バビル二世 積極的殺人者としての「101」
漫画『その名は101』(「そのなはワンゼロワン」 横山光輝著 秋田文庫)は、漫画『バビル二世』のスピンオフともいうべき作品です。
『バビル二世』のバビル二世は、適に対する憐憫という感情が非常に少なく、当時の少年漫画には珍しく徹底的に敵を殲滅すべく戦いました。
バビル二世の目的は、宿敵ヨミによる世界制服を防ぐことですが、ヨミはバビル二世と先祖を同じくする「兄」ともえる存在だったので、兄弟による巨大な争いといった面がありました。
『その名は101』は、ヨミとの戦いに勝ったバビル二世が、彼の血液の輸血を受け超能力を身につけたアメリカCIA諜報員を一人ずつ抹殺していく物語です。「101」(ワンゼロワン)とは、アメリカが付けたバビル二世のコードネームです。
この物語でのバビル二世は、超能力者となった数名のCIA諜報員数名を一人ずつ順に抹殺していきます。
物語の展開上バビル二世は、当初こそCIAからの攻撃をかわして反撃する形でしたが、そのうち積極的に超能力者を探しだし、抹殺していきます。それは、超能力者を野放しにしておく危険性を考慮しての行動なんですが、ゴルゴ13と同じくらいの非情さを感じます。
読者は、バビル二世がどういう経緯で血液提供するようになったのか具体的なことは分かりませんし、物語中に三つのしもべが登場しない理由も物語の最後まで知らされません。
このようなバビル二世の行動は、残酷とも言えますが、超能力者の破壊力は水爆以上と思われますから、「人類の平和のために危険物を排除する。」ためにはそうならざるを得ないのかもしれまえせん。
ただ、この設定の中で行動するバビル二世はあまりにも殺伐としているので、アニメ化は難しいと思います。
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