一人として殺されることのない未来のために
おかあさん こどもだったわたしに なぜ あんなこと言ったの
わたしは なんども ころされたけれど いつか ころされないこころも 身につけたとおもってた
けれど あなたが わたしに 似合うと言った色 あなたが好きだった味 そんな甘い記憶とともに いまも 苦いものはのこっている。
わたしが ははおやになったら あんなことはしないとおもった。 若い母親は きっとみんな そう思うだろう。わたしは けして くり返さないと。
けれどわたしは 気づいてなかった それが暴力だと。 一方的な 命令が 禁止が 否定が 大きな声が すでに暴力だと
よみがえる かつての悲しみ 封じ込めていた苦しみ 泣くなといわれて なんでもないふりをした そうやって わたしはなんども わたしをころしたのだ
だから おかあさん あなたのやさしい子どもを 叱らないで 大きな声をださないで 語りかけて 待って 聴いて 考えて。 あなたも わたしも 子どもも みんな おなじ ひとなのに
あなたも わたしも 世界も 時代も みんな悩み まちがえたのだ。 この地球上で わたしたちが育んでゆくのは 強い戦士ばかりではないのだ。
静かに語りかけて 耳を傾けて ゆっくり待って 考えて 一人として 殺されることのない 未来のために
今日も 美しい一日だと やさしい子どもたちが 思えるように
春 花咲く樹々は まるで贈りもののよう かつて 木を植えた人からの 贈りもののよう
わたしたちも 樹を植えよう いつか花咲く 樹を 子どもたちのために
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