オーストラリアをエンジョイするためにお勧めしたいパークラン(Parkrun)
先日、「オージーとの付き合い方」というエッセイを投稿した。
その中で、オージーの知り合いを作るにはボランティア活動やスポーツまたは文化クラブに入るのがいい、と書いた。その中でも自分が特におすすめするのが表題にあるパークラン(Parkrun)である。
これは公園やハイキングトラックで土曜の朝8時から5キロメートル走るイベントである。世界中で開催されており、子供、大人さらに犬までも参加できる。オーストラリア国内に多くの会場があり、よほど田舎でなければきっと近くに会場があると思う。ちなみに日本ではオーストラリアほど盛んではないが、何ヶ所か会場ある。
参加資格を得るのは簡単でパークランのWebページから無料で登録するだけである。そうすると自分のバーコードがもらえ、それを印刷したものを持って自分の気に入った会場のスタート地点に朝8時までにいく。そしてスタートの合図とともにコース上に立っているボランティアの案内に従って、5kmを走るまたは歩くだけである。参加は無料である。
通常、ゴール地点はスタート地点と同じになる。ゴール地点ではバーコードが印刷されたプラスティック製のトークンをボランティアから渡される。その後、係の人がスマホを持って待っているところに行き、持ってきた自分のバーコードとトークンのバーコードを両方読み込んでもらう。これで自分の参加とタイムがシステムに登録される。結果は数時間後Eメールで送られてきて、参加会場のWebページでも参照できる。
自分は一緒に参加している友人の好みで毎週様々な会場をわたり歩いているが、知り合いを作りたいなら同じ会場に行った方がいい。特に参加者が少ない小さい会場なら覚えてもらえるだろう。参加者の多くは友人同士や家族で来ているので、1人で行ってもすぐに友達になれるわけでもないが、自分の気に入った会場に何度も行けばそこが自分のホーム会場になり徐々に知り合いができるだろう。
また、パークランは全てボランティアによって運営されている。ボランティアは会場ごとに常に募集されていて、上記の結果を知らせるEメールから応募できるし、会場でボランティアをしている人に、来週ボランティアをやりたい、と直接言ってもいい。拘束される時間は朝の7時半から2時間程度で、一回のボランティア活動ごとに申し込む。仕事はコースに立ってランナーが道を間違えないようにするとか、前述したトークンの手渡しやスマホアプリへの読み込みなどで中級程度の英語力があればできるだろう。実働時間はちょっとしかないので、大体は他のボランティアとおしゃべりをして過ごすことになり、すぐに知り合いができる。知り合いや友人を作るなら、走るよりボランティアが断然いい。
ここまでパークランを通して知り合いや友人できることを述べてきたが、もちろんパークランのメリットはそれだけではない。まず、有酸素運動ができて健康にいい。走るのが辛い人は歩けば良い。どの会場でも歩いている人は2、3割いる。自分も最初怪我が心配だったのでウォーキングだった。そして少しずつランニングの割合を増やしていき、5回目ぐらいからは全てランニングで行けるようになった。その後、Youtubeなどでランニングメソッドを研究してフォームを少しずつ修正し最近では30分ぐらいで完走できるようになった。1キロ6分のペースだから若い頃に比べて遅いがそれでも年齢を考えれば満足できるスピードだと思う。
もちろん、タイムよりも続けることの方が大事だ。100回パークランを完走した人は100と書かれたTシャツを購入し、それを誇らしげにパークランの時に身につけてくる。自分はまだ20回程度なので先は長い。ちなみに50のTシャツもあり、自分はまずはそれを目指している。とにかく、土曜の朝5km走る(または歩く)ことが生活上の刺激になるはずだ。
また、風光明媚なところが会場になることが多く、そこでの運動でとても爽やかな気分になれる。自分のローカルでは海辺、森の中、川沿い、山の上などいろんな会場があり、毎週違った会場で参加すればちょっとした小旅行気分も味わえる。また、会場によるかもしれないが、参加者全員のランニング中の写真がFacebookにアップされる。自分の写真をダウンロードして記念に持っていても良い。なお、写真撮影を断ることもできる。
以上がオーストラリアのパークランの紹介である。オーストラリアに滞在している日本人が、自分と同じように、毎週土曜のパークランでより海外生活をよりエンジョイできるきっかけになったらいいな、と願っている。