220 他人に指図する前に自分で実行する
道徳を教える場合、誰もが大きな間違いを犯します。それは、他人を指さして「〇〇をするなかれ」などと説教することです。人間の本心は、他人の指図を嫌がります。ですから道徳を強調すればするほど、人はモラルを無視する方向に傾きます。道徳を守る人間を育てようとしたのに、道徳を犯す悪人をつくり出す結果にもなるのです。他人に善悪を指図する前に、自分で実行してみることです。自分で実行して良い結果になったならば、他人にもその方法を教えたほうがいいです。そうすれば、他人から非難を受けずに済みます。ですから、「汝は〇〇をするなかれ」と他人に指図するのはよくありません。自分自身が実行して、正しいと理解できたことを他人にも紹介するのだ、という確信を持たなくてはいけないのです。
『一瞬で心を磨くブッダの教え』第4章 幸福に生きるための秘訣《道徳》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【ブッダの智慧に学んで子育てのプロになる親は子を育て、子は親を育てる」(2017年) p28】
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