ある日

ある日から眠れなくなった
プツンと糸が切れたかのように、生きるのがしんどくなった
ご飯を食べる気力も無くなった
お風呂にも入れなくなった
ベッドから起き上がる力も無くなった
漠然と死にたくなった
でも、死ぬ力が出なかった

そんな日々から抜け出したくて夜中に近くの精神科を調べた
1番上に出てきた病院に行くことにした
重い身体を引きずって、次の日には病院へ行った
大好きだったコートが、果てしなく重く感じた
久しぶりの電車は、吐き気がした
人と会うのに動悸がした
受け取ったペンはどこか重かった
ずしりと手にかかった

バウムテストをした
よくわからない評価シートをした
採血をした
結果は抑うつ状態だった
鬱じゃなかった
そんな違いはどうでも良かった

呼ばれたから立ちがあった
足取りは誰かに引っ張られているんじゃ無いかってくらい重かった
足が上がらない
前に進まない

心理士みたいな人とお話しをした
人と話すのは久しぶりで、唇が震えているのが分かった
ご飯が食べられないこと
眠れないこと
涙が止まらないこと
友人からの連絡も返すのが億劫になったこと
なにもしたくないこと
伝えた
涙をグッと堪えて話した

医師とお話をした
どうしてこうなったか
どんな症状があるか
伝えた
経緯を説明してる最中
自分はこんな人間なんだ
どうしてこんな人間なんだって実感した
どうしようもなく情けなくなった
また涙が出てきそうだったからグッと堪えた

睡眠導入剤と抗不安薬をもらった
それでも眠れなかった
再受診して薬を強いものにしてもらった
飲んで数十分
全身の力が入らなくなった
深く深くベッドに沈み込むような感覚
瞼が重くなり閉じてみた
やっと夜から離れることができた
尋常じゃないほどの悪夢を見るけどね



眠れない
食欲が湧かない
お風呂にも入れない
涙が止まらない
前みたいに身体が動かない
キビキビ動けない
歩けない
音楽も聴けない
YouTubeも見れない
本も読むことができない
笑えない
何もできない
どうしようもない
価値がない
そんな自分が大嫌い
世界で一番大嫌い
頑張れない自分が大嫌い
本当に嫌い
生きてていいのかな
消えてなくなればいいのに
しんどい
辛い
死にたい

涙だけが、ただただ溢れていた


今でも薬が無いと眠れないし
ぼーっと朝を迎えることもある


『寝なよ』って言わないで
分かってるよ、私だって眠りたい
どうしたって眠れないの
黙ってて欲しい
何度も言わないで欲しい
自分が一番分かってる



誰にも言えないから、ここに失礼していいかな