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スタイリッシュなアフリカ文学「アメリカーナ」チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ

私、この小説とってもいいと思った。

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェさんは1977年ナイジェリア生まれの女性作家。シングルストーリーという名スピーチがあって、

アフリカ人(ナイジェリア人ではなく、大きくまとめられてしまう)は飢餓や疫病に苦しんでいるというシングルストーリー(たった一種類だけの物語)が語られ続けた結果、それが固定概念化し、「かわいそうな人々」というまとめで人の尊厳を奪ってしまう。なので、一種類の物語しかないのは危険だ。

という内容みたい。

そして、この小説はナイジェリアからアメリカ大陸、イギリスをまたにかけた長い恋愛小説。国を出るとやっぱり差別の問題がつきまとうんだけれど、その暗く深い問題との距離感がとてもいいと思う。
理不尽な目にあって人生を狂わされるけれど、それを主問題に据えず、あえて恋愛ものにまとめてて、それがとてもオシャレ。

運命の彼。

恋する男女の文脈の中にときどき無造作に放り込まれる差別事件が、かえってそのひどさを際立たせるというか。
「毎日暮らしててこんなことが普通に起こるものなの!?」
と思う。
主人公たちは、それにとても傷つく。
問題が大きすぎて、立ち向かうことすらできない。

でも誰かを好きになるとか、元カレを忘れられないとかは、社会問題とは別のこと。

最初につきあった相手をお互い忘れられない。どれほど離れていて、変わってしまっても。人生の道が違ってしまっても、自然消滅したように見えても、その人を見出す。
世界に散らばってしまっても再会する、

すてきな恋の物語だった。

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