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「東京散歩」増上寺 御身拭い式
先週の日曜日、12月15日に東京の港区芝公園にあります増上寺を訪れました。大変いいお天気で、とても気持ちのいい朝でした。
私は、さして信心深いわけではありませんが、実家が浄土宗なので、このお寺さんには結構訪れています。
よく考えると、厄年のご祈願や自分や家族の重大ごとには、なにかと手を合わせています。なにせ「徳川家の菩提寺」ですし、「勝運」のお守りも有名ですので、結構行っています…割と信心深いのかもしれません…笑
訪れた12月15日は、たまたま「御身拭い式(おみぬぐいしき)」の日でした。「御身拭い式」とは、年の暮れになるといろいろな寺院で行われる儀式です。
そのお寺さんの「御本尊」や「開祖の像」などを、ほうきや布などで、ほこりを払ってきれいにする儀式です。
有名なものは、奈良東大寺の大仏様を職員の方や僧侶の方が長いほうきのようなもので、一年間のほこりを払うニュース映像が出ますね。まさにあれです。「年の瀬の風物詩」ですね。
ご本尊や開祖の像をきれいにする、その儀式に参加することによって「自分自身の心のほこりもきれいに落として、新たな気持ちで新年を迎える」、そういった意味があるんだと思います。
そんな「御身拭い式(おみぬぐいしき)」に、期せずして参加出来てとても豊かな気持ちになりました
.…とここで終われば、「年の瀬の風物詩」「冬の1コマ」という、そこそこ「ほっこりしたいい話」で終わることができるのですが、どうしても1つ言いたい「風景」があります。次の写真です。
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これは、増上寺本堂の写真です。背景に「ウソのように大きな東京タワー」が写っています。この写真、決して東京の名所を無理やりくっつけた合成写真ではありません。
増上寺は港区芝公園という場所にありますので、「東京タワー」は、お隣と言っていいくらいご近所なのです。ですから角度によってはこうなります。
しかし、これはいいんです.…昔から見慣れていますので、特に違和感はありません。
おまけに春のいい時期には、「増上寺、桜満開、東京タワー」なんて絶景が見れます。問題はその隣です。
1年ほど前に出現した「東京タワーの右隣にあるビル」、名前を「麻布台ヒルズ」と申します。
「日本一(値段が)高いマンション」「1室200億円とか300億円なんていう桁違いのマンション」で話題になったビルです。
マンションだけではなく、高級ブランド目白押しの商業ビルでもあります。(私も一度行ってみましたが、売っているものの価格帯が桁違いで何一つ買えるようなものはなかったと記憶しています。)その規模は、さながら1つの街のようです。
増上寺が港区にある訳ですから、「そりゃ、超高層ビルが近くに建つのも仕方ない」と言えば仕方ないのですが、構図としては、なんとも「騒がしい!」、「残念な感じ」になってしまいました。
「増上寺は徳川家の菩提寺」、「歴代将軍の墓がある所」とは言っても、さすがに今は「将軍様」はいらっしゃいませんから、「無礼者め、将軍を見下ろすとはけしからん!」とは言えません、仕方ないです!
しかし、なんとも残念な冬の風景、「冬の1コマ」でした。
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