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おばぁちゃんの言葉でライターを再び目指した話 第5話

こんばんは。
いつも閲覧いただきありがとうございます。

私のリアルな体験談でライターの方、もしくは何かに挑戦する人に勇気を与えられれば嬉しく思います。

さて。今回は私が再びライターになるきっかけの話です。
私がライターを目指したきっかけ。それは…。

おばぁちゃんのある言葉からです。

前回までのあらすじとして、平穏な日々がおばぁちゃんが転んだことで一転。
突如入院が決まりました。

そこから紆余曲折を経て老人ホームを入居し、一安心かと思いきや、悪性の腫瘍が見つかります。

医者の話では手遅れとのことでした。

「入院して治療しながら生きるか」
「施設で余生を過ごすか」

二択を迫られた私は後者を選びます。
丁度その頃、私の退職も決まり有給消化に入った私は毎日施設に通います。

残された時間を惜しむかのように…。

そんな最中、夢の中でおばぁちゃんが現れ言葉をかけられますが風が邪魔して聞き取れません。

目が覚めると携帯に電話があります。

おばぁちゃんが入居している施設からでした。

電話越しの声はスタッフさんでただ一言。
「おばぁさんが今亡くなりました。」

真夜中の最期

私は真夜中に施設からの電話で亡くなった知らせを受け、電話を切る前に携帯を投げ捨てて走り出し、車に乗り込むと施設へと向かいました。

嘘だ…。
いつか…。いや…。

近々お別れは来ると分かっていましたが、実際その時が来ると現実を受け止めきれません。

急いでも意味がないことは頭では分かっていましたが、さっきの夢も相まって信じきれませんでした。

またいつもの笑顔で出迎えてくれる。
そんな風にすら思っていました。

施設に着くと携帯がないことに気付き、夜中だったのでインターホンのボタンを連打し扉が開くのを待ちます。

ものの数秒とはいえ、当時の私にはその時間がとても感じられました。

扉が開くと、スタッフさんも待たずに一目散におばぁちゃんがいつもいる部屋へと走ります。

部屋に着くとスタッフさんと、医者がいました。
「ご臨終です」
そのたった一言ですが、私に対して現実を突きつけるには十分でした。

おそるおそるおばぁちゃんの顔を覗くと、青白く眠っているようにも見えます。

ゆっくりと手を伸ばしおばぁちゃんの頬に触れると…「冷たい…。」
その瞬間から急に触れていた手が震えだし、実感が込み上げてきました。

今度は私の頬を伝った涙がこぼれ落ち、おばぁちゃんの顔に滴ります。

「もう会えないんだ」
そう思った瞬間私はその場に泣き崩れました。

葬儀での誓い

おばぁちゃんが亡くなって3日後、葬儀は執り行われました。

葬儀の最中、私はずっと考えていました。

これが最善だったのか?

もしも私が金銭的に余裕があり、家にバリヤフリーを設けることができたら、おばぁちゃんは余生を家で過ごすこともできた…。

もしも自分がフリーランスだったら、入院中も、施設にいた時も毎日会いに行けた。

淋しい思いをさせずにすんだ。

それにおばぁちゃんがお金の心配することもなければ、身内に罵られることもなかった…。

ごめん…。おばぁちゃん…。


私はおばぁちゃんの遺影を眺めながら、心の中で謝りそして誓いました。

今度は俺が全部守るよ

もうお金で嫌な思いするのはごめんだ。

お金が原因で選択肢が狭まったり、誰かに罵られたり、とにかくあんな紙切れで時に人の人生が左右されるのはもう嫌だ。

でも、その紙切れですら稼げない自分が情けない。おばぁちゃんに申し訳ない。

お金を稼ごう

いつか母親も年老いる。
その時に同じ後悔はしたくない。

父親の件もあったし、母親にはもう苦労かけたくない。
老後になってまでお金の心配をして欲しくない。

全部守ってやる。

そのためには時間とお金に余裕があることが最低条件だ。

フリーランスになってやる。
そして、時間とお金には二度と後悔しない。

もう大切な人を誰も不自由させない。

そう私はおばぁちゃんの遺影に誓いました。

おばぁちゃんの言葉

葬儀から3日後、私はおばぁちゃんが入居していた施設へと遺品の回収に向かっていました。

外の桜を見て思い出します。

おばぁちゃんの亡くなる少し前に、「桜を見に行こう」
なんておばぁちゃんと話したけど、結局叶わなかったな…。

そんなことを考えながらも、施設に着くとスタッフさんが出迎えてくれます。

私は、改めてスタッフさんにお礼を言い施設の中へと足を運びます。

すると、いつも私が施設に来ると話しかけてくれたおばぁちゃんが泣いていました。

私の顔を見るなり泣き出すもので、自然とうちのおばぁちゃんを重ねてしまいます。

私が近づくと、そのおばぁちゃんは私の手を取り
「あんちゃんは良く頑張った…。これからは自分のやりたいことしろよ…。」

私はその瞬間、おばぁちゃんが亡くなった日に見た夢が脳裏をよぎり、気付けば涙が溢れていました。

天国のおばぁちゃんから、あの日伝えきれなかった言葉を伝えられた気がして人目もはばからず私は泣きました。

すると、周りのおじぃちゃんおばぁちゃんも涙を流しながらも、私の背中をさすってくれます。

その瞬間、全てが報われたようなそんな気持ちになります。

改めて人の暖かさに触れた気がしたその日、私は涙が枯れるまで泣きました。

蒼き春の頃に

私はおばあちゃんのお墓の前に来ていました。

早いものでおばぁちゃんが亡くなって1ヶ月が経ちます。

あれから私はおばぁちゃんに言われた言葉が、
ずっと胸の奥に残っており、ずっと考えていました。

「私のやりたいこと」ってなんだ?

いや…問うまでもないか。

プログラミングを学ぼうとしたのは、あくまで仕事にするためであり「やりたいこと」ではない。

今回、言葉で私自身が報われたように私も言葉で誰かを救いたい。

だとしたら…やることは一つしかない。

私はパソコンを開き、クラウドワークスを開くと以前使っていたアカウントが出てきました。

三葉亭四迷

ライター養成所のことを思い出しアカウントをそっと削除しました。

今ならやれる気がする。

ななおさんに指摘された素直さも今ならあるし、あの時とは違う本当の意味での覚悟もある。

失敗する気がしない。

その上で決して調子に乗ることもない。

私はプロフィールの登録を一つだけ除いて済ませました。
名前です。

どうしようかな…。名前なぁ…。

そんなことを考えていると、桜の花びらが窓から入ってきます。

よし。決めた。



私はそんなことを思い出しながら、おばぁちゃんの墓石に水をかけ、語りかけます。

「ななおさんに言われた通り、蒼いまでの素直さも忘れずにライターを目指すよ。きっとそれがやりたいことだから。そして、この先どこに行ってもこの季節は必ず墓参りに来るよ。」

蒼き春の頃に

だから…。今日から俺のもう一つの名前はだ。

ありがとうございました

長くなりましたが、最期までご覧頂きありがとうございました。

正直、少し重い話なんで書こうかとも迷ったんですが「フリーランスを目指す理由」や「お金がない理由」が同時に話せるから書くか…。

ぐらいの軽い気持ちで書いたら途中から思い出してめちゃめちゃ苦しくて泣きながら書いていました←

私自身、良い悪いは別としてこの経験から色んなことを学び決断もしました。

これから先、仮にライターを辞めたとしてもフリーランスになることだけは辞めないので、こんな私でよければ今後とも応援よろしくお願い致します。

最期まで閲覧頂き誠にありがとうございました。


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