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志の輔落語 バスストップ
志の輔師匠の新作落語に「バスストップ」という噺があります。
これは結婚式の媒酌人を頼まれた夫婦が
その結婚式の当日、式場へ行くためにバスを待っているのですが、
奥さんが美容院へ行ったりで、出掛ける時間が遅くなったのです。
それなのにいくら待ってもバスが来ないのです。
先に待っている人に どのくらい待っていますか?
と聞いてみたり、
前のバスの行くのを見なかったですか?
とか色々聞いたりしますが、あまり参考になりません。
ようやく来たと思ったら「回送」だったり
「貸切」だったりするのです。
そして、今度こそ来た!と思ったら2台続けて来たのです。
やっと来たよ!
と先に来たバスに乗ると、続いて来たバスに乗る人がいなかった為、前のバスを抜いてしまいました。
「なんだあれは!どういうことだ!
だからさっき待っている間に次のバス停まで歩こうと言ったのに、お前はそんなことしたって
乗るバスは一緒でしょ!って…違うじゃないか!」
そして…
「え~次は終点○○車庫!○○車庫!」
「おい、ちょっと待ってくれよ!駅には行かないのかい?」
「あ~駅に行くのはあの後から来たバスですよ!」
「おいおい、だったら何で教えてくれなかった?」
「そんなこと言われても、聞かれなかったですし…」
「よし、もういいよ!いいから運転手さん、これから駅へ行こう!なっ!」
「いや、それは無理ですよ!」
「無理じゃないよ!なっ行こう!」
・・・・
結局、運転手さんは行ってくれるわけも無く、
タクシーで披露宴会場に到着すると、もう媒酌人が来ないので
会場は大騒ぎなのであった。
そんな噺です。
先日、私がまさにそんな感じでした。
私は福岡に行くのに自分の車で益城インターまで行き、
近くのショッピングセンターに車を置いてきました。
高速バスのバス停は目の前なのです。
帰りのバスは、天神バスセンターから乗りました。
私は熊本行の高速バスは全てが「益城インター」というバス停に止まるんだと思っていました。
嫌な予感がしたのは、バスが熊本インターで下りて、街に向けて走り出してからです。
「次は県庁前!」というあたりで運転手さんに聞いてみました。
「あの~このバスは益城インターへは行かないのでしょうか?」
「はっ!?益城インターは行きません!益城に止まるのはノンストップ便だけです!」
「えっ!私は益城に車を置いて来たので益城に行きたいのですが、どうしたらいいですか?」
「そうですね・・・どうしたらいいですね・・・」
「ここで降りて、反対側走ってくる高速バスに乗ればいいでしょうか?」
「いえ、益城は乗車のみで降車は出来ません。」
「じゃあ、どうすればいいのでしょ?」
「そうですね・・・」
ご婦人登場
「あの・・・あなた、次の味噌天神で私と一緒に降りましょ!私が益城インターまで車で送ってあげるわ!」
「えっ!そんな、いいんですか?」
「なんでもないわ…どうせついでだから!」
私は、その方は その味噌天神というバス停の近くに車を止めてきて、自宅が益城方面なのかと思いました。
しかし、付いていきますと車は自宅にあったのです。
そして「どうせ買い物に行くついでだからいいのよ!」
とのことでした。
素晴らしき熊本県民!
ありがとうございました。
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