炎舞、そして消し炭[後編]
中学、最後の夏の駅伝練習が始まった。顧問の交代があり、練習もガラリと変わり、「この顧問、無知じゃなかろうか?」と思うことがあったが、私たちの代は結束が固かった。各々に合ったポイントを練習で抑え、皆マイペースで実力をつけて行った。サボる時はサボり、スイッチ入れる時は入れる。私は距離に対応することより、スピードの強化にひたすら取り組んだ。その一環で、スポーツ推薦での進学が内定していた高校の合宿に参加し、ひたすら山道のアップダウン走で脚力をひたすら鍛えた。「勝負所で的確に相手を刺せ