脂質のバランスが悪いと…
コレステロールはそれぞれの値が基準値以内かどうかよりも「バランスがいいかどうかを見る」のが大切です。
どういうことか?
そもそも人間ドックの基準値は、
・総コレステロール:140〜199mg/dL
・HDLコレステロール:40mg/dL以上
・LDLコレステロール:60〜119mg/dL
・LH比:1.5以下
です。
※ ちなみにですが、基準値は年齢や検査した機関によって違います。
日本動脈硬化学会のLDLコレステロール基準値は140mg/dL未満、日本臨床検査標準協議会の総コレステロール基準値は142〜248mg/dLなど検査機関によって幅があります。
例えば、「LDLコレステロール値 = 110 HDLコレステロール値 = 40」だとします。
両方とも基準値以内ですが、LH比を見ると…
LH比 (LDLコレステロール値 ÷ HDLコレステロール値) =110 ÷ 40=2.75。
LH比の基準値である1.5を超えています。
これはコレステロールのバランスが悪いことを示しています。
この「コレステロールのバランスが崩れていたり、中性脂肪の値が高すぎたりする (150mg/dL以上) 状態」のことを「脂質異常症 (ししついじょうしょう)」と言います。
脂質異常症の状態が続くと動脈硬化を引き起こし、脳梗塞や心筋梗塞などの病気に繋がります。
脂質異常症は「飽和脂肪酸 (肉類の脂身、バターなど) や糖質 (麺類、穀類、芋類、菓子類など) の摂りすぎ・運動不足・肥満・過度の飲酒や喫煙などが主な原因」として挙げられます。
脂質異常症を防ぐには、「青魚やえごま油、あまに油に多く含まれるオメガ3脂肪酸 (EPA・DHA・α-リノレン酸) を摂る、脂質を外に排出させる働きがある水溶性食物繊維 (切り干し大根・モロヘイヤ・ごぼう・海藻・里芋・長芋・大麦・オートミール・納豆など) を摂ることが大切」です。
また、卵黄に含まれる「レシチン」も余ったコレステロールなどの「不要物質を排出するのを助ける」働きがあるので摂るのをおすすめします。
血液検査結果を見るときは、コレステロールのバランスがいいかに注目してみてください!
オメガ3脂肪酸については以下の記事をご覧になってください!
参考:溝口 徹『「脳の栄養不足」が老化を早める!』青春出版社
三石巌『医学常識はウソだらけ 分子生物学が明かす「生命の法則」』祥伝社黄金文庫
南清貴「究極の食」講談社インターナショナル
守口徹「眠れなくなるほど面白い脂質の話」日本文芸社