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私はこのやり方で、離れて暮らす親の介護認定に対応しました!

高齢の親がいる場合、この「介護認定」は、とても切実な問題です。
さらに「離れて暮らす親の介護認定」となると、一体どう対応したらいいのか、当初は見当もつきませんでした。

このお話は純粋に、「東京で暮らしている私達家族」が「地方で一人暮らしをしている母親」の「介護認定問題に対処した実体験」を綴ったものです。

ですから、「介護度を上げる秘密のノウハウをお伝えします!」とか「私達が何か特別なメリットを狙って、意図的に介護度を上げることに成功しましたという成功物語」をお伝えしようというものではありません。

また、この問題はそれぞれの「親の状況」や「家庭の状況」によって千差万別ですので、必ずしもこの話がダイレクトにお役に立てていただけるかどうかは分かりません。しかし、少しでも参考になるところがあればと思って書きました。

さらに、かなり具体的に「家族の暗部」、はっきり言えば「恥」みたいなことも書きましたし、多くの方を対象に開示するような内容でもありません。

ですから、恐縮ですが「読んでいただく方を限定したい」という意図から「有料記事」とさせていただきました。よろしくお願いいたします。

【お読みいただきたい方】
・そろそろ親の介護問題が気になり出した方
・離れて暮らしている高齢の親がいらっしゃる方
・頻繁に実家に帰れる状況にない方
・現実問題として介護離職は難しいとお考えの方

こんな方は、もし良かったら読んでみてください。

それでは始めていきます。まず最初は、「離れて暮らしていると、親の状態は、ほとんど分かっていなかった」という話から始めていきます。

「そんなの当たり前だろう」と思われるかもしれませんが、これが「当たり前」の一言で片付けられない、なかなか根深い問題だったのです。

1.やはり電話で話しているだけでは、全然分かっていなかった

事の発端は、2024年2月上旬にきた義兄からの1本の電話です。

「お母さん、少し認知症が入ってきたかもしれない。ちょっと気にしてあげたほうがいいよ.…」、ここから全てが始まりました。

義兄は、たまたま母と同じ町に住んでいます。代々その町で事業を営んでいるので、地域の方々ともいろいろな場面で交流があります。

義兄はある時、顔見知りのおばあさんからこう言われたそうです。
「妹さん(私の妻です)がお嫁にいったお家のお母さん、最近ちょっと変なのよ…認知症が入ってきたかもしれないわ。余計なお世話かもしれないけど、教えてあげたほうがいいんじゃない?」

母は私達と離れて、ある地方の田舎町で一人暮らしをしています。
そもそも母はその町で生まれ、父の転勤で3年程他で暮らしたことはありましたが、それ以外はずっとその町で暮らしています。

そして、父が3年前に他界してからは、ずっと一人暮らしを続けています。
それでも、周りには親戚や友達も多く、特に不自由なく暮らしています。
しかし、高齢(87歳)と言うこともあって、近くに住んでいる実の妹が動いてくれて、「要支援1」という一番軽度の認定は受けていました。

状況としては、掃除や料理も自分でやります。もちろん、ちゃんと歩いたり出来ます、排泄関係も問題はありません。

しかし、そうは言っても気にはなりますので、日頃から頻繁に電話をして連絡を取り、様子を確認していました。実際は、その多くを妻がやってくれていましたが、私も時々電話で話をしました。

会話は全く普通です。多少の物忘れはあるようでしたが、母とのやり取りから特に違和感は感じていませんでした。

声のトーンもいたって明るく、「元気にしている」「友達も毎日来て、みんなとおしゃべりをしている」、「周りの人も、いろいろ助けてくれるから心配は要らない」、大体こんな会話が繰り返されていました。(実は、これは今も変わりません。)

ですから、義兄から電話をもらった時も、私は義兄に対し、「電話で話していても全然普通だよ」、「そのおばあさんが大げさに言ってるだけじゃないの.…」くらいの話をしていました。

しかし、現実は全く違っていました。やはり「電話で話しているだけでは、全然分かっていなかった」のです。


2.「コミュニケーション能力」は恐ろしいほど健在…しかし実態は!

87歳の世間的には、「十分高齢のおばあさん」である母ですが、人前でのコミュニケーション能力、それもごく短時間、あるいは一瞬の「コミ力」は素晴らしいものです。

先日実家に帰った折、たまたま訪ねてきた人と母とのやりとりを傍らで聴いていましたが、さっきまでの私とのやり取りとギャップがありすぎて、「なんなんだ、この婆さんは.…」と皮肉を言いたくなる程でした。

そうなんです。ちょっとした近所の人とのやり取りや宅配便の人とのやり取りは、びっくりするくらいスムーズです。

その状況だけを見たり聴いたりしている分には、およそ認知症が疑われるような状況ではありません。実にスラスラ、淀みなく会話をするのです。

この状況、好意的な表現をすれば「人前だと頑張る!」という事ですが、もう少し実態に近い言い方をすれば、「人前だと格好つける」「人前では取り繕う」ことができるということなのです。

これは、ケアマネージャーさんとの面談、場合によっては医師とも面談においても、いかんなく発揮されます。10分程度の面談では、まず「馬脚をあらわしません」、しっかり乗り切ります。

しかし、実際には様々な症状がありました。

「短期記憶がかなりダメになっていて、10分前のことも忘れてしまい繰り返し同じ質問をしてくる」

「食材の管理が全く出来ておらず、冷蔵庫に同じ食材が大量にあり、かなりの量を廃棄する結果になっている」

「お金の管理がほとんど出来ず、あまりに頻繁にお金を下ろすので銀行から心配されている」

「おろしたお金を、いろんな財布や引き出しに入れてしまい、結局わからなくなり、また下ろしに行く」

「汚部屋というレベルではないですが、部屋の中は乱雑でほこりだらけ」
※これは、お友達のお婆さんが見かねて整理してくれているようで、かろうじて汚部屋にはなっていないというのが実態でした。

等々、さすがに普通とは言えない状況でした。しかし、これらの事は、一定期間一緒に過ごし、時系列に観察していないと分からないことでした。

電話で頻繁に話をしていても、年に数回しか顔を合わせない「息子」では、なかなか気づくことはできない、そんな状況でした。

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