優しいお坊さん
私は祝詞や般若心経を唱えると、代わる代わる守護霊様の声が出る。
理由が分からなかった時にこの原因を知りたいと思い、あるお坊さんの処に行った。
突然行ったにも関わらず、お坊さんは優しかった。
「そうかそうか霊さんが体の中にいるのか。お経を読んでみなさい。」と言った感じだった。
なんて優しいお坊さんなんだとしみじみ思いながら早速、般若心経を読んでみた。
代わる声
般若心経を読むと、やはり声は代わる代わる別人の声になった。
例えば「ぶっせつまーかーはんにゃーはーらーみったーしんぎょう」までが私の声で「かんじーざいぼーさつぎょうじんはんにゃー」までが50代くらいの女の人の声。
「はーらーみったじーしょうけんごうんかい」までが二重の声など、くるくるくるくる声が代わっていた。
その声を聞いたお坊さんは慌てた様子で「精神病 精神病になる」「精神病 精神病 精神病〜」と叫びながら凄い速さで雨戸まで締め切って戸締まりをされていた。
あんまりにも慌てて戸締まりをされていたので、夕立が降るのだなと思っていた。
お坊さんは戸締まりをされるとお寺の鐘をゴーンと鳴らしていた。
鐘の音を聞いて、夕暮れを知らせる合図かと思いながら般若心経を読んでいた。
お坊さんは私に話しかけてきた。
お坊さんは「うちらも何度も何度も経を読んで修行をしとる。あんたさんも何度も何度も読んだらええ」と言うような事を言われていた。
「また来てもいいですか」と訊くと引きつった笑顔で「よくよく経を何度も何度も読んだらまあ」と言われていた。
鐘の音
寺から出てしょげていた。
お坊さんの笑顔が引きつっていたのは急に訪問したからだと思っていた。
夕立が降るなら早く帰らなければと思っていたが、夕立が降る気配がない。
歩きながら(あのお坊さんは何であんなに急いで戸締まりをされていたのだろう)と考えていた。
ずっと考えていると、もしかして私の中の霊が危険だと思ったからなのかなと思った。
霊は鐘の音が苦手と聞いたことがある。
また、よくよくお坊さんの慌てた姿を思い出したら笑いがこみ上げてきた。
勝手に訪問して負の気持ちさせといて本当に申し訳なかったのだが、慌てて戸締まりをされた後に鐘の音の「ゴーン」は面白い。
今でも、たまに思い出して笑ってしまう。
この突然の訪問でも、お坊さんは優しかったので当分は幸せな気持ちが続いた。
https://www.youtube.com/watch?v=Ncm-RKLCA88
霊の声を使ってバイトを休みました。(動画)