【半導体製造装置】露光装置の2大巨塔--投影レンズとwork stage--

こんにちわ。徒然技師です。イナカモノズです。

冒頭ネタ


人事の時期になりましたが、私は田舎からは離れられずでした。まぁ特に不平不満はないので問題なしです。

記事はだいたい1ヶ月に1度更新のペースですね。やはり露光装置関係は難しすぎます。私のような不勉強者にはストロングゼロくらいがちょうどいいです。

最近気になった記事は大きく二つです。

Stepper投影レンズの光学系

気になる論文1つ目は下記の論文となります。

https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public/35-02-kenkyu.pdf

光学でよく考える「物体面-入射瞳」「射出瞳-像面」という定式化を、ステッパーレンズに適応した場合にどのような条件を考えるべきか?についてです。要はZemaxとかの光学ソフトに入れるオペランドの束縛条件として何が考えられるか?というものだとは思っています。これに実務上ならLENSや空気層の厚みを束縛条件に入れ込むのでしょうかね?

レンズ設計の定式化について、エッセンスだけ書いてみます。
結像系設計において、下記のような像面とその開口絞りとレンズに注目した光学系を考えます。とりあえず開口絞りに入ってくる光路と像面近傍の光路だけ着目します。

像面に1点に収束している光について、これは結局開口絞りで放たれた光がレンズを通って、像面上で1点に結像するようになっています。
そこで、像面上に目を置いてみた場合を考えますと、像面からハの字の開口絞りが見える事になる。だが、レンズがあるおかげで、レンズがない状態とは別の位置に瞳が見えることになります。この像面から引っ張った光路が作り出す仮想の射出瞳と言います。そういえば、焦点より手前に物体をおいて、レンズを通した場合、物体がない側から見れば物体が大きく見える(虚像)のがありましたが、同じことですね。

射出瞳

まぁ筆が進むまま、適当に述べてみます。noteのべんりな点は適当なことが書けることですし。

この像面&射出瞳という考え方は「光学系のレンズの具体的状態を全て無視、ブラックボックス化して」「像面から得られる情報として、像面座標と瞳がどう見えるのか?という情報」のみに注目した時に出てきます。

これの何が便利なのか?結局レンズを使わないと物は考えられないのでは?と思えます。これは結局どんな考えようと、結像レンズの最終的な要求仕様はNA・収差論とか全て含めて  

  1.レンズ要求はどんな光が来て、像面にどのような像を作るのか?

に帰結する事実からだと思います。つまりは  

  A.入射面・像面から得られる情報に昇華させる(要求仕様)  
  B.この像面を実現できるようにオペランドを定義する

なので、像面情報のみに着目して、要求仕様を記載するためのオペランドが定義されます。レンズは昔なら手計算、今なら光学ソフトのオペランド条件を満たすように配置する事になるんでしょうね。

像面情報からの計算効率の良い情報引き出し方に波面収差論とZernike多項式等が含まれてきます。Zernikeについてもちょっとは知らないといけませんね…。

光学ソフトにはその条件を投入して、具体的にどんなレンズを突っ込めばいけるのか?を計算しています。気になる人は下記に文献入れておきました。フリーソフトでオペランドもついたソフトあるのか…?そもそもそこまで複雑なレンズは流石に難しい気がします。
そして、Stepperレンズは最後「ものが作れるのか?」のOptomechanicsに帰結するので、結局設計できても、重力たわみやレンズの偏心とかで結局ものが作れないとかいうケース多いでしょうが。

そういえば、レンズ設計の基礎となっている幾何光学について。割と瞳とかの結像を扱うのに必要なアイコナールとかは話が書かれてないことが多いので、参考文献を下記に置いておきます。山本義隆さんの資料は解析力学を習った方には馴染み深い形式になっていて面白いです。
https://honto.jp/netstore/pd-book_26347642.html

https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public/21-06-kougi.pdf

https://ieyasu03.web.fc2.com/optics/53-optics.html

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpnjvissci/36/4/36_89/_pdf/-char/ja

Wafer Stageとプラットフォーム設計

あとはプラットフォームとwaferステージについて、ちょっと参考になりそうな記事と論文があったので紹介です。SPIEで発表したのでSPIEは読めるのですが・・・IEEEは課金しないと。

ASMLは共通プラットフォームによるコストダウンとよく言われていますが、いったいどんな機構で成立しているのか?どの程度まで共通プラットフォームなのか、実は設計シミュレーションのやり方が完全共有されているとか?とも思った時に調べた記事となります。私のような不勉強射には難しいですが、優秀な方々なら余裕??

https://www.spiedigitallibrary.org/conference-proceedings-of-spie/9446/1/Error-mechanism-analyses-of-an-ultra-precision-stage-for-high/10.1117/12.2181186.full

Lorentz actuatorについても書いてあるので便利便利。
Metrogy Frame構造に関する制御、要はレンズフランジ部分を基準にして、そこから出てきている測定器を基準にした構造となります。レンズフランジ部を基準にすれば、レンズ剛性さえあれば、レンズの像位置を正確に予想できるという前提が絡んでいます。
この構造は全てを制御で行わないと行けないので、結局はModel Based Analysisが重要となります。まぁ、SPIEの論文に書いてあるController structureにはフィードバック作用しか使われてなさそうなので、まぁどうにかなるだろうか??

SPIEの論文を見ていくと、実際にどうなるのかを計算してみれば面白いのかもしれないです。これもどこかでやってみます。Pythonとか必要なのかな?

https://www.researchgate.net/publication/224258614_Position_Control_in_Lithographic_Equipment_Applications_of_Control


終わりに

本日はここまで、実は過去記事も少しずつ更新しているので、気になったらみてください。もう少しわかりやすく書いた方がいい気がする

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