小児慢性(小児科MSWに良くある相談①)
一番多いのは、医療費助成制度の相談。
少子化対策で、子ども時代の医療費助成制度は意外に多い。
がんや高齢者分野の医療は、「均てん化」であるが、
小児医療分野は、「集約化」である。
全国の小児病院や大学病院には、治療を求めて県外問わず、多くの慢性疾患児と家族が集まってくる。
子ども医療費助成制度は便利であるが、県外では使えないことが多い。
この時の選択肢の一つとして登場するのが、小児慢性特定疾病医療費助成制度である。
50年以上前からある制度であるが、平成27年に児童福祉法が改正され、新しい制度に生まれ変わった。
子ども時代の難病であれば、800近い病名が対象疾病となっている。
従来は、書籍等で確認していたが、現在は、Web検索機能を利用する。
大手検索サイトであれば、「診断された病名&小児慢性」と入力すれば、小児慢性特定疾病対象疾患であれば、上位に「小児慢性疾病情報センター」がヒットする。
ただし、医療費助成の対象となるかは、各対象疾病のなかにある「当該事業における対象基準」という項目に該当するかとなる。
例えば、21トリソミー(ダウン症候群)は、対象基準が4つあり、どれかに該当すること。となっている
よって、21トリソミーが確定しても、小児慢性特定疾病の医療費助成の対象となれない場合も少なくない。
小児慢性特定疾病のメリットは、住所地問わず、全国の指定医療機関で医療費助成が使える点である。
それ以外にも、日常生活用具の助成や、自立支援事業などいろいろなサービスがある。
しかし、子ども医療費助成制度が便利すぎて、利用しなくなっている人も急増している。
その事実を国・県・市区町村で共有し、慢性疾患児の使いやすい制度になるようにしてほしい。