモノを言う。

仕事に費やした時間がそのまま力になる。この単純な物理的な壁を越えることは容易ではない。

そこに加えて、「”上司である”という位置エネルギーそのもの」に強さがある。

僕も経験があるが、1番上の立場で処置をする際のプレッシャーはとてもシンドイものだ。

その場に、経験がある上司が一人いてくれるだけで、随分気が楽になる。

結果として気負いなく手技ができるためうまくいく。

経験というのは、そこに内包される技術やテクニックなどの具体的要素だけでない。


「経験がある」という事実自体が、周囲に安心感と信頼をもたらす大きな力になる。

現実の世界では、駆け出しの天才外科医がベテランの凡人外科医を上回ることは、あり得ないのだ。


そしてそれはそのまま、若手が中年を真正面から圧倒することは困難なことを示唆している。

++++++++++++++++

では、若手はこの椅子取りゲームにどうやったら勝ち筋を見出せるだろうか。

まずは、すぐには彼らの敵にならないことだ。

「ちゃんと仕事をする人」とという中年側の人間として認めてもらう必要がある。


実際に椅子取りゲームの序盤は

「飲み会はコスパ悪いんで行きたくないです」

などとのたまって勝手に自滅していく愚か者がいるので、真面目に働くだけで十分に生き残れる。

まずゲームの序盤、とくに若ければ若いほど「ハツラツと感じ良く一生懸命働く」ことが必須になる。

ただ、それでも椅子取りゲームが終わらず、残席が減ってくれば、真っ当な若手でも中年との争いは避けられなくなってくる。

そうなった場合、彼らにはとっておきの武器がある。

それは「恣意的に教育しないという方法」だ。

これは外からは全く目に見えない非常に恐ろしい戦術である。

一旦その型に嵌められてしまえば、もう道は閉ざされたと言っても良い。

本当に限られた席を取り合う血みどろの争いになれば、中年は躊躇いなくその切り札を使うだろう。


そんな圧倒的に不利な戦いを若者が生き抜くには?


正攻法では困難だ。


そこにはチートが必要となる。


チートとは?



職場とは完全に独立した「個人」としての力である。


自身のブランド化、副業による経済的な安定、会社の枠組み以外の人脈…

このようなものがなければ、中年との争いに勝利する方法はない。

若者はチートがデフォルト、チートが標準装備の時代に入っていく。



若者がその準備をする時間は?



それは、
「働き方改革で既に与えられてますよね。」
ということになるだろう。

++++++++++++++

ここからは僕の個人的な解釈を述べたい。

この戦いには若者ひとりひとりにテーマやスタイルが必要である。

なぜならば、年齢、職種、収入などによって戦い方が千差万別だからだ。


僕はこの戦いに一つのスタイルを決めている。

それは嫌な敵になるということである。

中年が競う相手として1番戦いたくないタイプの若者になる。


これが僕のスタイルだ。


具体的には、まずは医者として文句がつけられないレベルの力を維持する。

チートと称したため、どこか飛び道具のスキルが必要に見えるが、実は本業の底力がかなり肝になってくる。

理由は簡単で、本業は中年や上の立場のものが下を叩きやすい、得意とする戦場だからだ。

ただ、実力で彼らに完全勝利することは難しい。

自分たちが下に簡単に負けないように、上にも簡単には勝つことはできない。

よって、僕は本業での戦いは、中年への完全勝利を目標としない。


「良くて引き分け、最悪僅差の判定負け」までは許容する。

「お、こいつとりあえずちゃんとやってはきてるようだな。」



こう思われるだけでも随分違う。逆に初手ワンパンチでやられてしまうようだと、結果は見えている。

副業をするにしても、

「どうせ医者からドロップアウトして逃げてきたんだろ?」

となってオシマイである。

一方、本業で簡単には叩けない若手は、中年も相手をするのが少々シンドイだろう。


ここから先は、カネとコネ、つまり副業と人脈になってくるだろう。

他に食い扶持があれば、業務内容可処分時間を重視した働き方や立場を選択できる。

金を人質に取られてしまうと、そこに勝負をかけてくる中年の迫力には勝てない。

余裕を持って付き合える体力を持っておくことは長期戦には重要だ。

そして、コネ、即ち人脈だ。

具体的には「師匠と良質なコミュニティ」が重要だろう。

愛対する中年のさらに上流にいる「師匠のような存在」との繋がりがキーになってくる。

若い頃に今の自分と同じように生き方と戦略に頭を使い、実際に行動し、結果を残してきた師匠はなによりも心強い存在になる。

実力者揃いの精鋭たちのあつまる「コミュニティ」の力も重要だろう。

同じような意識をもつを若者たちを味方につけることができれば、競い合い効率よく力の底上げができる。

中年からしてみれば、職場の外にこのようなつながりを持つ若手は厄介だ。
1対1では勝てても、背後からの援護射撃があると思うと迂闊には手を出せない。


今の時代はSNSでそういった師匠となる人ロールモデルとなる人を容易に探すことができる。

そして、彼らに自分自身を認知してもらい、「安全な存在ですよ」とアピールするためにも自己発信が大切だ。

+++++++++++++++

最後に、僕個人がこれらの力を培う上で重視していることは、十分に時間をかけることである。

早く結果が欲しい気持ちもある。

だが、僕の場合はすぐに飯が食えなくなるような状態ではない。

そこに猶予はある。


余裕がない人、早く結果を残さねばならない人は早期に一か八かの大勝負に出ることとなるだろう。
たしかに相手にとってそれはそれで脅威だろうがが、その一撃を凌げばあとはじわじわと追い詰められてしまう。

僕がこの手段を取るメリットはあまりない。

よって、僕の戦略は上記に述べた要素を、時間をかけて虎視眈々と準備することにした。

細かな失敗を繰り返しながら、若さを活かして時間を投資し積み上げる。


「中年が争う相手として最もやりにくいタイプの若者になる。」


これが”チートが標準装備の時代”を生き残るための、僕のスタイルである。


ここまで読んでくださってありがとうございます!!

面白いと感じてくださった方、スキ
やXでの拡散を頂けると泣いて喜びます。

よろしくお願いします!


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集