丸山正樹(2018)「龍の耳を君に」東京創元社
「デフヴォイス」が出たときは、こういう取り上げ方があるんだーと思ったものだけれど、今回はその続編が出版された。出版されたとき、アメリカにいて、そのあと帰ってきて手に入れたけど、アメリカで課題が見つかって読むものがたくさんありすぎて、結局今頃になって読んだ。
主人公は、コーダ(Children of Deaf Adults:親がろう者の子ども=手話が母語となることが多い)で、前作で手話通訳士として仕事を始めた男。自身の出自から、ろう者とそのコミュニティについて複雑な感情を持ち