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サイボーグ009におけるブラックゴースト (1110文字)

 漫画家故石ノ森章太郎さんの作品は、『ボンボン』『怪人同盟』『サイボーグ009』などを単行本で読みました。
 これらの中で『サイボーグ009』のブラックゴーストは異質な悪役として記憶に残っています。
 ブラックゴーストは、この作品を読んだ当時としては斬新で先進的な兵器を開発しており、サイボーグ009らはその試作品でありました。

 あれから何十年か過ぎましたが、現在公開されている新兵器はレールガンにしろ第6世代戦闘機にしろ斬新で先進的で価格も運用管理費用も高額で、これらを開発し商業的に売る者は『サイボーグ009』のブラックゴーストに似ています。現代のリアルなゴラックゴーストと言えましょうか。
 ただ、現代のリアルなブラックゴーストは人間が運営しているので、「漫画の世界のブラックゴーストより悪魔的ではなさそうな気がする。」ような気がします。

 ただ、製造して販売している兵器に関しては、意図的に機能を下げて安価にし後進国(発展途上国とは言いません。)に売り付けるという販売戦略を選択しているところが、漫画のブラックゴーストより「命をネタにドラスティック(drastic 徹底的な。)に金儲けしている。」という感じがします。
 そういう兵器の代表としてアメリカのAT-6E攻撃機があります。
 この攻撃機はプロペラ機なので、機体価格も運用管理費もとても安価だそうです。
 これは、ジェット機を運用する経済力のない国用の攻撃機で、そういう国の紛争相手国も同様の経済力なのでやはりジェット機を使用できません。
 結局経済力のない紛争国同士は、各々別の国の安価な兵器を使って戦闘することになります。
 現代のブラックゴーストは、紛争なしには生きていけませんから、紛争のない地域に紛争の種を巻いているのではないかと思えます。

 今後、ミサイルやステルス機の需要は低下して、もっと価格の安価な兵器が多用されることになると思います。そうなると、原子力空母や原子力潜水艦も徐々に運用が限定的になりそうです。

 航空ドローン用に対空機関砲、ソマリアの海賊みたいなボートに火器を搭載して襲ってくる連中用に民間船舶に装備できる20ミリ機関砲などの方が市場価値が大きいということになると、兵器市場でも薄利多売が商品販売の主流になるのかもしれません。

 革新的な兵器の開発と並行して安価に運用できる兵器の開発にしのぎを削る現代のリアルなブラックゴーストは、「国際紛争の当事国中の正当性のある一方当事国の利益のために間接的に支援している。」と言うのでしょうが、それを見極めるためにもっと多くの正確な報道がなされることを願います。

#ブラックゴースト #サイボーグ009
 

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