ケフィア自作2回目 スクチャイDIY日記003 2024.11.09
<序>
前回、
むっちゃ簡単な「ケフィア(ヨーグルト)」作り スクチャイDIY日記002 2024.10.25
で成功した後、条件を変えて2度目の実験を行った。
結果として今回も成功したので嬉しがりつつここに報告する。(≧∇≦)
1.今回の条件
・(半額で賞味期限が翌日の)牛乳1リットル(実際は900ml)
・ケフィアカプセル 6粒(DHC「生菌ケフィア」)
・気温:室内気温15-20度(外気温10度前後)
つまり前回のおよそ2倍量で行った。
今回は気温が下がってきている季節なので発酵時間は前回より長いかもしれない。
写真にも写っているように、高級っぽい牛乳が半額で販売されていたのでそれを使うことにした。
定価350円前後のものが半額で喜んだのだが、賞味期限(開封前10℃以下)がなんと翌日!
前回ケフィアが出来たのは36時間(1.5日後)だったので、完成する前にこの賞味期限は明らかに越えてしまう。
そもそもその牛乳の封を開けてケフィア末を加えたのは日が変わってからの夜中(午前1時過ぎ)だったのですでにその日がすでに賞味期限なのだった。
まあ、しかし吾輩はあまり気にしていない。
ケフィア末を混ぜた後から頑張ってケフィア(乳酸機と酵母菌)が増殖し優勢となり、不要菌(腐敗させるいわゆる雑菌)を繁殖させないようにしてくれればいいのだ。
もとよりこれは神頼みだ。
しかし、2~3日発酵させるという観点からも、良い子、良い大人のみなさんは、万が一のことを考えて吾輩のように賞味期限の近い(むちゃ近すぎる)牛乳は使わない方がいいと思う。
吾輩と同じようにしてお腹を壊しても吾輩のせいだと文句を言わないように。(≧∇≦)
今回、賞味期限に近づくほど雑菌の量が健康を害する可能性の閾値に近くことがわかっていながらあえて(安いから)賞味期限が翌日のものを買って使ってしまった吾輩は・・・。
よく言えば挑戦者?
悪く言えば単なるアホ?(≧∇≦)
(注意)前回同様、DHC「生菌ケフィア」は服用剤(サプリメント)であり決してここに書いたような使い方を推奨していないので、その点はくれぐれもご理解願う。
2.牛乳にケフィアカプセルを混ぜる
今回使用したのは牛乳1リットルだが、牛乳パックをそのまま用いるため空間を作って混ぜやすいように100ml減らして(飲んで)900mlで実験を行った。
900mlの牛乳なので5カプセルでも良かったかもしれないが、損失などの余裕をみて6カプセル用意した。
半額牛乳を100ml飲んで約900mlにした。
中身にスペースをとって攪拌しやすくするためだ。
さて、ここにカプセルの中身を投入するのだが、前回同様不器用なことをするしかない。
つまりカプセルの一端をハサミで切るのだ。
前回同様、カプセルは弾け、中の粉末が飛び散った。
粉のいくからは外に飛び出した。
このように損失があるので1粒多くカプセルを用意したのだ。
多くのカプセルの破片は牛乳に落ちた。
毒ではないのでそのままでもいいが、浮いているのでできるだけつまみ出した。
つまみ出すのはいいが、中に粉末が出てしまっているかどうかを確認しないと問題だ。
中に粉末がありながら引き上げてしまうと粉末の損失が甚だしい。
落ちて濡れてしまったら粉末が出にくくなるのでこれまたやっかいだ。
いっそのこと半分に切ったカプセルをそのまま全部牛乳に落として攪拌してもいいかもしれない。
そうするとカプセルの中に粉末が残っていたとしても牛乳に溶けてくれるだろうから。
その場合、カプセルをいつ取り出すか、だが、もともと毒でもないし食品だ。
色が茶色なので目障りだが、気にしなければ最後までそのままでもいいかもしれない。
ゼラチン質なので勝手に溶けてなくなるかもしれないし、もし残ったとしても食べるときに取り出せばいいし、なんだったらカプセルごと食べてしまってもいいだろう。
