一目惚れ
わたしが買ってよかったと思うもの…。
それは
一目惚れをした財布
である。
はじめに財布が欲しいと思ったのは、いつも持ち歩いているバッグに財布が入らなかったという理由だった。
お札を曲げることが嫌いだったわたしは、長年長財布を使ってきた。
しかし、お気に入りのバッグは長財布を入れると変形してしまう。
そのため、2つ折りの財布が欲しいとおもうようになった。
加えて、わたしはどうしようもない飽き性で、気に入って買ったものでもすぐに飽きてしまう。
歴代の財布も、何個買ったのかわからない。
わたしの周りには、だいたい壊れるまで使う、とかいらないなら他の人にあげる、などが多かった。
わたしがただ我儘で、飽き性で、贅沢なだけなのだろう。
しかし、今回購入した財布は今までとは打って変わって違うものだった。
一体何が違うものだったのかというと、この財布を見た瞬間、身体に何かが走ったのだ。
運命的な出会いをした瞬間だった。
この財布なら使い勝手も、見た目も、わたしの条件を満たしているし、さらに言えば一生使っていても飽きない。となぜか確固たる自信が湧いた。
小銭を入れる部分を見た瞬間、これまたわたしの好みのど真ん中を突っ切っていた。
まさに、シンプルイズベスト。
お気に入りの財布を買った直後は、友人たちにまるでわたしに彼氏ができたかのように財布の自慢をし、惚気をし、手に持ち歩くことに優越感を覚え、挙句、隙があれば眺めていた。
ちなみに、この財布はクロコダイルだがそこまで高くないし、男性向けのブランドだということを後で知った。