【コメント】・【リライティング】・【トーキングポイント】の例
<【コメント】・【リライティング】・【トーキングポイント】の例>
【質問】
個別最適な学びと協働的な学びを両立させるためには、どうすればいいと思いますか?
【(不十分な)回答】
個別最適な学びと協働的な学びを両立させるためには、それぞれの良さを活かしながら進めることが大事だと思います。個別に取り組む時間と、みんなで協力する時間をバランスよく配置することが大切で、例えば、まず一人で調べてからグループで話し合うなどの方法があると思います。それによって、生徒が一人で学びつつも、友達とも学び合える環境を作れると考えます。
【コメント】
この回答が不十分で高く評価されにくい理由は以下の通りです。
1. 抽象的で一般的な表現にとどまっている
「それぞれの良さを活かしながら進める」、「バランスよく配置する」といった言葉は、具体的な方法が示されておらず、単に両者の利点を組み合わせるという一般論にとどまっています。面接官は具体的な学習方法の工夫や実際にどう両立するかについての考えを期待するため、回答が表面的に感じられ、考えが浅い印象を与える可能性があります。
2. 学習の流れや実施方法が簡略的すぎる
「まず一人で調べてからグループで話し合う」方法に触れていますが、これだけでは両立を図るための工夫や計画性が感じられません。具体的な学習活動の進行方法や、生徒の主体性や協働意識をどう引き出すかが示されていないため、教師が目指す教育効果や指導意図が伝わりにくくなっています。
3. 教師のサポートや指導法が不足している
個別最適な学びと協働的な学びを両立させるためには、教師がどのように生徒の学びをサポートするかが重要です。しかしこの回答には、教師がどのように関わり、どのタイミングで生徒に助言をするのか、またはどのように学習状況を観察・調整するのかといった具体的な指導方法が示されていません。このため、面接官には教師としての理解や意欲が伝わりづらいと考えられます。
4. 学びの深まりや効果への視点が欠けている
「個別」と「協働」の学びの両立により、生徒がどのように成長するのか、学びがどのように深まるのかといった効果についての視点が不足しています。学習効果や期待される成果が不明瞭なため、「どうしてこの方法が良いのか」といった説得力が弱く、面接官にとっては説得力が欠ける内容と感じられる可能性があります。
5. 繰り返し表現や曖昧な表現が多い
「個別に取り組む時間と、みんなで協力する時間をバランスよく配置する」などの表現が繰り返され、曖昧さが残ります。また、「友達とも学び合える環境を作れると考えます」という表現も、何をどう工夫すれば良いのかが曖昧で具体的に伝わりません。このため、回答に深みが欠け、印象が薄くなっています。
【リライティング】
個別最適な学びと協働的な学びを両立させるには、生徒一人ひとりのペースや理解度に応じた個別の学習と、他者と協力して学び合う協働学習を効果的に組み合わせることが重要です。例えば、まず個別の探究活動として各自で調査や情報収集を行い、自分の考えや理解を深めた後に、グループ活動で他の生徒と意見を交換する場を設けます。これにより、生徒は他者の視点に触れることで自分の考えを再評価し、学びを深めることができます。
また、教師はそれぞれの活動に応じた支援を行うことも重要です。個別学習の際には、生徒の進度や理解状況を確認し、適切なアドバイスやサポートを行います。そして、協働学習の場面では、生徒が話し合いに参加しやすくするためのファシリテーションや、発言の機会を均等に与える工夫を行います。こうしたサポートを通じて、生徒が主体的に学びに取り組みながらも、協力して問題解決を図る力を育むことができると考えます。
【トーキングポイント】
★そもそも、個別最適な学びとは?
個別最適な学びとは、生徒一人ひとりの興味や理解度、学び方に合わせた学習方法のことです。例えば、得意な生徒には応用問題に挑戦させ、苦手な生徒には基礎をしっかりと学ばせるように、個人に合った内容やペースで進めることを指します。
★そもそも、協働的な学びとは?
協働的な学びとは、生徒が他の生徒と一緒に学び合い、互いの意見や考えを共有しながら学ぶことです。例えば、グループで問題を解決する活動や、討論を通じてお互いの考えを深める場面で、生徒同士が協力して学びを深めていくことを意味します。
★「生徒の進度や理解状況を確認し、適切なアドバイスやサポートを行い」は、具体的には、どのようなアドバイスやサポートのこと?
具体的には、理解が不十分な生徒には、つまずきやすいポイントを丁寧に説明したり、わかりやすい資料を提供したりします。逆に、順調に進めている生徒には、難易度の高い課題や、より深く考えさせるような質問を投げかけるなどして、学びをさらに発展させるサポートを行います。
★「生徒の進度や理解状況を確認し」は、具体的には、どのようにして確認する?
進度や理解状況の確認方法としては、授業中に行う小テストやワークシートのチェック、個別の質問への反応を見ることが挙げられます。また、生徒が発表する内容や提出物、学習の進み具合からも理解度を把握し、必要に応じて個別に質問したり観察したりすることで、理解状況を確認します。
★「ファシリテーション」とは、具体的には、どのようなことを行う?
ファシリテーションとは、生徒同士が活発に話し合えるように、教師が場を整え、話しやすい雰囲気を作ることです。具体的には、全員が発言できるように発言の順番を決めたり、意見の出しやすい質問を投げかけたり、議論が行き詰まったときには新しい視点を提供するなどして、スムーズな話し合いを促進します。
レトリカ教採学院
河野正夫
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