千曲川ワインバレーを探索する旅 前編20241025-1026
一人行動が可能な休み期間になったので、先日の福島県の飯坂温泉から会津若松に続いて、今回はワインの活動であるワ活、その中でもトップランクに楽しさが凝縮されたワ旅をする事にしました。
この後に山梨県勝沼ぶどう郷エリアはまた伺う可能性が高いので、今回は時間、料金的にも比較的アクセスしやすい長野県を選びました。
情報の収集が充分ではない中、とりあえずは鉄道やバスで行きやすいように感じた、千曲川ワインバレーを目指して計画、無計画で行ってもハズレが無さそうなメジャーどころの小諸市を初日に、東御市のワイナリーに2日目に伺う事にしました。
ちなみに実際に新幹線等を利用して、各地から午前中に小諸駅に着くにはどんな感じかざっくり調べたら
大阪からだと東京経由になってしまい、料金面も時間的にも現実的ではありませんでしたから、ワイナリー訪問という試飲含めて飲酒がしたい旅は、それと親和性が極めて低い自家用車等の利用が困難な事を考慮すると、北陸、中部、関東、仙台以南の東北からの訪問が現実的と感じます。
ワ旅の計画は楽しく
さて、自身の旅の計画に話を戻すと、今回は1人ですしかなり実験的な要素がありますので、交通費、宿泊費は低廉に、ワインに全振りという事で行き帰りとも高速バスを利用、宿は朝食付きのみとして、夕食は居酒屋で飲めばいいかと緩く設定しました。
都内の主要な高速バスの出発地としては東京駅、バスタ新宿、渋谷駅、池袋駅辺りがありますが、出発地を色々変えながら乗り換え案内アプリで調べると、池袋駅前から軽井沢方面に行くバス、帰りは小諸駅前からバスタ新宿に行くバスが使えそうなので、それらをネット購入しました。
宿は東御市にはあまりないようなので、小諸駅近郊でリーズナブルなところを、例によってじゃらんで検索して決めました。
旅を決めるにあたって約2週間前頃にワイナリーツアーに参加可能か、マンズワインさんに申し込みしてみましたが、満杯もしくは参加者不足により不成立となってしまいました(まあ、試飲と気に入ったボトル購入が出来ればOKと思い行くことにした訳ですが)。
その後ネットのPR記事や訪問記等の情報を探しながら、主に徒歩で訪問が可能と思われるワイナリーさんを調べましたが、それぞれの距離感がイマイチわからないので、現地に行きながら成り行きに任せる事にしました。
初日開始
高速バスと電車で小諸まで
当初の計画は8:10の池袋発の高速バス利用で乗り換え含めて小諸駅に12:00前の到着、しっかり昼食後にマンズワイン小諸ワイナリーさんに徒歩で移動としていました。
高速バスの最大の利点は低廉な料金な訳ですが、やはり道路事情により時間通りに行かないリスクが鉄道に比べるとかなり高いという問題があります。この日は関越自動車道は順調でしたが、上信越自動車道の途中に工事による車線規制の渋滞があり、予定の25分程度遅れてバスの終点、しなの鉄道の御代田駅着、乗り換えの待ち時間含めて最終的に小諸駅には予定の40分ほどの遅れとなってしまいました。
名物の信州そばを食べたい はずが
マンズワイン小諸ワイナリーさんだけの訪問であれば、このロスはあまり問題なかったのですが、もう一箇所寄れる可能性を考えていましたので、旅の重要な楽しみである食事を簡易的に済ませるという暴挙に出ます(笑)。
こっそり計画していたのは、きちんとした蕎麦屋さんに入ってのんびりとちょっと良さそうな天麩羅かなんかのついた蕎麦の写真を撮って、「小諸で小諸そば」というネタをやるつもりでしたが、ネタは共通でも、立ち食いそばっぽいお店で天玉そばをかきこんで、「小諸で立ち食いみたいなそば食べたらガチの小諸そば😇」となってしまいました(涙)。映え重視のインスタよりも笑い重視のTwitterが主力な自分にはこの方が相応しいけれど。
マンズワイン小諸ワイナリーさん
時間を節約できたので、早速マンズワイン小諸ワイナリーさんにGoogle Mapsを頼りに向かいます、40分ほど歩いて到着し13:30くらい、外観やら何やらを写真におさめて試飲と販売をおこなっている立派な施設に入ります。
試飲開始
試飲できるワインはスタンダードの4種セット、トップレンジの3種セット、セットになっていないものやジュースの単品があります。自動車移動でハンドルキーパーの方やアルコールが飲めない方々にも優しいですね。
単品の千曲川ピノノワール
綺麗な色彩は濃いロゼのよう、チャーミングな酸味と素直な残糖、軽めな苦味が良い。税抜き3.5kなら充分に楽しい品質。
ピノノワールはまだマンズワインさんとしては主力のメルローやシャルドネに比べるとまだ歴史が浅いものの、将来的にはソラリスのトップレンジまで育てていきたいとのこと。
スタンダードセット
リースリング
残糖多めにあえてした後口に柑橘系なスッキリ感を出して飲み飽きない感じ、良い酸味に支えられた適度な甘味は正義。
