このままガソリンが価格高騰する場合、ハイオクの方がお得になる可能性がある件について
ゲームアーキテクトの米元です。
今日は身の回りの日用品、ガソリンの価格についてのお話をしたいと思います。
ガソリンの値段が、今、すごく上がってますよね。皆さんはレギュラーとハイオクどちらを使うことが多いでしょうか?
値段に関してはもちろんハイオクの方が高いのですが、実はこのまま価格高騰が続いた場合は、もしかしたらハイオクの方がお得になるタイミングが来るかもしれません。
この値段のカラクリは、パラメータ設定やゲームに通じる部分もあるので、 解説させていただこうと思います。
ガソリンの価格設定について
まず、ガソリンの値段の決まり方について簡単に解説させていただきます。
ガソリンは、原油価格など原材料や輸送費などの諸経費が高騰すれば、それに対応して値段が上がるという仕組みになっています(厳密には違う部分もあると思いますが、ご了承ください)。
なので、例えば値段が上がったからといって、ガソリンの質がその値段に見合うくらい上がって燃費が良くなるかというと、もちろんそういうわけではありません。
一方、レギュラーとハイオクの差についても簡単にお話すると、ハイオクの方が値段は高いですが、パフォーマンスが高いため、燃費が良いです。
燃費を計算してみる
では、ここから燃費計算をしていきたいと思います。
まずハイオクとレギュラーのガソリンの価格差は、11円で固定であると仮定します。
すると、例えばレギュラーガソリンの価格が1リッターあたり110円の時は、ハイオクにすることで+11円、つまり10%の値上がりになりますが、燃費は5%増えるだけなので、お得ではないということが分かります。
しかし、もし仮にレギュラーガソリンが1リッターあたり220円の時は、ハイオクにすることで+11円が5%の値上がりになり、燃費が5%増えることになります。すると、ちょうど値上がり分と燃費が良くなる分が釣り合うので、どちらを選んでもお得度は同じになると考えられます。
そして考えたくないことですが、レギュラーガソリンが1リッターあたり330円になった場合には、ハイオクにすることで約3%の値上がりになるのに対して、燃費が5%増えるので、実はハイオクを選んだほうがお得になるという逆転現象が起こります。
それをグラフにすると、下記のようになります。
■値上がりによるお得度の逆転現象
ゲーム設計での応用例
実は、こういう風に、パーセンテージで上がる場合と固定値で上がる場合というのを、ゲームの設定ではよく使い分けていたりします。
ゲームにおいて、全体的にインフレが起こって強くなった場合にも、効果の度合いが変わらないようにしたい場合には、%で効果を付与していることが多いです。また、逆にレベルが上がったりインフレが進んだりすると効果が相対的に下がるように設定するものについては、固定値で値を決めるようにします。
この設定によって、例えば回復アイテムひとつ取っても、プレイする時の体感が大きく違うアイテムになります。
「常に30%HPを回復する」ように設定した場合は、レベルが低い時も高くなってからも効果が一定なので、使用する体感は変化しないとなります。しかし、例えば「回復量が+400回復」という風に固定にした場合は、HPが500の時と5000の時では効果が変わり、強くなってHPが多くなるほど効果が下がります。すなわち、プレイヤーが強くなると相対的にアイテムの価値が下がるというような体感となるのです。
まとめ
このような設計手法はゲームでは当たり前なのですが、意外と身の回りにもあったりします。それが、例えば今回のガソリン価格の例なんです。
ちょうど今のように、値段が大きく変化しそうなときなどは、お得なものが入れ替わることもあります。ですので、何がお得なのかを見極める時に、価格差がパーセンテージで決まっているのかそれとも差分で決まっているのかによる違いを把握して、よりコスパの良いものを選択していきたいですよね!
というわけで、ぜひ皆さんも、身の回りで価格設定の仕組みの違いでお得度が変わるものがないか、探してみてくださいね!
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