どんな業務が自分に合うかはわからない。
障害年金が好きになった
消去法で障害年金を始めたのだったが、業務に取り組んでいるうちにムキになっていた。
もちろん困っている依頼者に喜んでもらえるのも嬉しいことだったが、処分取消を得ることに喜びを感じ、反体制というか、そういう反逆精神をモチベーションにして業務に取り組んでいた。
それが災いしてか、年金事務所の窓口などとはよく揉めた。まだ若かったので必要以上に揉めていた感は正直ある。納得がいかないことがあると、解決しなければ気が済まなかったのだ。申し訳ございません。
たとえば、まだ事跡がなかった頃、所沢年金事務所で受付してもらったものの、その上席から「この請求は成り立たないから本部に上げない」などと言われて揉め、再度行って取り下げ、その足で川越年金事務所に行って受付してもらったこともある。(結果として遡及して認められた)
もっとうまいやり方があったんじゃないか、と今となってはちょっと思う。
そんなことをしているうちに、縁あって東京都会の自主研に参加するようになった。所属は埼玉県会だが縁(社交性)がなく、未だに埼玉会の自主研には参加したことがない。
・・・などと思っていたら、見るに見かねたのか、先日依頼をいただいて、恐れ多くも講師の立場で参加することになった。
自主研に参加することで、交流も知識も相談する仲間ができた。2年目とか3年目だったので自分が一番下だと思っていたが、意外にも実務をしたことがある人は少なく、発表に回ることも多かった。
今でも実務面で尊敬する社労士が一人だけいるが、その人と出会ったのもこのときだった。この人と初対面の時、「もう100件やった?」と聞かれた。
たぶん90件くらいかなと思ったがちょっと盛って「100件やりました!」と答えた。
「じゃあ、そろそろなんとなくわかってきた頃だね!」と言われた。
あー、やっぱりそういうことなんだな、と思った。
障害年金をやる社労士は、グダグダ言う前にまず100件やらなくてはいけない。(ボクが言ったんじゃないです、先輩社労士が言ったんです)
自主研に入ってからというもの、現在までずっとどこかしらの研究会には継続して籍を置いていて、参加もして障害年金の勉強を続けている。
周りを見ると、業務が滞りなくできるようになったということ、忙しくなった、などで勉強を辞めてしまう人も多い。ウチには社員社労士が二人いるが、この二人も研究会や勉強会に参加していない。
障害年金は滞りなく請求事務ができるようになったということと、審査請求や再審査請求で取消裁決を得られるような趣旨及び理由を書けるかということは全く別の話だ。
障害年金では制度の変更、制度は変わっていないが運用面で変更、よくわからないが変更、というものも多く、情報収集や事例の共有が欠かせないのだが、ウチの事務所では未だにその役を自分が担っている。
一応、Bossシャロなので、「先生、先ほどこんな話を聞いて参りました!」などと報告を受ける日があっても良いと思うが、残念ながらウチの事務所ではまずない。情報を得て、共有する立場に回る方が圧倒的に多い。なぜなのか。
というか、むしろBossシャロと思われてない可能性が高い。よくごはんおごってくれる先輩、くらいに思われている節がある。
どうしてもやりたくて始めたわけではない障害年金の業務だったが、今となっては思い入れもあり、ずっと勉強を続けていることは数少ない自慢と思っている。
どんな業務であったとしても、話が来たならばまずやってみて、それから自分に合うか考えれば十分なんじゃないだろうか。