そのころにはどうせ残っていたとしてもふにゃふにゃになっているだろうし、飲み込んでもいいし気になれば出せばいい。
そういうわけで一部のカプセル片を取り出しただけで、ほとんどのカプセルは牛乳の中に残した。
写真はカプセルと粉末を割り入れた直後だが、不思議に泡立っている。
まるで重曹のように気体が発生しているように見える。
さすがに酵母が出した二酸化炭素ではないだろう。
いくらなんでもこんなに瞬時に発酵するものではない。
泡の正体は何かわからないが、まあそういうことで、その後蓋を閉じて手で押さえつつ牛乳を攪拌した。
3.ケフィア発酵中
ケフィアの作成中は途中数時間おきにかき混ぜる必要がある。
前回も書いたが、外部から汚染の恐れがあるマドラーなどを突っ込んでかき混ぜるより、この蓋を閉じた牛乳パックのままひっくり返したり振り回したりするだけで攪拌が済むので手軽で便利だ。
また、前回も書いたように、一般のヨーグルトと違いケフィアは発酵途中に混ぜた方が良い。
反対にヨーグルトは、牛乳に種菌を混ぜた後は一般にかき混ぜたりせずそっと放置しておくものだ。
さて、今回は前回よりも気温が下がり、室温放置で15-20℃の環境になりそうだ。
36-48時間で完成の目安で20-25℃の環境が理想だし、「半額」セールの牛乳を使っていることもありあまりゆっくり発酵して雑菌の繁殖に負けてしまうとまずい。
できれば前回と同じくらい、36時間から48時間以内には完成して欲しい。
直接は温めたりはしないが、お湯を作ったり調理したりするガスコンロの脇に置いておくことにした。
ここなら居室の室温よりも若干高く、前回と同様に20-25℃くらいの環境が得られるかもしれない。
4.36時間後、固まっていなかった。
前回固まった約36時間後、恐る恐る蓋を開けてみたが、液体はさらさらの牛乳のままで、匂いも牛乳そのものだった。
やはり温度が低いのであろう。
前回と違う点は容量だが、400mlが900mlになってもケフィア粉末の比率はほぼ同じくらいである。
また、牛乳のメーカーを変えたこともあるが、特に発酵に必要な糖分も脂肪分もそんなに違いはないだろう。
従って、最も異なる点は温度と思われる。
その後丸2日経過した48時間後も、まるで固まる気配さえなかった。
5.72時間後、ようやく固まった。
前回の36時間後からしては2倍の時間がかかったことになるが、丸2日後の72時間後にようやく固まった。
なんとなく粒状が見えるのが不安だったが、匂いはヨーグルトのおいしそうな匂いだった。
写真下部、中央の少し右よりに茶色い点が見えるので、最初まさかカビか?と思ったのだったが、よく考えるとこれは茶色のカプセルの破片だ。
心配することはない。
カビも雑菌も繁殖せずに無事固まったのだ。
茶碗に取り出しても白い粒状斑のようなものが全体に見えていた。
完全に発酵しきるまで若干早いのかもしれない。
が、元の牛乳の賞味期限のこともあり、72時間で発酵を停めるために冷蔵庫に移すことにした。
茶碗に取り出した粒状斑のケフィアは全部食べたが、少し緩い気がしたものの味や匂いに異常もなく、全部食べた。
後は吾輩の身体に何か変化(例えば腹痛、下痢など)が起こるかどうかの観察だ。
しかしこれを書いている今、食べてからすでに12時間経ったが我が身にはなんの変調もない。相変わらず元気である。(≧∇≦)
6.次のケフィアを仕込んでおく
今回はこの後長期留守などの予定がないこともあり、この完成したケフィアの一部を使って、次のケフィアを仕込んだ。
買ってきておいた新しい500mlの牛乳を、100mlを飲んで減らし400mlにした。
減った100ml分を今回完成したケフィア約100mlで充填し、全部で500mlにして蓋を閉じて攪拌した。
7.今回も食べてみたらうまかった!
改めて今回完成したケフィアだ。
前回は見られなかった粒状斑が気になるところだが、食べてみると前回同様とても美味い!
