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落語 枕

▪️まくら

志の輔師匠の枕に、こういうのがある。

豪華客船が難破して、船長がこう呼びかけた。

男性客は、直ちに海に飛び込んでください。

アメリカ人には、「今飛び込めばヒーローになれます」というとどんどん飛び込む。

フランス人には、「今飛び込めば女性に持てますよ。」

ドイツ人には「飛び込むことが規則になってます」

日本人には「みなさん飛び込んでますよ」

中々面白い!

ネットで調べてみると、
他の噺家にも、面白いのがいっぱいあった!😆

●タクシーにて

「すみません、運転手さん。次の信号を右でお願いします。運転手さん?運転手さん!…おじいちゃん運転手だから耳が遠いのかな?ねえ、運転手さん!すみません!」

透明のプラスチックボードをたたくと、ようやく運転手が振り返った。

「ぎゃー!」

急ブレーキで停車すると慌ただしくシートベルトを外して車外へ出る。車を見て一息。我に返ったように運転席へ。

「ああ、お客さん、どうも失礼しました。取り乱しまして。おけがはありませんか」

「いったいどうしたんですか?」

「いやあ。私、つい昨日まで霊きゅう車専門だったもので。後ろから声をかけられるなんて」

●忍者

休日の昼下がり。若者ふたりが山道をドライブしていると、急ブレーキ。

「うわっ、どうした?」

「さっきのカーブに、忍者がいたんだ」

「忍者?この時代に?」

「いや、いたんだってば」

路肩に車を止め、ふたりが戻ってみると確かに忍者がいた。

黒ずくめの忍者衣装で、背中には刀。はいつくばるようにして、アスファルトにぴったりと耳をつけている。

「うわ、本当に忍者だ!」

「何かしゃべってるぜ」

「…赤のスポーツセダン。運転席には20代男性。助手席は20代女性。現在、時速80キロで南に向かって走行中」

「すごいよ! ねえねえ、忍者さん。どうしてそんなことが分かるんですか?」

「いま、その車に、ひかれた」

●素潜りの名人

南の島の海。ダイビングのインストラクターが生徒たちを連れて海に潜っていた。5メートル、10メートル。ふと横をみると、アクアラングの装備をつけていない男がついてきている。

「素潜りでこの深さとはすごいな」

さらに15メートル、20メートル。まだついてくる。

インストラクターは驚き、メッセージボードに書いて、みせた。

「どこで素潜りの技術を覚えたんですか?」

素潜りの男はボードを奪うと、手早く書いた。

「バカ!おぼれてるんだ!」

●バカ世界大会

「世界一のバカだなおまえは!ぶっちぎり!バカワールドカップがあったら、おまえは絶対に銀メダル間違いなしだな!」

「どうしてぶっちぎりで世界一なのに、銀メダルなんだよ?」

「きっと実力が発揮できないから」

●熟練のドライバー

「もしもし、おじいちゃん?運転中だよね。ごめんね」

「おう、マイコか。急用か?」

「あのさ、今テレビのニュース見て慌てて電話したんだけど。今走ってるの、東名高速だよね。やっぱりそうだ!今ね、東名高速を逆方向に暴走してる危ない車いるんだって。ねえ、そこだよ!気をつけてね、おじいちゃん!」

「わっはっは!なーに言ってんだ。じいちゃんは運転上手だから、逆走車だってパッと気付いてサッと避けちゃうんだ。あっはっは。ぶつかりゃせんよ」

「でもさ、いざとなったら分かんないじゃん」

「避けられるって!わっはっは。実はな、ついさっき、その逆走車とすれ違ったよ。こっちに向かって走ってくるから『危ねえ!』ってとっさに避けたところだ」

「うっそ~!」

「なぁに考えてんだか。運転してたのは若い男だったけど、えらいスピード出してた。高速で逆走なんて、とんでもねえ」

「良かったあ、無事で。もう、本当に心配してたんだから。じゃ、大丈夫だね」

「わーっはっはっは!おまえのおじいちゃんは、まだまだモウロクしとりゃせんよ。ほうらまた逆走車!また逆走車!こいつも逆走車!」

「…おじいちゃん!おじいちゃん!?」

●新婚の朝

「ねえ、結婚したんだって?」

「そうなのー!」

「いいないいなあ!朝はどっちが先に起きるの?」

「えっとね、彼。だからいつも起こしてもらっちゃうんだ」

「いいなあ!どんなふうに起こしてくれるの?」

「カーテンを半分だけ開けてね。ほら、全部開けるとまぶしすぎるから」

「わー!やさしいー」

「で、そっと肩をゆすってくれて、ほっぺにチュッ!って」

「わーわー、それでそれで?」

「『おい、起きろよ、めぐみ』って」

「いいなあ!毎朝?」

「そう。毎朝」

「そんな風に優しく起こしてくれる彼に、あなたはいつも何て言うの?」

「『めぐみじゃなくて恭子だよ』って」

●国家存亡の危機

某国の軍事訓練所。そこではVIP警護、つまりSPになるための最終面接が行われていた。

「きみはここまで射撃・格闘術の実技試験、筆記試験など、すべて優秀な成績だった。今から行うのは、最終面接だ。とっさの際の危機回避、判断能力を試す。この面接をクリアできれば、きみは晴れてSPとして採用される。いいな」

「はい。お願いします」

「きみは単独で最高指導者の身辺警護を担当している。会議場前の歩道を歩いていると、指導者めがけて猛スピードで突っ込んでくる自動車が1台。振り返ると後ろからは拳銃や刃物を手にした覆面の男たちが5人、最高指導者に向かって走ってきた。きみが持っているのは拳銃で、6発の実弾が入っている。相手は1台と5人。どの順番で拳銃を発砲する?国家の危機を救うためだ」

「ええと、最高指導者に向けて6発」

●ごめんください

「こんにちは。お父さん、いる?」

「いらない」

●犬と新聞

「ねえ、パパ。知ってた?うちのワンちゃん。とーっても賢いの」

「どうして」

「だってほら。いまあながた読んでるその新聞、今朝もあのこがとって来てくれたのよ」

「ふうん。でもその程度の犬なんて、世間にはいくらでもいるんだろ」

「うち、新聞とってないじゃない」


■右に寄せた

「うちの師匠が脳梗塞(こうそく)で倒れまして。命はとりとめたんですが左半身がまひしちゃうようなことになりましてね。看護婦さんが師匠にそのことを言いましたら、そっとおちんちんを右に寄せました」

 →春風亭小朝師匠の枕話。
 
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