合格に直結する一問一答と、非効率で下手な一問一答の違いとは?
教職教養・一般教養・専門教養などを勉強する上で、一問一答の問題を自作することは、とても有用です。
例えば,教職教養で、大体,数百問くらいの一問一答を作っておけば、満点合格も夢ではありません。
専門教養の勉強での、例えば、学習指導要領解説などは、概ね100問くらいの一問一答を作っておけば、ほぼ完璧に理解できます。
小学校全科は9教科+外国語活動と、合計10教科もあり、学習指導要領解説も10冊になるわけですが、それぞれの学習指導要領で数十問ずつ厳選された一問一答を作っていけば、数百問でほぼ完璧になります。
レトリカの過去の受講生で、教採に一発合格、上位合格した人たちは、ほとんど皆さん、効果的な一問一答を作って勉強していたようです。
さて、一問一答も、合格に直結する一問一答と、非効率で下手な一問一答があります。
まず、非効率で下手な一問一答をご紹介しましょう。
非効率で下手なのですが、普通、一問一答と言えば、こちらですよね。
例題1.
問: 「あるまとまりのあるものは、部分に分解不可能である、あるいは個々のものが集まることにより個々のものから予測できない性質をその全体がもつというものである。」ということを主張した心理学を何と呼ぶか?
答: ゲシュタルト心理学
例題2.
クロンバックが提唱した「各個人の単なる能力レベルだけでなく、個々の学習者の学習スタイル(その個人が得意とする学習の方法)に対応した最適な教育方法があるとする考え方」を何と呼ぶか?
答: 適性処遇交互作用(ATI)
上記のような一問一答をいくら覚えてもダメです。
これでは、まるでカルタみたいなもので、あるキュー(問題)を聞いて、短い単語(答)を瞬間的に言うことができるだけで、考えさせる問題では用をなさなくなります。
でも、ほとんどの受験者は、この方法で勉強しています。
だから、ちょっと応用問題になるとダメなんですよね。
効果的な一問一答方式とは、本来は、以下のようなものであるべきです。
例題3.
問: ゲシュタルト心理学とはどのような心理学か?
答: 「あるまとまりのあるものは、部分に分解不可能である、あるいは個々のものが集まることにより個々のものから予測できない性質をその全体がもつというものである。」ということを主張した心理学
例題4.
問: クロンバックが提唱した適性処遇交互作用(ATI)とはどのようなものか?
答: 「各個人の単なる能力レベルだけでなく、個々の学習者の学習スタイル(その個人が得意とする学習の方法)に対応した最適な教育方法がある」とする考え方
一問一答の理想的な形は、答えが単なる単語・用語・人名ではなく、答えが説明となるものです。
もちろん、そうなると、答の説明の仕方、表現の仕方が様々あるので、それを「一答」と言わないという人もいるかもしれませんが、内容が同じならば、当然、「一答」です。
この方式でやっておけば、どんな応用問題でも大体、対応できます。
また、記述式、論述式の問題にも容易に回答できますし、小論文や集団討論などでも、必要に応じて活用することができます。
用語や人名だけを答にする一問一答は、受験勉強的にも意味がありませんし、アカデミックには、ほぼ無意味です。
それよりも、セオリーを説明する、ある研究者の主張を説明できる、ある現象を自分の説明できるというような一問一答式の方が、受験勉強的にもはるかに効果的ですし、アカデミックにも通じるところがあります。
はっきり言って、受験勉強と学問は全く異なる、なんて大声でいう人は、愚か者です。
愚か者と言うだけではなく、教師にも、研究者にも向いていません。
受験勉強は効果的にやれば、学問をしているのと大差はありません。
下手くそな勉強法しかできない人は、受験勉強も下手くそですし、学問も全然できません。
受験勉強のテクニックは、学問の手法にも似ています。
というか、学びは学び、知識の活用は知識の活用です。
受験のためだけの学び、受験のためだけの知識といったものはありません。
一問一答の作り方で、その違いがはっきり出てきます。
私が作る一問一答は、基本的には、問題が短く、答が長いものです。
理解を促し、内容を記憶に定着させ、後日、その知識をもとに活用ができるようにするためです。
いつまでたっても、答えが用語か人名のカルタ方式で勉強している人、そろそろ、一問一答の作り方を変えないと、いつまでたっても、勉強は成就しませんし、合格も勝ち取れませんよ!
河野正夫
レトリカ教採学院