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【ドラマ】僕らは奇跡でできている

今回は、私の好きなドラマのひとつを紹介します。
主人公は少し変わった大学講師 相河一輝、
ドラマの中で彼と関わる周囲の人たちが、
そしてこのドラマを見た人たちが、
“ちょっと自分を好きになれる”
”少しだけ前向きになれる” そんなお話です。

中でも私の好きな回は、一輝と町の歯医者で出会った小学生の虹一くんの物語。
虹一くんは少し周りの子達と違う感性を持つ、お勉強がちょっと苦手で、絵を描くことが得意な、素敵な発想を持つ男の子です。
しかし虹一くんのお母さんは、周りの子達と同じようにできない虹一くんの子育てに悩んでいて、そしてお母さんのことが大好きな虹一くんも苦しんでいました。そんな虹一くんのお母さんに、一輝が自分の過去について話すシーンの一節。

僕は子どもの頃、人と同じようにできなくて、学校で先生に怒られてばかりでした。
僕を馬鹿にしたようなことを言う人たちもいて、学校は大嫌いでしたが、理科は大好きでした。

中学の時理科クラブに入りました。
ある時理科クラブで、17年ゼミの研究発表をして、みんなにすごいって言われました。
先生にも褒められました。そんなことは初めてでした。すごいって言われることが嬉しくて、もっとすごいって言われたいと思いました。
すごいって言われたいから理科クラブを続けました。
僕を馬鹿にした人たちのことも見返してやりたいとも思いました。最初は楽しかったです。
でも、生き物のことだけは絶対に負けたくないと思ううちに、すごいことをやらなきゃと思うようになりました。そしたら、生き物の観察が楽しくなくなりました。辛くなりました。
寝る時いーーーってやっても眠れなくなりました。

僕の祖父は「やりたいならやればいい、やらなきゃって思うならやめればいい」って言いました。笑って言いました。
理科ができてもできなくても、僕はいてもいいんだなぁって思いました。
そうしたらよく眠れるようになりました。生き物の観察をまたやりたいって思いました。

僕はやれないことがたくさんありましたが、
今もありますが、
やりたいことがやれて有り難いです。

私はこの言葉を聞いて、身体から力がすっと抜けるのを感じました。
一輝は以前、自分は人と仲良くなれない、でも1番仲良くなりたい人と仲良くなれたから、それでいい、そしてそれは僕自身だと話していました。

私たちは、子どもの頃からそして大人になっても、絶えず競争の中にいます。競争は悪いことばかりではなく、この世から競争がなくなる、それもとても恐ろしいことだと思います。
ただ、ふと私は一体毎日何と闘おうとしているのだろう、誰に何を認めてもらいたいのだろうと思い返しました。

私にとって必要なのは、自分が勝手に作った敵と戦うことでも、周りの目ばかり気にして生活することでもなく、自分自身を大切にしてあげること、そして自分と1番仲良くなることなのではないかと、気づいたのです。

虹一くんだけでなく、色々な悩みを持ち自分自身となかなか仲良くなれない大人、学生たちが登場します。相河一輝と出会い関わる中で、そんな登場人物たちが前向きに変わっていく姿に、勇気をもらうことができるストーリーです。誰でも少なからず、登場人物と自身を重ねるところがあるのではないかと思います。今回でこのドラマを見るのは2度目になりますが、素敵なドラマに出会えて幸せです。

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