半沢直樹でのハマるバランス設計について
今話題の半沢直樹での、飽きにくくハマるバランス設計の仕組みについて解説してみました
昨日、TBSドラマの半沢直樹第2期の前半戦も決着がついたところですが、最後のところで後半戦の導入を見て、ふとこの記事を書きたくなりました
(※以下一部ネタバレを含みます)
前回2013年放送の第1期から、お金のやり取りをベースに主人公の半沢直樹が理不尽と戦い倍返しをしていくという痛快な様を描く形で話が進んでおり、前シーズンも前半戦後半戦とあったのですが、ゲームで言うところのバランス設計がすごくしっかりしているなぁと思ったわけです
(ちなみに第1期はParaviで見直しました)
以下、表にて推移などをまとめました
期 扱う額 業種 企業規模/立ち位置 敵
1期前半 5億 製造 50億/業界では中小 支店長
1期後半 200億 サービス 数百億前半/業界トップ 常務
2期前半 500億 IT 数百億〜千億/業界代表 副頭取
2期後半 700億 運輸 数千億/日本の代表企業 大物政治家
こうして見てみると、ゲーム設計の基本でもある、インフレ(=数値がどんどん増えていく)をちゃんとやっているのがわかります。また、扱う額だけでなく、企業規模や敵もしっかりインフレ(?)しています
インフレに加え、ゲーム設計の基本である、属性=対象の業種も毎回変化をうまく付けていて、飽きにくいようになっています
それでは、順を追って少し解説していきたいと思います
最初の1期前半では、扱う額が5億で(これはもちろん大金ですが)他と比べると額が小さめで、どちらかというと半沢直樹の基本的な楽しみ方を学ぶチュートリアル的な立ち位置となっていて、その後、後半で一気に扱う額が5億⇒200億になり、敵も支店長⇒常務(※当時)となりました
そして、前期から今期については、業種についても、歴史ある産業であった1期と変わって、今期はITに、お金の扱い方も純粋な融資から証券の扱い混じる方法になったりと、金額以外の変化もしっかりと付けていました。
また、敵については前期の常務から副頭取とランクアップしているとはいえ、比較的軽微(と外部の自分は感じるのですが)でしたが、これは、半沢直樹の基本の流れを思い出してもらうために、あえてしたのかもと思いました
(※尤も、原作通りなだけかもですが)
そして、今回2期前半から後半については、額こそ500億⇒700億とインフレ度合いはこれまでに比べるとわずかですが、敵の強さがびっくりするくらいインフレしています
というのも、副頭取といえど、一企業の中の話でしたが、後半の敵はまさか政治家、しかも、首相へのご意見番的な超大物になるとは予想外でした
(※◯◯は国家なりというくらいの大企業だと、政治家より権力あるよ!という可能性もありますが、そんな会社に努めたこと無いので、強さの設定は、あくまで一企業の重役<政治家としています。また、敵については、原作読んでいないので第4話の後半だけ見た個人的な予想です)
もちろん、ヒットしているのは、このバランス設計以外の、本筋としての理不尽に対して戦いしっかり倍返ししていく半沢直樹の痛快な姿と愉快な仲間たちではあると思いますが、それを影で支えているメタ(=コア以外の外の)部分、要はこういうバランス設計とか、舞台などの変化も重要だなぁと改めて感じました
以上、ざっとではありましたが、半沢直樹での飽きにくくハマるバランス設計の仕組みについて解説してみました
余談ですが、同じ金融ドラマであるハゲタカも同じように、このあたりの設計がされている感じがして、毎回飽きずに面白かった記憶があります
(※またどこかの機会があったらそちらもまとめてみたいと思います)
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