こういう場所では絶対に人気が出る味わい、ワイン会なら序盤の泡の次や最後の方に持ってきたら喜ばれるのは確実。ボトル販売可能な在庫が無かったのがとても残念。
シャルドネ
香り、口当たりともスムーズ、樽香は比較的添えるよう、派手さはないものの上品で良いバランス。
メルロー
初手、日本のメルローらしい青みある香り、しかし酸味の出方がとても素直で、後からくるタンニンと甘味のバランス良く、それでも同クラスやもう一段リーズナブルな他社製品と比べたら(まあ比べるのはフェアでないかもしれませんが)かなり上質。
カベルネソービニオン
栽培地は上田地区 小諸より100mほど標高が低く、熟成に時間がかかるこの品種の収穫タイミングを待つ価値があるそう。
適切なスパイシーな香り、スッとした青さと切れ味はなかなか、個人的にはスタンダードメルローよりはこっちが好きかも。
トップレンジ
小諸シャルドネVV
スタンダードに比べてギアを2段階上げて来た、果実味と樽香の分離感がなく滑らかに一体化されている、同じ金額出すなら名前だけの某地域の村名なんかよりも良いと思います。樽香は控えめだから上品でリッチなシャブリ1erやGCと闘えるのでは。
小諸メルロー
和やかふくよかな香り、滑らかな奥行き、長野県のメルローとしてのらしさはこちらか? 時間置いてもクリアな感じはこちら、同じつくり手でも個性の違いにビックリ、じっくり時間をかけて飲みたい優品。
東山メルロー
華やかな香り、味わいもこちらがはっきり目、時間経つとカラメルぽい甘味が来た、店舗の方もこちらはソリッドで1杯で満足と言われてた。品種特性がどうとかよりも、ワイン会なんかで驚かせるならこちらの方がすごいと感じます。
年によりトップレンジ用の畑の葡萄を使いつつ、醸造段階の試飲でブランド維持のため2ndレンジでリリースするケースがあるという話、醸造家の方々の矜持もあるし、規模が大きいからこそ可能な仕草と思うなどしました。このあたりの話は今年ドイツから帰国されたNagiさんがヒマワインさんとのYouTubeの中で言ってた事と合致しますね。
ボトルを選んでいたら、試飲で色々お話させていただいたスタッフさんからスタンダードクラスながらもメルローのバックビンテージで良質な年のものを教えて頂き決定、試飲で気に入ったカベルネソービニオンとともに2本を購入しリュックに詰め込んでワイナリーをあとにしました。
Komorokko Farm & Wineryさん
さてかなりの量を飲んでいますがまだ歩けそう、今回の目的は1日で複数のワイナリー訪問をしたいという事もあるので、酔い覚ましを兼ねて頑張って歩きます。
Google Mapsは縮尺表示が貧弱で、実際の距離がわかりにくく、高低差は実際に現地に行かないとなかなか感覚も掴めません。実は重要な視点が欠けていた事に後から気づいたのですが、ぶどう畑やワイナリーさんってほとんどは高い場所にあるんですよね、近いと思い込んだ別のワイナリーに行くには長い坂を降りて、また長い坂を上がって行かなければなりません、そして直線ルートじゃないのですよこれがまた。
そんな事で約45分くらい歩いてなんとか到着し16:30くらい、出来てからまだそれほど時間がたっていない綺麗な施設に入ります。簡単にワイナリーさんの状況を伺いつつ、せっかく来ましたので有料試飲をさせていただきました。
立派なエノマティックサーバのカード代含めての利用、残念ながらまだ自社のボトルはまだ2種類しかなく、他は海外の生産者さんのボトルが入っています。
自社畑のピノノワール他を使ったロゼ、メルローとカベルネフランを使った赤を試飲しました。それぞれにファーストリリースのボトル、正直なところまだまだぶどう自体の樹の力、醸造家さんの経験値と課題があると感じます。
新しいワイナリーさんは畑のポテンシャル、栽培技術、醸造技術もまだこれからでしょう。施設を見る限りは資金力もかなりありそうですから、ぶどうの樹の充実、醸造施設をフル稼働させて数年まわしていけば、そこそこに良いものができるようになるのでは? まあ、日本国内屈指のレベルのワイナリーさんの後に訪問して個人的な感想を述べるのはちょっと可哀想ではありますね。
自社畑のぶどうにこだわりつくっていくそうで、良いものをつくりだしてから集客っていう訳にもいかないでしょうが、先々人気の生産者さんとなって、隣接する美術館、レストラン等含めて良い観光施設になって欲しいです。
時刻は17:00くらいとこの季節、辺りは暗くなって来ましたので、早めに宿に向けて戻って行きます。宿にチェックイン出来たのは18:00少し前、部屋に荷物を置いて居酒屋がありそうな小諸駅近くの繁華街っぽいエリアへ、スナックみたいなお店が多いので結局駅前ロータリーに面したお店に入ってビールとレモンハイ、おでん、唐揚げ辺りで仕上げて初日終了。約19,000歩ほどよく歩きました(フラグ)、宿に戻ってサッとシャワー浴びておやすみなさい。
長すぎ! 続きは後半に。