夢を見ていた
Amazon Audibleでミステリ小説を聴きながら寝てしまったところ、丁度舞台が海外だったからか、外国人同僚の友人の夫が元彼だった、といういう夢を見た。
海外に外国人同僚と出張に行った際、仕事の関係で同僚の友人にも会い、解散の段で帰り方法を私達はタクシー乗るけど一緒に乗る?ともちかけると「もう彼が来ているから」とのことで、外に出て我々がタクシーを待ちつつ、はて彼とはどんな人かなんて好奇心で車を見遣れば元彼が居た。
一瞬だけ視線が絡んで、どちらともなく解ける。
同僚の友人は「ダーリン!」と欧米特有の大仰さで元彼に近付き、元彼もアメリカナイズドされたボディランゲージとリアクションでそれに応える。
一目でいい、会いたいと思っていた。幸せそうでよかった。言葉をかわさずとも私を認識して欲しかったから目的は意外な形で達成されたのに、頬の内側を噛んでいないと苦しくて苦しくて顔の筋肉を笑顔の状態にできなかったし、鼻の奥がツンとして涙を堪えるのに必死だった。
唯一の救いは、同僚の友人から元彼を紹介されなかったことだ。紹介はされなかったけど、元彼を見る前にプロポーズをされていて入籍することまでは知っていた。
口の中が鉄臭くなる頃に、同僚と元彼は車に乗り込んで走り去った。
一度だけ、たった一度だけ、元彼の助手席に乗ったことがあること、それが最後の逢瀬になったことを思い出して、車が見えなくなるとその場にしゃがみこんでしまった。
そんなところで目が覚めた。
目覚めは最悪で、2時間ほど落ち込んだまま無為に時間を空費した。かなり凹んたからだ。
未だに元彼に、というより過去に縛られている自分がいるという現実に。
そしてその日の予定をブッチしたくなった。
たまたま知り合いがオーナーをする店で会ったキャストくんと、プラベで会うことになっていたからだ。
会おうと持ちかけたのはこっちだった。
まだまだ夜の世界に染まりきっていない、と言うより夜の世界に似合わない雰囲気と若さ、頼むから元彼みたいになって欲しくないという気持ち、あと単純にタイミングが合ったのと、オーナーが帰り道その子を辛辣に叩き、後日LINEでパワハラのような叱責を与え(かつそれを私に見せてきた)、その子は店を辞めてしまったから、尚更その子と話したかったからだ。
そしてなにせ、年齢差を考えなければ好みどストレートだったから。面食いは三十路をすぎても治らないのかよと、ママ活をしているような罪悪感を抱きながら会った。
安居酒屋で、たくさん色んな話をした。
この子は天性の女誑しだなと思うほど、ドキドキさせられた。というか絶対ホストかヒモかママ活の才能がある。多分8年ぶりにこんなに女として心をときめかせてしまって戸惑った。
これはもう片思いなのでは!?と帰宅後丸1日煩悶していたが「推し活」という言葉で片付けることに成功した。
将来のある若い男がこんなオバサン相手にするわけが無いし、私は推し活に留めないと良くない暴走をしてしまいそうだ。
夢を見ていた。
ただ夢を見ていたんだ。
悪夢といい夢を同日に見た日だなあと思った一日だった。