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民法#44 相続と登記

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事例①


被相続人が不動産を譲渡aした。死後、唯一の相続人は相続不動産を譲渡した。
→aとbの譲受者は対抗関係となり、先に登記を備えた方が勝つ。
→相続の原則は包括承継であり、被相続人の地位を相続人がすべて受け継ぐ。

事例②


不動産を所有する被相続人が死去した。相続人がab二人いたが、被相続人は生前に当該不動産をcに譲渡していた。cへの登記がまだのうちにab,はそれぞれの相続分を登記して、b,はeは自己の持ち分を売却した。
→cとeは対抗関係であり、eはb,からの所有権移転登記がなければcに対抗できない。

事例③


被相続人には相続人abがいて、遺産として不動産があった。遺産は分割協議によりaの単独所有でまとまったがbが勝手にすべての持ち分を自己で登記してしまい、それを第三者に譲渡してさらに登記を備えた。
→遺産分割や遺言などにより法定相続分を超えて相続する場合は登記がなければ第三者に対抗することができない※最裁s46.1.26
また、遺産分割の効力は相続開始の時にさかのぼって生じるが第三者を害することはできない※民法909条
→したがって、aは法定相続分までは登記なくして譲受者に対抗できるが、bの法定相続分までは登記がないため対抗できないことになる。

→③において遺産分割であったところが被相続人の遺言であっても結果や処理はかわらない。

事例④


被相続人は不動産をもっていて、相続人abがいる。遺産分割協議によりaが単独相続することになったが登記は被相続人のままであった。遺産分割協議を知らないbが債権者代位によりbの法定相続分を登記した上で差し押さえた。
→aは債権者にbの法定相続分を対抗できない。

事例⑤


ある相続人は遺言により相続分は3分の1とされたが、登記は法定相続分の2分の1とした。その法定相続分を譲受者は譲り受けて登記をした。
→正当な登記を経由しているため、譲受人は法定相続分で対抗できる。

事例⑥


被相続人の死亡により不動産の相続が発生した。相続人はabであったが、bは相続を放棄した。しかし、bはその後不動産の所有権すべてを自己の物として登記して、第三者に譲渡した。
→相続を放棄した以上、相続開始の時から無権利者と扱われるため、登記なくしてa,は第三者に対抗できる。

演習問題

次の設問に○か✕かで回答せよ。

①甲土地を所有するAが死亡し、その子であるB及びCのために相続の開始があった。Aは生前に甲土地をDに譲渡したが、その旨の所有権の移転の登記をしないまま、死亡した。B及びCは甲土地について相続を原因とする所有権の移転の登記をした後、Cは甲土地の自己名義の持分をEに譲渡した。この場合において、EはCの持分についての移転の登記をしなければDに対してその持分を主張することができない。

→○ AからD、CからEの譲渡はCが相続した持分について二重譲渡の関係となる。このため、EはCの持分についての移転の登記をしなければDに対してその持分を主張することができない。

②被相続人の死亡により、その所有する土地をYとZが共同相続をした。その後、YZでYの単独所有とする遺産分割協議が成立した。しかし、Zは土地の所有権全部につき自己名義の登記をした上、これを第三者甲に譲渡してその移転登記をした。

1.Yは相続により取得した自己の持分を甲に対抗することができるか。

→○ 相続と同時にYは自己の相続分を得るため、この部分に関しては登記なくして第三者甲に対抗できる。

2.Yは所有権の全部を甲に対抗できるか。

→✕ Zは一旦当該土地を自分のものとして登記をして第三者甲に譲渡している。Yの自己持分は登記なくして第三者にYは対抗できるが、Z分だった持分はYと甲との二重譲渡と同じ関係となり、対抗関係となる。したがって、登記を有している方が勝ちとなる。

③甲土地を所有するAが死亡して、その子であるB及びCのために相続の開始があった。Aは甲土地についてBの持分を4分の3、Cの持分を4分の1として相続させる旨の遺言をしたが、Cが甲土地について、自己の持分を2分の1とする相続を原因とする所有権の移転の登記をしたところ、Cの債権者であるDが当該登記に係るCの持分の差押えを登記した。この場合において、DはBに対して甲土地の2分の1の持分を差し押さえた旨を主張することができる。

→○

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