「模擬授業での語りで満点を取るための極意」

「模擬授業での語りで満点を取るための極意」

教員採用試験を突破し、現場で効果的な授業を行うためには、ただ情報を伝えるだけでなく、生徒の心に響かせる「語り」の技術が重要です。

ここでは、その極意を一部ご紹介します。

これらの技術を身につければ、生徒とのコミュニケーションがさらに豊かになり、模擬授業でも高評価を得ることができるでしょう。

1. 質問の順序で心を動かす

授業での質問の仕方ひとつで、生徒たちがどれだけ考えるかが変わります。

例えば、「りょうた君、お正月と聞いて、思い出すものは何ですか?」という質問では、他の生徒は自分には関係ないと感じ、考えることを止めてしまうかもしれません。

しかし、「お正月と聞いて、思い出すものは何ですか?りょうた君は何を思い出しますか?」と質問を少し変えるだけで、全員が一度考える機会を得ます。

質問の順序によってクラス全体が質問に向き合うか、あるいは特定の生徒だけが答えるかが大きく変わるのです。

授業では、一人の生徒に対して語りかける前に、全体に問いかけることで、より多くの生徒に考えさせる機会を与えることができます。

このような小さな工夫が、授業全体に活気をもたらし、生徒の学習意欲を高めます。

2. 「難しい」という言葉を避ける

「この問題は難しいけど、頑張ろう」と言うことが悪いわけではありませんが、「難しい」という言葉自体が生徒のやる気を削ぐことがあります。

特に、学習に苦手意識を持つ生徒にとっては、この一言が学習意欲を失わせる原因になります。

ヤーキーズ・ドットソンの法則に従えば、適度な難易度が意欲を引き出すものの、「難しい」と言われただけでは、逆に学習意欲が低下する可能性があります。

では、どうすればよいでしょうか?

「少し工夫すれば簡単に解けるよ」、「アイデアがひらめくと楽しくなるよ」といった前向きな表現に置き換えることが有効です。

問題や課題に対する興味や挑戦意欲を引き出すことで、生徒が積極的に取り組む姿勢を促すことができます。

3. 生徒を巻き込む問いかけ

生徒が授業に積極的に参加するかどうかは、教師の問いかけ方次第です。

例えば、「ヨーロッパにはどんな国があるか、言ってごらん」と単純に尋ねると、フランスやイタリアなど、誰もが知っている国しか出てこないかもしれません。

しかし、「ヨーロッパには50の国があるけれど、何個言えるかな?もし30以上あげられたらスゴイよ!」と挑戦的な問いかけをすれば、生徒はクラス全体で協力し、さらに多くの国をあげようとするでしょう。

このようなアプローチは、授業を単なる知識の伝達から、楽しい競争の場に変えることができるのです。

授業の中で、生徒が自ら学ぶ姿勢を引き出すためには、質問を工夫し、生徒たちが本気で考えたくなるような問いかけをすることが重要です。

教師が生徒を巻き込み、クラス全体のエネルギーを高めることが、授業の成功に繋がります。

4. 心に響く語りで満点を狙う

模擬授業や実際の授業で「語り」は非常に大切です。

ただ事実を伝えるだけではなく、生徒の心に響く表現を用いることで、より効果的な授業が可能になります。

今回の例でご紹介したような工夫を凝らした「語り」を意識することで、生徒たちの学習意欲を引き出し、模擬授業でも高い評価を得られるでしょう。

このような「語りの技術」は、特別なものではなく、誰でも意識することで身につけられるものです。

授業の中で、生徒たちの心を動かす「語り」を磨き、教師としての表現力を高めていきましょう。

それによって、生徒たちとの深いコミュニケーションが生まれ、模擬授業での評価だけでなく、実際の教育現場でも成功を収めることができるでしょう。

このような少しの工夫を積み重ねることで、模擬授業での語りの質は大きく向上し、生徒の心に響く授業を実現できるはずです。


レトリカ教採学院
河野正夫


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