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「ウクライナ戦争をはじめたのはプーチンではない」byトランプ米大統領 (4457文字)

 表題の「ウクライナ戦争をはじめたのはプーチンではない。」という言葉はトランプ米大統領が言ったとされています。

 これには、西側諸国のマスゴミも日本のマスゴミも「そんなバカな。ロシアがウクライナに攻め込んだってのは事実だろ!」という論調で批判的だったと思います。

 トランプ米大統領は、「深謀遠慮の人」というより「エネルギッシュに行動する人」という印象が強いので「現代史(というか出来事)の理解もちゃんとできていないのだろう」と思われるのかもしれません。

 ロシアがウクライナに進攻したのは、2022年2月(22日)の大きな事件でしたからこれを間違えるほど脳の機能に問題があるというのではとても心配です。なにしろ、米大統領は核ミサイルの発射ボタンを押す権限を持っている人なのですから。

 ところで、2025年2月28日(日本時間3月1日)のトランプ米大統領とゼレンスキーウクライナ大統領との会談は、国家首脳同士とは思われない感情的な言い合いで物別れに終わったそうです。しかもホワイトハウスの米大統領執務室内でメディアの前でです。

 私はずっと「アメリカもヨーロッパの国々も、なぜウクライナに肩入れしているのだろう。」と疑問に思っていました。
 彼ら(西側諸国)が他国の「自由」とか自国以外の「民主主義国」を守るというとき、「只(ただ)ではやらない。」か「別の目的(利益)を持っている。」と思うからです。

 はじめのうちは、ウクライナへの武器供与を「古い兵器の処分場として利用しているのかな。」と思いましたが、そのうち「新兵器の実験場にしたのかな。」と思うようになりました。さらには、ドローンの攻撃や防御に関する戦術的用法を試しているのかもなんて考えました。

 しかし、それにしてもなかなか勝負がつきません。
 だんだん、わざと戦いを延ばしているのかと考えるようになりました。

 それに、地上波ではロシア優勢というニュース解説が多く、ネットではウクライナ奮闘中というYouTube動画が多いので、実際はどっちの国が勝ちそうなのかまったく分かりませんでした。

 戦争初期のころは、「ロシアには核兵器があるからウクライナに負けるはずがない。」という人がいましたが、そのうち「ロシアが核兵器をウクライナ等に使用したら、すぐウクライナを支援している核保有国から報復攻撃されるだろうから(核攻撃されるだろうから)、ロシアは核兵器を使いたくても使えないのだ。」という人が現れ、そのうち「アメリカがF16戦闘機をウクライナに供与したら、戦域の航空優勢(かつてはあ制空権と言っていましたが、知らない間に名前が変わっていました。)となるからウクライナが勝つ。」という人がでてきました。

 もう何が正しいのか全然分かりません。
 それに、F16ってたしかF15とほぼ同時期に実践配備された戦闘機です。多少改修されたでしょうが、もう何十年も前のジェット機です。その戦闘機が
戦争の勝敗を分けるとは思えません。ゼロ戦だって、昭和17年一杯くらいまでは圧倒的優勢に戦いましたが、それでもアメリカ軍に勝つことはできませんでした。

 ところで、このウクライナ戦争のきっかけです。
 たしかに、戦争の直接の発端は2022年2月ロシア軍のウクライナ進攻だと思います。
 映画『ランボー』のように、「どっちが先に手を出したか?」ということで区別するなら、ロシアが先に手を出したと言えます。

 でも、大東亜戦争や太平洋戦争のときの日本のように、「先に手を出したのは日本だが、手を出させたのは欧米だ。」という意見があるように(東京裁判のときのインドのパール判事の見解だったと記憶しています。)、ロシア(プーチン)に手を出させたのは誰なのかを考えてから、トランプ米大統領の発言の意味を解釈すべきではないかと思います。

 なお、私はプーチンやゼレンスキーやトランプなどに肩入れする気持ちはありません。

 私の知るところでは、現在のウクライナは「西部ウクライナ」「中部ウクライナ」「東部ウクライナ」の3地域に分けて考えるとべきと思います。

 これは、ユーゴスラビア内戦のときも思いましたが、歴史的経緯を知らずに国や地域の紛争を考えるとろくな結論に行き着きません。特に大陸国を知ろうとする場合は、私たち日本人のように島国の人間とは異なる経緯があり、それを無視しては現代の姿を理解できないと思います。

 さてまず「西部ウクライナ」です(地図的な情報はネットで検索してみてください。)。
 ここに住む住民は最もロシアとのつながりがありません。宗教もカトリックに近いキリスト教です。

 「中部ウクライナ」(地図的な情報はネットで検索してみてください。)は、ウクライナ語を話し、宗教はロシア正教に近いウクライナ正教です。ここに住む住民は、ロシアを「好きだけど嫌い」という複雑な感情を持っているのだそうです。

