「サガ2秘宝伝説GOD」を投げた
はじめに
まず、初めに伝えておかなければならないことがある。僕はゲームが好きではある。好きではあるが…。よくゲームを途中で諦める。
それは僕が飽き性だからだ。いや、そんなことくらいわかるだろうけど。
そして僕はこれまで、言い訳できないくらいゲームを投げて(諦めて)きた。投げたゲームの数なんて数えきれないし数えようとも思ったことがない。でも、そんな僕の話をどうか諦めないで聞いてほしい。
だから、今日から投げたゲームの話をさせてほしい。画像をなくして思いっきり手を抜くけどちょっと目を向けてほしい。これから、なんで僕がゲームを「投げた」のか。その話をしようと思う。
「サガ2秘宝伝説GOD」との出会い
今日は「サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY(GODと表記します)」の話をする。このゲームは2009年、スクウェア・エニックスから発売されたRPGだ。
このゲームはその名の通りゲームボーイにて発売された「サガ2秘宝伝説」のリメイク作で、ニンテンドーDS用のソフトということで気合の入った3Dポリゴンを用いて作られた。
このリメイク版を知らなくても、「サガ2」という作品自体はよく知っているという方も多いのではないだろうか。それだけこの作品は愛されている、ということはサガシリーズ超初心者の僕にとってもよくわかる。
僕がこのゲームを始めた理由は単純明快だ。それは、このゲームがDSのゲームだからだ。
生まれも育ちも任天堂な僕はDSのゲームというものがかなり好きで、それはこういう良リメイクが当然のように転がっているからでもあるのだが、やはり携帯機特有の遊びやすさがあるというのも含まれると思う。
なんというか、家でも外でも遊べる幸福感というか…。ゲームボーイで初めて携帯機を手にした子供はこういう気持ちだったんだろうな、と思っている。この感覚、忘れたくない。
しかし、それはそれとして僕はサガシリーズを今までに一作品たりともやったことがなかった。だって、サガってなんかシステム複雑そうだし、死にゲーに片足突っ込んでない?とネガティブな印象を持っていたので、今回「GOD」を始めたときの衝撃は凄まじかった。
「GOD」の衝撃とよかったところ
まずはじめに主人公一行4人の種族を4種類から選べて、しかもそれぞれ成長の方法が違う!武器の腕を上達させて物理で殴る人間、突然魔法が手に入るエスパー、肉を食べることで違う種類に変身を遂げるモンスター、とにかく強い装備を持たせればスタータスが上がるメカ…。
とにかくこのシステムはなんて秀逸で、新鮮なものなのだろうと思った。こんなゲームを思いつくセンスに脱帽。もしかしてサガ、意外と面白い?
そして僕がこのゲームをちょっと進めたころ、真っ先に感じたことが一つある。それは、このゲームのシステムは確かに複雑だが、「良いこんがらがり方」しているということ。
複雑でもプレイヤーがやりたいことの迷走を起こさせない工夫があるし、4種族それぞれの育成もそれぞれかなり単純なルールに基づいているので全種族をパーティに加えても育て方がわからなくて詰む、なんてことはなかった。
わかりやすくする工夫が随所に垣間見えたのは、僕がこのゲームをやってよかったと思う一番のポイントかもしれない。
そしてリメイクならではの新要素もよかった。「サガフロンティア」などで採用されているらしい(サガフロやったことないので知らないけど)”連携”システムはサクサク攻撃がつながる爽快感が気持ちいい。
ただ、この敵をスマートに倒せるこの感覚は間違いなく良システムだと思う反面、ちょっと難点もあったので次はここから話させてほしい。
新システムの功罪
シンボルエンカウント制の採用、最大50体との同時戦闘が楽しめる”チェーンエンカウント”の導入など、革新的で爽やかな新システムの導入は個人的に評価が高い。だが、少し辛い点もあったのでこの話をさせてもらおうと思う。
シンボルエンカウントとチェーンエンカウント
まずシンボルエンカウントについてだが、ここは良い要素だと思う。サガに馴染みのない僕にもサガといえばシンボルエンカウント、という印象は強いし、なおかつ3Dであるこのゲームには雰囲気もぴったりだろう。