前回同様、松ぼっくり豆乳ヨーグルトも同時に作って食べたのだが、好みで言うとこちらのケフィアの方がいい。
さわやかな酸味と舌触りで、一般のヨーグルトよりも軽い風味が気に入った。
できたケフィアからまた新たなケフィアを増産できるなら、今後は有料のケフィアカプセルを使うことなく、必要な経費は牛乳だけとなる。
果たして何回まで継続してケフィアを生産していけるのかもやってみないとわからないが、もし半永久的に繰り返して量産ができるなら、冷蔵庫に、日常飲むためと次にケフィアを仕込むための牛乳、そして出来上がった食べるためのケフィアの両方をストックしておけばしあわせに違いない。
これで腸内環境をはじめとして健康増進効果が得られたらしめたものだ。(≧∇≦)
8.まとめ
<準備したもの>
前回同様、DHC「生菌ケフィア」定価税込1,296円30日分60粒入り(2024/10現在)のうち6カプセル
無調整牛乳1リットル(紙パックでそのまま使う)
<温度>
今回は屋外10℃以下となる日が続いたのでまだ暖房器具を使っていない室内は前回よりも5-10℃低くなっていたはずである。
ガスコンロ脇に置いたのは前回も同様なので、平均するとやはり前回とは5-10℃低い環境での発酵となったはずである。
その結果固まるまで丸3日72時間を要した。
また、出来たケフィアには全体的に白い粒状斑があり発酵が若干不十分のようにも見えた。
しかしながら、匂いや色や味の観点からも雑菌による汚染もなかったと思われ、出来た物の味は前回同様おいしく、一応成功と見ていいのではないかと思った。
<量産できるか?>
さっそく今回つくったケフィアのうち約100mlを新しい牛乳400mlに加え、500mlの仕込みを作成した。
このまま同様にガスコンロの隣に置いておき、予定では72時間後にまた固まれば新規のケフィアカプセルを使わずに牛乳の追加購入だけでケフィアの量産ができたことになる。
さてどうなるか?
3日目以降にまたこちらで報告する予定だ。
お楽しみに。(≧∇≦)
※重要なことなので何度も繰り返すが、冒頭にも書いたようにDHC「生菌ケフィア」は服用剤(サプリメント)であり決してここに書いたような使い方を推奨していないので、その点はくれぐれも了承願う。言ってみたら消費者による勝手な使い方だ。良いこと悪いこと何があってもメーカのせいにしたり書き手の吾輩のせいにしたりすることのないように願う。
<原理>
牛乳を発酵させてヨーグルトなどの発酵食品を作る場合、理屈では低温殺菌牛乳はやめておいた方がいいと言われている。
機会を見てこのことも比較実験してみてもいいのだが、その理由は、低温殺菌牛乳は人間が飲用するのにはほとんど問題ないながら、高温殺菌の牛乳に比べ含まれる菌の量が多いため。(出展:The Art of Fermentation, by Sandor Ellix Katz 2011.)
低温長時間殺菌牛乳は高温瞬時殺菌の一般牛乳と比べ風味があっておいしいが価格も高い。
しかし発酵学者によるとヨーグルト作りには低温長時間殺菌牛乳はおすすめされていないのだ。その理由は雑菌の量が多い可能性があるためらしい。
話がずれるが、吾輩も大好きな焼き肉屋さんのホルモン焼き、そのホルモンも普通の肉に比べたら雑菌が多い。なので、良く焼かねばならないのはそのためだ。
また、病後や体調不良時などの免疫が落ちているときはホルモンは食べない方がいいと言われている。
ホルモンを食べるとどうしても一般の肉よりも雑菌を多く摂取してしまうため、免疫系が弱っている人の場合容易に体調を崩すことがあるらしい。
従って、ホルモンを食べるときは体調万全で望んだほうが良い。
すべての雑菌が悪ということではなく、そもそも我々身の回りの菌は完全排除することなど出来ないので、食物に含まれて許される雑菌の量は、食べる人の免疫力に合わせてその閾値が決まってくる。
たとえばハチミツに若干含まれるボツリヌス菌芽胞が1歳未満の乳児に及ぼす影響だ。
ハチミツは1歳未満の乳児が食べると腸内でボツリヌス菌が繁殖して命に関わることがあるが、1歳を超えた人間が問題ないのは1歳以降に腸内細菌が整うからだ。1歳以降にたとえボツリヌス菌芽胞を含むハチミツを食べたとしても腸内で耐性ができているので菌が繁殖しない。