 「東部ウクライナ」(地図的な情報はネットで検索してみてください。)は、18世紀中盤以降からロシア人が移住しはじめた地域で、当時はトルコが支配していました。ロシア人はこの地域を「ノヴォロシア」(新しいロシア)と呼称していて、ここに住む者はロシア語を話します。宗教はロシア正教で、自分たちはロシアの一部であると思っているそうです。
 この「ノヴォロシア」(新しいロシア)という呼び方は、現在のトルコ共和国の国土の東側であるアナトリアが別名「小アジア」と呼ばれているのと似た感じがします。この「小アジア」というのは、かつてヨーロッパ人らはここ(アナトリア)がアジアだった(と思っていた)のですが、その東にはさらに広大なアジアがあることが分かり、それまで「アジア」と読んでいた地域名を残すことにして「小アジア」としたのだそうです。

 上記のようにウクライナの3地域(東部・中部・西部)は、宗教も言語も住民も異なっており、一つの国にする必要がなかったように思われます。

 それが、ソ連のウラジーミル・レーニンとレフ・トロツキーが、中部と東部を一緒にしてウクライナ共和国を作りました。この2地域を一緒にしたのは、ウクライナ共和国の世論がまとまらないようにするためです。その方がソ連共産党に都合がよかったのだといいます。
 なお、レーニンもトロツキーもユダヤ人です。特にトロツキーはウクライナ出身のユダヤ人です。
 レーニンは、「ロシア革命はロシア人による革命dではなくて『ユダヤ革命』だと言ったそうです。
 ちょっと意外ですね。

 そして、グルジア人のスターリンが、西部ウクライナとウクライナ共和国とを一緒にしました。前述のように西部ウクライナの住民は最もロシアと繋がりがありません。なぜ、一緒にしたのか分かりませんが、スターリンなりの考えがあったのでしょう。
 なお、スターリンはヨシフ・スターリンと言いますが、元立憲民主党の衆議院議院有田 芳生(ありた よしふ )氏の名前は、このスターリンから取ったのだそうです。

 そして、ウクライナは1991年に独立します。
 その後、アメリカはなんどかウクライナの内政や外交に干渉(「かんしょう」他人も物事に強いて立ち入り、自己の意思に従わせようとすること。)しています。やったのは子ブッシュとオバマです。

 2015年にロシア、ウクライナ、ドイツ、フランスの首脳が集まり「ミンスク2」という協定に合意しました。この協定はドンバス戦争の停戦を意図したものだったそうです。 この中には「東部ウクライナの住民に『自治権を与える』とあったので、プーチンはこれを了承しました。なにしろ東部ウクライナの住民はロシア人移民なのです。

 このミンスク2について、後日(ロシアがウクライナに進攻してから)ドイツのメルケルは「ミンスク2は最初からロシアを騙(だま)すつもりでやった。」と言い、フランスのオランド大統領も「メルケルの言ったことは正しい。」とやはりロシア(プーチン)を騙す目的であったと言ったそうです。

 じゃ、なぜミンスク2でロシアを騙したのかというと、ウクライナをNATOが利用できる軍隊とするまでの時間稼ぎをするためだったといいます。
 イスラエル建国のときのイギリス政府の「三枚舌外交」というのがあります。この「三枚舌外交」のことを知ったとき、「外交ってここまで邪悪な嘘をついても許されるのだろうか。」と思いましたが、ミンスク2についても同じ気持ちです。
 そもそもNATOって、ワルシャワ条約機構に対する組織です。だから、ソ連が崩壊する少し前にワルシャワ条約機構が解散しているのでNATOも存在意義がなくなったはずです。
 なのに、ウクライナをNATOに組み入れ、さらにはロシアと戦えるようにするとはどういうことなのだろうと思います。
 ロシアの領土欲が爆発しそうで、NATO諸国が戦争の恐怖を感じていたのであれば自衛の準備と言うこともできるでしょうが、実際はそうではなさそうです。
 逆にNATOというかフランスとドイツ等の国々が東方進出を狙っていると言えなくもありません。

 もし、ミンスク2でプーチンが騙されたのなら、プーチンがよく怒り狂って戦争を仕掛けなかったもんだと思います。
 メルケルが「ミンスク2でロシア(プーチン)を騙した」といったのは、プーチンがウクライナに進攻したあとですから、そう思いました。

 さて2022年,ロシアはウクライナに軍事進攻を開始しました。
 当初、プー チン大統領は、ウクラ イナ東部にロシア系住民が樹立し,ウクライナ中央政府との戦闘を続ける「ドネツク人民共和国」 と「ルガンスク人民共和国」の要請を受けた「平 和維持」が目的であると言いました。
 これには東部ウクライナに住むロシア系住民が無差別虐殺されたことが関係しています。住民は少なくても1万6000人がウクライナ軍に殺されたそうです。
 プーチンは「ノヴォロシア」(新ロシア。東部ウクライナ)に残っていた1200万人のロシア人を見捨てるわけにはいかなかったのです。

 上記のことが事実であるならば、「ウクライナ戦争をはじめたのはプーチンではない。」とトランプ米大統領が言ったのは、間違いではなさそうです。
 逆に、西ヨーロッパのメディアは、アメリカの左翼メディアと同様に「報道機関として当てにならない。」という気がします。あっ、これは日本のメディアも同じですね。

 ミンスク2の話を信じるなら、「電気自動車を盲信していた軽薄で邪悪な西ヨーロッパよ、寒さに凍えてろ! 日本は悪魔的なお前らにも軽四輪やハイブリッド車を売ってやるけど、乗る度に東に向かって感謝の祈りをしろ。その祈りの宗教は問わないから。」と言いたい気持ちです。


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