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カツ丼

時々無性に「カツ丼」が食べたくなる時がある。

そう、あの日もそんな気分だった・・・
休みの日、「どうせやっていないだろう・・・」と思いながら内牧の繁華街(?)の一番立地の良い場所に店を構えるイマ○ン食堂を覗いてみると、
なんとのれんが出ていた。

めずらしい!って思った。
いったいこのお店は、どういうポリシーで営業をしているのか全く分からない。

過去、3回ほど 折角来たのにいつもお店は閉まっていた。

曜日の関係では無い・・・かと言って何か案内が出ているわけでもない。

そして、「そんな目にあってまで来たくなるほど美味しいのか?」
と聞かれれば、「う~ん・・・」というしかないのであるが、
チャンポンは中々いい味を出している。
ちょっとニンニクが味を邪魔してはいるが・・・

その日は、カツ丼モードだったので迷わず「カツ丼!」ってオーダーをしてしまった。

以前にこの店でカツ丼を食べたことがあったわけでは無く、単にカツ丼モードだったからである。

お店は先客が10人ほどいたが、既に皆食べているか、食べ終わった感じで、
私の注文したカツ丼は、ほどなくして出来てきた。

「ウシシ・・カツ丼、カツ丼!」とニコニコしながら食べ始める。

なんか見た目が美しく無いカツ丼だな・・・と最初に思った。

まっいっか・・・パクッ!

「???」なんか味がイマイチだぞ???
私の頭脳が 詳しく分析を始めた。
頭脳も少し怒りを感じ始めたようである。

先ずカツ自体の味がオカシイ!
胡椒をきかせ過ぎなんである。

胡椒は醤油系の出汁には合わないし、変な主張をするのである。
そんなことも知らないのか!?

あとは、非常に基本的なことであるが、料理法がオカシイ!
普通は出汁とスライスした玉葱を煮て、そこに揚げたてのカツを切って入れる。

ほど良く火が通ったところで、卵を溶いてかけ、蓋をして卵に火が通り過ぎないタイミングで火を消す。

イマ○ン食堂のカツ丼は違っていた。
多分こうである。
先ず、出汁にカツを入れ、それを先にご飯の上にのせる。
カツを取り出した出汁にスライスした玉葱を入れ火を通す。
そこに溶いた卵を入れ、菜箸でグチャングチャンにかき回す。
その玉葱入りグチャグチャを、さっきのカツの上にのせる。
こんなのありかい!?

しかし、先日天草に行った時に食べたカツ丼もこんな感じだった。
九州はどうも丼物の文化がおかしいようである。
やたらとツユダクにしたがるし、出汁も甘くしたがる。

友人のミュージシャンでサックス奏者の加塩氏は鹿児島の出身である。

彼の実家はそば屋であった(今はもう閉めたそうであるが)。
彼は、実家のお店で出しているカツ丼が世の中で一番美味しいと思っていたそうである。

鹿児島大学を卒業した彼は、東京に出てミュージシャンとして活躍を始める。

ある時、九州ツアーで鹿児島を訪れ、一緒に来ていたミュージシャンの面々を実家のそば屋へ連れてきて、
「これが自慢のカツ丼だ!」とカツ丼をご馳走したそうである。
あれっ!? 皆の表情がおかしい? 誰も美味しいって言わない? なんで?
って思ったそうである。

ツユダクで甘すぎる出汁に皆驚き、
またその驚きは「美味しい驚き」では無かったのである。
加塩氏自身も、それ以来 カツ丼に対する考え方が変わってしまい、
今ではそういうタイプ(九州タイプ?)のカツ丼は好きで無くなったそうである。

う~ん、カツ丼も深い!!

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ササピー
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