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『ドラクエ3』念願の初プレイだけどナイルのあくまのせいでもう嫌かもしれない

 とうとう発売、『ドラクエ3』HD−2Dリメイク!

 読者の皆様も相当待っていたんじゃないだろうか。ファミコン最高のRPG『ドラクエ3』が待望のリメイクということで。

 まあ長い歴史を辿れば数多のリメイクが発売されている作品でもあるが、今回は令和の最新技術で、それも日本が誇る新たなゲーム表現「HD−2D」で蘇るんだからすばらしい。立体の広い世界にドットの勇者たちが立ってる!!すご!!

 そしてBGMもいいね。オーケストラアレンジされた楽曲の数々。そしてこの名曲たちを1988年の時点で考案していたすぎやまこういちという天才。ゲームを飽きさせないBGMとはまさにこれ。

 いやー、素晴らしいリメイクだなぁ………。なぁ……。

 ナイルのあくま、お前以外はなぁ………。


滅びよ

 「ナイルのあくま」。きっと原作『ドラクエ3』をプレイした人はピンとこない名前だろう。こいつ、原作では存在しないボスキャラクターらしい。僕はこいつにそれはもうメタメタにされている。たっぷり痛めつけられている。

 タイトルの通り、僕はこれが『ドラクエ3』初プレイなのだ。事前知識は何もなしにプレイしているが、それだとなおさら恥ずかしい。元々いなかったボスにやられているなんて。原作ならあっさり通過できていた進路を、こんなぽっと出野郎に塞がれているなんて。

 あと、こいつあんまりストーリーの本筋と関わりがねえからな。ただ追加されただけ。スクエニさん、こんな仕打ちあんまりじゃないですか?

 そして、Twitterを見ると『ドラクエ3』経験者でも結構苦戦してる模様。そりゃそうよ。スクエニさん、こんな仕打ちあんまりじゃないですか?


 ここから彼の凶悪さを語っていくが、そのポイントは7つある。それは

  1. 2回行動

  2. 全体攻撃のバギ・バギマ

  3. マヌーサやめろ

  4. 両脇にお供のザコ敵が2体(しかも硬い)

  5. ザコ敵が眠らせてくる

  6. ザコ敵がホイミ撃って回復する

  7. マヌーサやめろ

  8. あと通常攻撃も強くない?

 となる。つまりこれだけのポイントをまとめて要約すると、「2回行動で単体・全体どちらも痛い攻撃+クソマヌーサにザコ敵2体の攻撃がついてくる」という最悪の分析ができてしまう。お願いだからやめてほしい。

 さらに、この中で最もダルい行動となる「マヌーサ」についても触れておく。マヌーサは全体に命中率を下げる状態異常を付与するといった行動だが、これどう思う?嫌じゃない?ねえ。

 マヌーサを使われて、あげく命中してしまったら最後、効果が切れるまで攻撃は当たらない。なんならなけなしのMPを払って使ったとくぎも当たらない。俺のかえん斬りが…。マヌーサに引っかかった冒険者に、未来はない。

絶望


そもそもダンジョンがイラつく

 しかし、これがボスだけだったらよかったのだ。いやよくないが。問題はここに至るまでのダンジョン、ピラミッドにある。

 まず初見の僕は入り口のすぐ先にある落とし穴に引っかかる。そうするとその地下迷宮では一切の呪文が使えず、また堀井の意思不思議なチカラによってキメラのつばさは使えない。

ここ性格悪すぎる

 そしてその迷宮というのも名ばかりで、抜け出すには探索要素の欠片もない一本道をただただ歩かされながらめんどくさい雑魚戦をこなす必要がある。ただただプレイヤー自身のリアルHPが削られていくだけ。これが娯楽の姿か…?

 やっとの思いで抜け出したとしてもさっきの落とし穴の少し先にある別の落とし穴に落ちる。2回目。スクエニさん、これ天丼ってやつじゃないですか?

 まあ、2度引っかかればさすがに脳が危険を覚える。そこからは安心の探索が続くと思っていたが、

 知らないミミックが登場。こいつくせ者で、通常攻撃はほぼ効かないので勇者の魔法主体で戦う。そしてそれを察知するのに時間がかかりすぎて1回死ぬ。うまくいかない。

 やっとの思いで倒しても中にアイテムはなく無駄な時間を過ごす。なんだァ?テメェ………

 その後最上階に上がり、怪しげなスイッチを押して下に落ちる。隣にもう1つボタンがあったから戻って押してまた落ちる。学習しろや!後々よーく探索したら子供が意味深なことを言ってたけどバカに難しい謎解きはできません。

うるせえ!知らねー!

滞るプレイ

 それで、話はナイルのあくまに戻るが、僕はこいつに辛酸も舐めさせられまくっていろいろどうでもよくなってきた。だってムズいし。諦めるのも無理はないでしょ。

 んで、昼飯を食い、洗濯物を取り込み、ペルソナをプレイし、夕陽が沈んでようやくSwitchを起動すると、そこにはやっぱりナイルのあくまにボコボコにされる勇者一行が。さっき見たって。

 もう普通に悪口だけどナイルのあくまに倒されるだけのはイヤかもしれない。せめてカンダタに苦戦したかった。こいつには愛嬌がない。見た目も能力もかわいげがないやつにボスは務まらないから。そんなんだから原作に出れなかったんだよ。

 僕はもう完全にスネて、初めての『ドラクエ3』をこいつに汚されたと被害者ぶることにした。僕はZ世代だぞ!?え、Z世代にはファミコンのゲームは早いんですか!?ナイルのあくまさんはそう仰ってるんですね!?

 もう、いいよ。わかりました。お母さんもう何も言いません。Switchを投げます。と、疲弊してそう言う僕に、一筋の光明が見えた。


光明

 「性格ちゃんと選んでる?」

 そう問うているのは『ドラクエ3』経験者の家族だ。『ドラクエ3』はリメイク版を一度クリアしているので、詳しいことはこの人に聞けばだいたい解決する。ちくしょう、この人もZ世代のくせに。

 彼曰く、その性格というのが『ドラクエ3』において結構重要なのだという。性格によってステータスが変わるらしいので試しにパーティの1人、盗賊の性格をらんぼうものに変えて攻撃寄りにしてみた。それがダメージの出ること出ること!


 先ほど、ナイルのあくまの脇を固める雑魚敵が硬いと言った。それは間違いだった。正しくは、「攻撃のステータスがあまりに低いせいでダメージが伸びない」ということだったのだ。


 これでナイルのあくまに勝てるのでは!?よし、ピラミッドへレッツゴー!


撃破、そして…

 ナイルのあくま、撃破………!!!!


 もうこれエンディングでは?というくらい開放感が凄まじい。多分、あのまま家族の言葉を聞かずに放置していたら永遠に重りが膝に乗っかっていたと思う。本当に良かった。もうバラモスとかどうでもいいのでアリアハンに帰ろうかな。


 これで、今回の僕の記事は終わりだ。誰よりも勇者を務め、誰よりも勇者を楽しみ、誰よりも勇者でいられた僕の記事が。まだ未クリアだけど。

 多分、 『ドラクエ3』が僕たちに訴えていたのは、冒険を楽しみ、自分事にするあの頃の少年心だ。ファミコン以来の楽しさを現代の僕たちの送り届けてくれたのがスクウェア・エニックスだったんだよ。ありがとう。それしか言う言葉が見つからない。

ざまあないね。

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