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続コンプレックス Vol.17
そのマンションは南麻布の愛育病院の近くだった。
高級マンションなんだろうなぁ~
とは予想していたが、実際は予想をはるかに大きく超えていた。
エントランスからロビーに向かう通路には両側の壁に水が流れ、照明も上品にコントロールされていた。
ロビーの正面には
フロントカウンターがあり、
スタッフが配置されている。
ホテルを真似て、間に合わせに作って、間に合わせのスタッフを配置しているのでは無く,
ホンモノのプロのニオイを感じた。
一応こちらもプロなのだ。
ニオイには敏感というか、無意識に感じてしまうのだ。
「あの、すいません!○○号室に行きたいのですが…エレベーターがたくさんあって…どうやって行ったらいいですか?」
フロントの前にいた男性に聞いてみた。
「あ、分かりにくいですよね。エレベーターがたくさんあって…実はエレベーターは、ワンフロアに2部屋という作りなんですよ。どうぞご案内します。」
とても柔らかい、素晴らしい対応であった。
ようやく部屋の前までたどり着いた。
女房と子どもたちは緊張のピーク!
私は別に平常心であったが、気になることがあった。
あのソファーは、○ASOの広い客室に合わせてデザインされたもので、マンションの部屋に設置した場合、どうなんだろう…
大き過ぎて、邪魔になって、
ささぴぃ、困ったわぁ~、
なんて言われ無いだろか…
その点だけが、気になっていた。
チャイムを押すと、すぐにママがドアを開けてくれた。
「ママ!ソファー見に来ました!」
「ささぴぃ!ありがとう!さあ、どうぞ!どうぞ!」
あれ~!凄い広い!
マンションじゃ無いみたい!
ざっと見た感じでは、150平米以上あるのは間違いが無いところだ。
あっ、あった!
ソファーがあった!
なんか、ちっちゃく見えた。
そのくらい、部屋が広いのである。
「納品は問題無かったですか?」
「大丈夫よ!な~んにも、問題無かったわよ!」
「そうですか、良かったです。安心しました。」
「ささぴぃ、あら奥様、はじめまして!あっくんに真央ちゃんでしょ!おば あちゃん、お菓子買っておいたから食べてね!」
テーブルの上に
じゃがりこが山のように積んであった。
前に電話をもらい
「ささぴぃ、私子どもたちが何を食べるのか分からないから、ちょっと具体的に名前を教えて!」
と言われ
「あ~あいつ等は、じゃがりこがあれば、それでOKですよ!」
と言ったのを思い出した。
子どもたちの目がキラリと光った!
じゃがりこは大好きだが、こんなに食べれるかな?
とでも思ったのか…
ペットボトルのお茶やら水やら山のように出てきて
「これ、余ってもおばあちゃん困るから、ぜ~んぶ持って帰ってね!」
そのことばに
子どもたちがニヤリとした。
「ママ、一階のフロントの人たちって、なんか凄いプロのニオイを感じたんですけど、どういう人たちなんですか?」
「あらささぴぃ、流石ね!あの人たちは、ホテルオークラのフロントの人なのよ!派遣されているのよ!みんな親切よ。それとね、そういう関係で、ホテルオークラのレストランのメニュー全てを出前頼めるのよ!これは、ホント便利よ!中華やフレンチや、単品で頼めるのよ!」
お~そういうことか!
でも、そんな凄い展開がある話、私は初耳で衝撃的な話でもあった。
いったい、このマンションって
いくらぐらいするんだろぅ…
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