出世したいと思うことって、恥ずかしいことなの?
看護師界隈では、看護の仕事が好きだとか、出世して師長になりたいとか、認定・専門課程に進みたい!と前向きなひとたちに、少し冷たい風潮がある気がする。
「よくそんなに頑張れるね…私には無理だわ」とか、
「出世して、資格とって、何になるの?」とか。
わたしの職場だけだろうか?
看護師は初任給はいいものの、昇給率が低いことで知られている。
管理者手当や認定・専門看護師手当も存在するが、病院によっては微々たるものだったりする。
一方、上のポジションになればなるほど責任と業務はどんどん増えていく。
そんな背景もあって、出世したって別に得しない、コスパが悪いなんていう認識から、風当りが冷たくなってしまうのだろうか。
わたしは過去には自己実現欲求の高さから、「看護師として出世したい」という思いを抱いていたころもあった。
けれどそれを同期に話すのは恥ずかしいことだと思っていて、言えなかった。冷やかされるのが嫌だったから。
事実、わたしのまわりには、「仕事は生活のための手段でしかない。好きな仕事だとは言えないけど、お給料をもらうためには働かなくてはならない」というスタンスの人が本当に多い。
そういうスタンスの人がいることは至極当然のことであるとも分かっている(ひとつ断っておくと、この人たちが仕事に手を抜いているかというと、全くそんなことはない)。
とは言え、わたしにとってはこの風潮も、ずっともやもやを抱えていた要因のひとつだった。
もっと互いの成長や昇進を喜び合ったり、切磋琢磨し合ったりする環境が欲しかった。
楽しくないことをやり続けるには、仕事の時間はあまりにも長すぎる。
やりがいを持って働ける方が、人生が楽しくなる気がする。
仕事において「自分の目標」「理想の姿」「達成したいこと」をしっかりまわりに伝えられて、それを応援してくれる仲間がいたなら、それはどれだけ幸せなことなんだろう。
目標をまわりに宣言してそれに向かって進んでいける人の行動力の、どれだけ尊く素晴らしいことよ、とわたしは思う。
そこに恥ずかしいことなんてなにもないはずなのに。
看護師界隈でも、彼女たちに対する冷たい風潮がなくなって、温かいエールが送れるようになれたらいい。
自分自身は、今はもう違う目標ができたから、看護師として大成したいとは思わなくなってしまったけれど。
少なくとも自分は職場や看護師界隈において、彼女たちに追い風を吹かせられるような存在でありたい。