これからの商品企画
「リカさんのモノ買おうとずっと悩んでいるのだけど、たくさん色があって選べないまま1年経っちゃった。」
昨年、友人に言われた言葉。
「たくさんの色・種類のモノから選ぶ楽しさ」の商品提案が今は苦痛に感じられる時代になってきている。
数年前までアパレルイベントの常套手段の「カスタムデザインオーダー」や「カラフル展開」は厳しくなってきているのではないだろうか?
以前のnoteでも書いたけれど、時代はどんどん変わっているし、それによって自分の立ち位置も変化していかないといけない。
以前のトレンド重視の物作りや、数年前の低価格重視の物作りに留まっていてもきっと続けられない。
ちょっと自分の中で違和感を感じた時は、変化が必要な時かもしれない。
今の時代を見渡してみて、これからの流れを予想してみることが私は重要だと思っている。
今の時代感と商品企画について私なりに分析してみました。
今の時代と商品企画
① 選択は苦痛
文頭の友人の言葉がまさにコレ。
instagram、 facebook、 twitter、noteなど色々な情報中毒の私達。
いろいろな情報に浴びているのに、反面自分でじっくりモノを考えたり、たくさんのモノの中から最適なモノを選んだり、判断するのがどんどん苦手・面倒になってきていませんか?
自分で悩まずに誰かの意見や選択に乗っかってしまう方が楽ですよね。
「選べる楽しさ」より「自分に最適なモノを選んでくれる」サービスの方が情報過多な今の時代には合ってきているのを感じます。
ー 多色・多種展開よりコレが良い!と絞った商品企画
② 集中力が続かない
雑誌を含む書物や長い文章が読むのが面倒になってきました。
以前は雑誌が大好きで月に数冊を購入し、本もたくさん読んでいた自分がこんなになるなんて!?自分でもびっくりです。
今は雑誌はほとんど買わないし、本を読む時はその時間を確保した決意?の上で一気に読んでしまいます。
これ、商品販売にも実感しています。
ネットの商品説明にサイズも表記しているのですが、読んでくれない。。
『「思ったより」大きかったです、小さかったです』
着画も載せているし、サイズ表記もしているのに…。
この感想に悩まされていたのですが、イラスト書いて画像説明するとピタッとなくなりました。
こだわりの長い文章や商品説明は読んでもらえない前提で「見てわかる」ことが重要です。
ー わかりやすく簡潔な説明文・画像説明 多機能よりシンプルな商品
③ 楽でいたい
最近は交通系カードやキャッシュカードで支払いできる場所が増えました。
キャッシュレスに慣れると現金支払がすごく面倒に感じる様になってきました。
硬貨を探すのも増えるのもイヤ!
我が家にはgooglehomeがあるのですが、これがきてからお天気をスマフォアプリで表示するのが面倒になりました。
ほんの少しのことも楽が当たり前になると、以前に戻れなくなるんですよね。
最近の家電量販店に行くと「楽」を推奨するモノがたくさん並んでいます。
ルンバ、食洗機、ホットクック。
少しでも楽したい、そして一度味わったら戻れない。
これからもそんなモノたちがどんどん増えていきそうです。
ー ストレスフリーな商品・購入システム・取扱(着脱・洗濯・保管)
④ こだわりどころと手抜きどころ
以前ならば家事を完璧にする「丁寧な暮らし」さんの特集にはルンバや食洗機などの家電がでてこなかったし、有名モデルさんの私服特集にはUNIQLOやZARAなんて出てこなかった。
今はどちらもアリですよね。
価値を感じられるならば手間をかけたりお金を払うけれど、そうでないものは楽で安く済ましたい。
そんなコントラストを誰もが持っている時代だと思います。
ー 価値ある商品であることを伝える(パッケージ・専門性・歴史・意味)
⑤ 生活の充実
昔のセレブは高級メゾンなどの装いに、最近のセレブは生活にこだわる!
と、私は確信しています。
新宿伊勢丹の他フロアはガラガラでも5FのリビングフロアとB1の食品フロアにはいつも人がたくさん。
銀座や日本橋などセレブな街にはakomeya や茅乃舎、中川政七商店などこだわり生活用品、食材店がずらり。
吉祥寺の東急百貨店3Fも「武蔵野マルシェ」としてこだわりの食材や生活用品を揃えたフロアに改装されました。
生活へのこだわり・食の楽しみ・経験・健康など、綺羅びやかな装いよりも生活に関わることを充実させるのが魅力的に見える時代ですよね。
ー 自分の生活を豊かにするモノ・ワンランク上の生活用品 (革靴→革スリッパなど)
⑥ 交わらない多種のライフスタイル
同じ東京都内在住で年収、年齢が同じでも地域によって価値観は全然違って見えますよね。
例えば六本木、赤羽、吉祥寺に住む人たちのお金と時間の使い方は全く異なってくると思います。
(都内在住じゃない方はよくわからないかもしれません。。すいません。)
街を歩いただけでも目につくお店は全然違っていて、高級メゾン、安居酒屋、カフェ、そして街を歩く人々の装いも違います。
どれが良いという比較ではなく、それぞれの地域の価値観が微妙に異なって街を形成しているからです。
装い、生活雑貨、飲食、趣向などは単品で形成されるものではなくて、「これが好きな人はコレも好きな傾向がある」と全体が連なっています。
以前だったら、それでも皆がテレビや雑誌・新聞を通して芸能人やドラマ・事件など共通の話題があったのですが、ネットが中心の今は同じ情報を目にする機会も減り、交わらないライフスタイルのコミニティーがたくさん形成されています。
毎年盛り上がっているコミケに集う人たちのお金の使い方は私には全然見えないけれど、同世代の物作り作家のお金感覚はなんとなく見える。(多分材料や工具には盲目的にお金を使ってしまう。笑。)
ー 自分の商品がどんなライフスタイルの人に使われたいか。 その人達が何に価値をおいているか?
◇ まとめ
まとめるとこんな感じです。
① 選択は苦痛
ー 多色・多種展開よりコレが良い!と絞った商品企画
② 集中力が続かない
ー わかりやすく簡潔な説明文・画像説明 多機能よりシンプルな商品
③ 楽でいたい
ー ストレスフリーな商品・購入システム・取扱(着脱・洗濯・保管)
④ こだわりどころと手抜きどころ
ー 価値ある商品であることを伝える(パッケージ・専門性・歴史・意味)
⑤ 生活の充実
ー 自分の生活を豊かにするモノ・ワンランク上の生活用品
(革靴→革スリッパなど)
⑥ 交わらないライフスタイル
ー 自分の商品がどんなライフスタイルの人に使われたいか。
その人達が何に価値をおいているか?
私なりの分析をした上で、来年の自分の方向性を探っていこうと思います。