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読書メモ「チームレジリエンス」

表記本を読んだので感想を記載します。

 この本では、レジリエンスを「困難」に直面した際に、立ち直り、回復するための能力やプロセスと定義していますが、チームでどのようにそのレジリエンスを獲得していくか、重要性やポイントについて説明しています。前提となる知識もあまり要らず、サクッと読めますが、色々な過去の研究内容からのエッセンスが詰まってて、とても参考になりました。


先行きが見えず、不安定で、努力しても報酬が得られるかどうかわからない外部環境に置かれ続けていると、私たちは外部環境に適応することに必死になり、肝心の「自分達は何がしたいのか」という根源的な欲求から、目を背けるようになっていくのです。

第1章 チームの困難と不確実性の科学より

⇒外部環境に適応することに必死になりすぎると自分たちが何がしたいのかを目を背けるというというのは最近経験した事例からもまさに感じていました。

悪循環にはまると、自分たちが「何がしたいのか」だけでなく、「これはしたくない」「これは嫌だ」という後ろ向きな感情にもまた蓋がなされ、ストレスの背後にある自分の本当の欲求に対して、鈍感になっていきます。

第1章 チームの困難と不確実性の科学より

⇒さらに嫌なことまで蓋をして、鈍感になっていき、他責の感覚が芽生えそれがさらに関係性を悪化させると本書では書いています。怖い・・・。

個人レジリエンスが高ければ、チームレジリエンスも高いだろうと言うのは、よくある誤解の1つです。

第2章 困難を乗り越えるチームレジリエンス

⇒本書では「個人レジリエンスが高い人は自身を守る行動に出る可能性が高い」「解決対応が特定の個人に固定化する」「他者の知恵を使わない」という3点から、個人レジリエンスだけでは不十分でチームで困難を乗り越える方法を学ぶ必要があると説いています。このチームレジリエンスの能力を上げる重要性とともにその能力を学ぶ経験が足りていないと感じています。

3つのステップのすべてを完璧にこなせる必要はありませんが、「学習」だけは衰えさせてはいけない、ということをチームの共通認識にすることが大切です。

第2章 困難を乗り越えるチームレジリエンス

⇒チームレジリエンスのSTEPとして、「1.課題に落として対処する」「2.困難から学ぶ」「3.被害を最小化する」の3点を挙げている中で困難から学ぶについて特に重視しています。個の学びの重視は大事に思う一方、過去からの学校教育の学びのイメージが強く、チームでの学びに対する意識が中々強まらないなぁと苦戦しています。

正しく「課題」を設定するためには、目標を「成果目標」「プロセス目標」「ビジョン」の3階層で整理することが有効です

第3章 レジリエントなチームは課題を定めて対処する

⇒目標について、何を目指すのかといったビジョンだけでなく、いつまでにどんな状態にするか?という成果目標、どのようなプロセスを辿るかというプロセス目標も立てて分解して考えることが重要と言っています。(問いのデザインからとのことでした。)問いのデザイン読んだはずなのに覚えていない・・・。

問題を分解することで「緩和課題」と「根治課題」に振り分けてみると、課題がシンプルになります

第3章 レジリエントなチームは課題を定めて対処する

⇒困難に素早く一時対処する緩和課題と、本質を見抜いて根本会昌する根治課題に分けて、まず緩和課題から対応しながら根治課題に向き合うことをお勧めしています。最初から根治課題を考えてなんだかやる気をなくすはよくあるので、良い考え方だなと思いました。

【4種類のコミュニケーションの特徴】
雑談:自由な雰囲気の中で行われる気軽な挨拶や情報のやりとり
討論:どちらの立場の意見が正しいかを決める話し合い
議論:合意形成や意思決定のための納得解を決める話し合い
対話:自由な雰囲気のなかで相互理解を深め、共通認識を作る話し合い

第3章 レジリエントなチームは課題を定めて対処する

⇒対話の重要性を語る上でコミュニケーションについて整理した内容ですが、非常にわかりやすいと思いました。対話に関して、前に読んだ「リフレクション」や「ダイアローグ」でも説明がされていましたが、より考えが整理されました。

感想

 チームレジリエンスは今一番気にしている内容だったので、ちょうどよいタイミングで読めました。チームレジリエンスの能力は育てること可能だし、簡単に外部環境やリーダーシップでダメにすることも出来るなと感じていて、継続的に気にしていかないとならない内容だと考えています。
ありがとうございました。

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