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昭和の子育て もらい乳
父が70歳くらいの時、かなり遠くにいる知人に
会いに行きたいと言い出した。
その知人というのが・・・
祖母は10人産んで6人の子供を亡くした人だった。
父の上の子も亡くしたらしい。
父を育てている時、近所の人が祖母を見て
「あんた、『ちがっけになっとる。ちがっけじゃ
子どもは育たない。私の乳やる』」と言って
父に乳を与えて育ててくれたらしい。
その人に会いたいと言い出したのだ。
「ちがっけ」というのは推測だが、
どうも、「脚気」の事らしい。
脚気の人の乳を「乳脚気」と言っていたらしい。
なお推測なので何の根拠もない。
父が70過ぎてから初めてそんな話聞いたし、
その人とまだ連絡取り合っていたことにも
驚いたが、なんとかその地方にいる知人に頼んで
無事に再会できた。
昔の子育ては大変だったと言いたいところだが、
その後没落したとは言え
当時の祖父母は庄屋でかなり裕福だったのだ。
それに祖母は「私は元気で病気一つしたことない」
と常に言っている人だった。
さらに、80過ぎた祖母を病院へ連れていったら、
「あー、生まれつき心臓が悪かったんですね」
といわれた。
明治生まれってこわいと思ってしまった。