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通るESの書き方(研究内容編)
お久しぶりです、25卒のいっちーです。
半年ぶりにnoteを開いたら結構ビューがあって驚きました。
今回は、大学院生がESに絶対に書く必要のある「研究内容」について、書類審査で落とされた経験から得た知識やノウハウを、お伝えしたいと思います。
自己紹介
属性:東京一工 理系院生(非留学)
部活・サークル:非ガチ系体育会
アルバイト:塾講師
内定先:総合商社(5大)、大手電機・重工メーカー複数社、日系コンサルなど
イントロ
大学院生が就活する際には、必ず「研究内容」の項目がESにはあります。
自分は商社就活をしていたので、ESの内容は研究室の同期よりもかなり洗練していた自負があります。
あるとき、理系メーカーを目指す友人に就活相談をされESを見せてもらった際に、内容が酷くて驚いた記憶があります。
結局その友人のESは私が添削し、彼は見事第一志望の企業に内定しました。
自分語りになりますが、ESを読んでもらった日系コンサルの人事の方に「君の研究内容が面白くて、一番覚えている」と褒められ、非常に嬉しかった記憶があります。それほど皆難しく書くものなのです。
では、就活(笑)に興味のない大学院生が書きがちなESを回避する方法を説明します。
まず大前提として、「自分の研究内容は理解されない」ものだと思ってください。特に大企業では専門職の社員ではなく、人事が最初にESに目を通すことが多いため、専門的なことを書くとこの時点でネガティブチェックに引っ掛かります。
というか、専門職の人間でも畑違いの研究内容を理解することは困難ですから、専門的すぎることを書くのはNGなのです。
そのため研究内容を説明する際には、いかに分かりやすい(=単純化した)内容にするかが肝なのです。
では、単純化するために2つのポイントを説明します。
ストーリー性
ストーリー性のないESは読んでいて面白くない(=記憶に残らない)ですし、説得力に欠けます。
説得力というのは、「その研究がどういった立ち位置にあるのか」という説明です。
どのような研究をしているのか
→なぜそのような研究をしようと思ったのか(意図)
→どのような社会的問題がもともと存在し、その研究に繋がるのか(原因)
→その研究はどのような応用が考えられるか(将来性)
これらの要素を400文字に入れようとすると、「どのような研究をしているのか(=研究内容)」を書くスペースなんて100文字程度しかないことに気が付くはずです。
つまり研究内容の説明自体はそんなに重視されていないのです。
しかしここで理系院生はエゴが出ます。それは”内容の正確性”というエゴです。
落ち着いてください。ESを読むのは教授ではなく面接官です。
面接官はあなたの研究分野における先行研究を知りませんし、科学的な説明の正しさには微塵も興味ありません。
中学生でも理解できる「分かりやすさ」のみを重視してください。
もし、あなたの修士論文の内容が全部で10あるとしたら、ESに書くことができるのは1か2までです。本当にそれで十分なのです。
※実は面接官側にとっても、就活生たちの研究内容を正確に理解し、面接のたびにクリティカルな質問を考えるのは、非常に面倒なのです。
そのため、研究の意図や原因、将来性といった質問は、面接に疲れた面接官にとってインスタントに多用できるものであり、就活生側としても対策しやすいものになります。これがコミュニケーションです。
専門用語の数
これは実際に見てもらった方が早いでしょう。
例えば、進撃の巨人のあらすじを説明することを考えます。
悪い例:
「進撃の巨人は、エレンとミカサ、アルミンがいてね...。ある時、超大型巨人が壁を破壊して...調査兵団に入って...そしてエレンには巨人化能力があって...でも女型の巨人が...」
何を言いたいのかさっぱり伝わって来ません。
それはなぜか。
内容が多いこともありますが、馴染みのない単語が連発しているからです。そもそも聞き手は”超大型巨人”でおなかいっぱいです。
良い例:
「進撃の巨人は、壁に囲まれた街に住む主人公たちのところにある日、”大型の巨人”が攻めてくるんだ。それで三人が軍隊に入って戦う話だよ」
これで良いのです。もし面接なら次に「大型の巨人」とは何かを聞きに来るはずです。そこで初めて、研究への思いや経験を”楽しそうに”話せば良いのです。
“女型の巨人”とか、”調査兵団”とか「私にとって」面白い要素はたくさんあるが、それを聞く気力もメモリも多忙な人事の方にはありません。
これを応用するには具体的にどうすればよいか。
まずあなたがESに書いた研究内容から、(家族は知らないであろう)一般的ではない用語にマーカーを引いてください。そして1番重要な単語だけ残し、他の単語を全て一般的な用語に言い換えてください。
これで幾分とましになるはずです。もし文章が不自然なら単語の前後を変えてください。
あと、よくある手法としては、専門の違う友人や家族に読んだ感想を聞くのが一番早いです。大概の場合、「…よく分からなかった」と言われるはずです。
「研究内容」とはなんぞや?
そもそも、ESに書く「研究内容」の設問は何を聞いているのでしょうか?
一説には「研究への取り組み方を通して、あなたがどのように課題を解決するのか、といった取り組む姿勢や再現性を見ている」ことが指摘されています。
これは私の肌感覚的にも正しく、実際の面接でも研究内容を話したあとの質問では、
「どうしてそのテーマを選んだのですか?」
「研究で起きた問題はなんですか?」
「それをどのように解決しましたか?」
「あなたのオリジナルの部分はどこですか?」
が聞かれることがほとんどでした。
間違っても、
「その解析方法は本当に正しいですか?」
「先行研究と比較した際の新規性はどこですか?」
「素人質問ですが…」
などと詰められません。安心してください。
まとめ
ESの研究内容は、ここまで削っていいのか、半分嘘じゃないか、という領域まで”分かりやすく”してください。丁寧に説明したいのなら、面接の最中に好きなだけ解説してください。もちろん、楽しそうに話すことが一番大切です。自分の体験ベースで話すことが出来れば、自然と言葉が出てくるはずです。頑張ってください。
(追記)
説明に使用する専門用語を減らすことは、面接官の質問を無意識に自分に有利な質問に誘導するテクニックとしても使えます。この辺はまた機会があれば解説します。