多分ゲーム画面のイメージとしては「ロマンシングサガ ミンストレルソング」とかに近いんじゃないですかね?やったことねえけど。
そして、このゲームに独特の味を生み出しているのがチェーンエンカウントだ。
敵シンボルと接触したとき、その他に複数の敵シンボルが存在していた時に発生し、そのすべての敵とまとめてエンカウントするというもの。このシステムをうまく利用することで最大50体もの敵と戦うことができる、というわけ。
ただ、このシステム、面白いシステムではあるのだが難点も多く、それが「チェーンエンカウントすると数に押されて簡単に全滅してしまう」ということ。
効率よくステータスを上げるためにチェーンを狙ったら思いのほかモンスターを巻き込みすぎて敵軍の多さに圧倒され全滅…とか、目玉のシステムにしては普通に理不尽と思っちゃうくらい、チェーンエンカウントの難易度はバカ高い。
いや、まあ、前述の連携を駆使すれば勝てなくはないのだが…これも意外と曲者なのだ。
"連携"、出し惜しみ問題
なんのこっちゃ、と思うかもしれない。連携という「システム」を使わないでとっておく、って何?と。
それではこの話題に入る前に、前提として連携のシステムを紹介しておく。
連携は、キャラクターが攻撃したときに、他のパーティが反応して追撃してくれるシステムで、連携を使用したキャラクターは行動順を無視して攻撃できる上、ダメージも増加する。さらに、連携したキャラクターが攻撃するときにまた連携…と繋げていってずっと俺のターン!ができるわけだ。
もちろん、この攻撃を繋げて一気に畳み掛けるこのシステムは、前述のチェーンエンカウントで大活躍。範囲攻撃などの威力を底上げしたりして、効率よく大軍勢を倒すことができる。
…ただ、一つだけ問題点がある。それは、連携をするためにアイテムを消費すること。「運命の糸」と呼ばれる特殊アイテムを消費することで連携が発動するので、(僕のようなケチり魔は)雑魚戦だと出し惜しみしてできるだけ使わないようにしてしまう。
まあ、これが町の道具屋とかで買えるならまだ良かったのだ。だが、このアイテムは戦闘中にもらえる特殊な通貨を手に入れて、なおかつ特定の場所にある交換所へ向かわねばならない。結構消費する頻度が高いのに、入手のハードルが少し高いのはどうかと思う。
「チェーンエンカウントは普通に戦うと全滅します」「効率よく倒すには連携を使ったほうがいいです」「連携は消費アイテムなので自分で調達してください」と、次々にハードルが生まれるのが大変だった。
このゲームをなぜ投げたのか
そしてここまで、良かった点、少し辛かった点を紹介した。というわけでここからこのゲームを「投げた」理由について話す。
この「GOD」というゲームは間違いなく良ゲーだ。「サガ」ならではの要素を万人受けする親切さを同居させたいいシステムを持っている(シンボルエンカウントや育成のわかりやすさが該当)。
しかし、それと同時にサガ特有の難しさもあり、必ずしも全てがお膳立てされていたわけではない。
チェーンエンカウント等のバトルの難しさも「勝利した時の爽快感」を重視した作りであったし、ゲーム体験を優先した結果ああいう難易度になったのだろう。
つまり、僕が「GOD」を投げたのはこのゲームが「サガ」だからである。
単純に「サガ」をクリアできる力が僕に備わっていなかっただけなのだ。そう、「サガ」は難しいゲームだ。でもその分、クリアできなかったことも含めて「サガ」が面白いゲームだということが充分、伝わった。
ああ、僕はなんて素晴らしい学びを、気づきを得たのだ。ゲームを投げてこんな気持ちになったのは初めてだ。この気持ちよさに比べれば、これが言い訳だということなどちっぽけな問題にすぎない。
僕は「サガ」が苦手だが、同時に好きになりつつある。また挑戦してみようかな、と思ったころにはDSリメイク版「時空の覇者サガ3」が家に届いていた。ああ、こんなにも鮮やかに見える世界を僕は初めて目の当たりにしたよ。
ということなので、僕はこの文章を書くことに満足した。
次は「サガ3」をやるけど、もし今後「サガ3」関連の記事が投稿されていたらタイトルで察してくれ。それでは、さようなら。