世の中のすべての食品や口に触れる食器類などの雑菌を完全にゼロにはできないが、特に雑菌が繁殖しやすい生鮮食品などを喫食する場合、一般に耐性以下にまで雑菌を減らせば衛生上問題ないと考えられいる。
ヨーグルトやケフィアのような発酵食品では、乳酸菌や酵母菌などの有用菌が増え、不要菌を駆逐するかあるいは繁殖できないように優勢の状態を保つので、結果的にその食品を安全に食べられる期間を延ばすことができる。
乳酸による漬け物類も適切な酸度を保つことができる乳酸菌の優勢により長期保存を実現している。乳酸発酵下での保存は単に長期保存できるという利点だけでなく風味も向上させる。
数値的には、食品の酸度は2%(※)以上に保てば人間にとって悪い他の微生物(いわゆる雑菌やカビなど)の繁殖を抑制することができると言われている。
この酸度2%以上(ph5以下)というのが酢酸菌や酪酸菌(乳酸菌など)が産生する酸度(水素イオン濃度指数)であり、ヨーグルトやケフィアなどでは腐敗微生物を駆逐したり繁殖抑制することができるのだ。
腸内環境も一定の酸度を保てば有益菌が栄え健康が保たれるという理由でビフィズス菌などの乳酸菌を追加で体内に取り入れることが推奨されるわけだ。
註)
※酸度と水素イオン濃度(指数)phは似ているようで異なり、酸度は酸の量、phは酸の強さを示す指数だ。食品ではわかりやすいように物の中に含まれる酸物質を重量%(容量%)で示す。例えば酢は100ml中に酸物質(有機酸:酢酸+グルコン酸+クエン酸)が何ml含まれるかを%で示す。これをphで示すと酸度数%程度の差異はphでは差異はほとんど現れないので食品の細かな差異を示すには酸度の方は適切な場合が多い。一般には酸度2%以上、ph5以下が雑菌を繁殖させない目安になっている。
常温下で乳製品が2%以上の酸度(あるいはph5以下)で雑菌を抑えることができるように、梅干しや漬け物では塩分15.6%以上、ジャムなどの場合は糖分58.4%以上で雑菌を抑えることができる。これらの方法は人工保存料などの添加物を使わずに常温で食べ物を保存する太古から行なってきた人類の知恵である。
話を戻すと、ヨーグルトやケフィアを作成する場合、乳酸菌やケフィア菌、酵母菌などの目的菌が増殖し雑菌を駆逐して優勢に立てばそのままの状態で数日しばらくは保存できることになる。
そのため、タネ菌仕込みの開始時点の元の牛乳にはなるべく敵となる雑菌が少ない方が乳酸菌の優占までの負担が軽く済む。
ヨーグルトを作る場合、できるだけ新鮮でクリーンな(雑菌の少ない)牛乳を用いましょう。また使用する容器や危惧は滅菌しておきましょう、というのはそのためだ。
ちなみに牧場なんかで「おいしい絞りたての生牛乳よ!その辺では売ってないから牧場だけの特権よ!」と飲ませてくれるのは殺菌前のものだ。
確かに濃厚で風味豊かでおいしいが、生乳に含まれる雑菌はそのままだ。
その雑菌の量が人間に害を及ぼさない範囲内では問題ないが、絞ってすぐの新鮮なうちしか飲めないことになる。
すこし放置すれば雑菌が繁殖し、食あたりを発生させたり人に害を及ぼす危険性が出てくる。
もし、その「おいしい絞りたての生牛乳よ!」からヨーグルトやケフィアを作る場合、雑菌の量と強さにより乳酸菌や酵母菌が勝って優勢になれるかどうか、ということになる。
だいたいにおいて、特に素人が家庭でヨーグルト作りを行う場合、温度管理を徹底するのが難しく清潔な設備も整っていないため、雑菌に負けてしまう場合が多い。
このことから一般にはヨーグルト菌の育成には、絞りたての生乳はもとより緩やかに滅菌させた低温殺菌牛乳も使わない方がやりやすいですよ、ということになるのだろう。
そもそも牛乳パックに表示されている牛乳の賞味期限の表示も雑菌の繁殖を見込んでのことだ。
つまり賞味期限の近いものほど一般の健康な大人が飲んでも健康には問題が出ない閾値以下ながらも、冷蔵粉の温度でも実際には雑菌はゆっくりでも今にも閾値を超えようと繁殖が続いている。
今回はその賞味期限が翌日の「半額牛乳」を使ったにもかかわらず幸いケフィアが雑菌の繁殖を抑えたので、一応ケフィアが雑菌に勝利したことになるだろう。
それでは「ケフィアは量産できるか?」を含む、次回の報告をお楽しみに。(≧∇≦)
おわり