今日のホン『82年生まれ、キム・ジヨン』
切々と、苦々しい。
キム・ジヨンは、韓国の82年生まれの女性名で一番多いんだって、タイトル秀逸すぎる。
すこしディテールを変えて、日本版で、例えば『82年生まれ、佐藤裕子』とかで出版されててもなんらおかしくない。
あまりにも淡々とした叙述だから、はじめ、ノンフィクションかと思って読んでたけど、フィクションだった。
韓国は、女性大統領もいたし、ドラマのヒロインは概ね逞しく、サブキャストの妙齢マダムは小賢しいし、女性の社会参画や対男性、に関しては、日本より進んでいると思っていた。
そんなもんだろう、なにをいまさら、と感じてしまったら、悲しきかなそれは、その人のスルースキルの賜物かマヒしちゃったのね。そんなこといわれてよく笑っていられるね?と言われたこと、あるあるーって人ね。考えてみると、わたしも今までずっと男の人の下で働いてきたし、取引先、営業先やエンドユーザーもほぼ男性だ。つくづく経済はおじさんがまわしているのね、とうなだれ、たまに起こる小さな負のできごとを真に受けては、へこんだりしていた。だけど、それについてあからさまにジェンダーに絡めて、訴えたりはしなかったし、できなかった。あとが面倒くさいし、その人達の性格を考えたら、改善は見込めないとジャッジしていたから。
話を戻して、感情むき出しじゃない叙述も、このひともスルースキルが備わった女性か?と思わせ、ゆるりと崩壊に至るのが、余計苦々しい。
しかし、これがベストセラーになるという韓国の土壌に希望がもてる。さて日本は、いかに。
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