面接で上手く話せないのは,実は,緊張ではなく,条件反射のせいなのです!
教員採用試験の面接に臨む多くの皆さんが,
本番の面接では,緊張するので,上手く話せない!
と言います。
確かに,自分の合否がかかっている面接ですから,緊張はすると思います。
でも,緊張するから,うまく話せないというのは,やや短絡的です。
人間は,かなり緊張しても,それなりに,パフォーマンスはできるものです。
アスリートだって,決勝戦では緊張するでしょうが,パフォーマンスに致命的な影響が出ることは少ないものです。
アーティストだって,東京ドームでコンサートをするときには緊張するでしょうが,それで,歌えなくなるということはないでしょう。
緊張がパフォーマンスを決定的に壊すというのは,実は,そんなに多くはありません。
面接の際に,語りが上手くいかなくなるのは,実は,緊張のせいではありません。
条件反射のせいなのです!
条件反射って何でしたでしょうか?
ちょっと復習してみますね。
「パブロフの犬」として有名になった実験があります。
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犬にえさを与えるときに,【ベル】→【えさ】→【唾液が出る】というのを何回も繰り返していると,次第に,犬は,ベルの音を聞いただけで,唾液を出すようになるという,皆さんご存知のあれです!
実は,面接で語りが下手な人は,条件反射によって,
【面接の場】→【よそよそしい語り方】
という図式ができあがっているのです。
普段は,楽しそうに,元気に,ベラベラと会話を楽しんでいる人が,面接の場(面接の練習の場でも)になると,急に次のようになってしまいます。
(1)普段は,文の最初に「私は」を付けないのに(日本語では,強調するとき以外は付けないことが多い),面接の場の語りになると,「私は」を乱発する。
(2)普段のイントネーションは通常なのに,面接の場の語りになると,急に,助詞と助動詞を強調するようなイントネーションになる。
(3)話す内容そのものが,普段の生き生きとした話し方ではなく,どうしようもなく退屈で,平凡で,決まりきったものになる。
(4)普段は,ほとんど言わないのに,「えー」,「ええと」,「あのう」といった間投詞を数秒ごとに言うようになる。
こういった現象は,「緊張」のせいとか,準備不足のせいとかという風に,説明している人もいますが,本当のところは,そうではないのです。
面接の場などのかしこまった場で話すときは,「条件反射」的に,上記のような語り方になってしまうのです。
言い方は,悪いですが,「パブロフの犬」状態になってしまっています。
条件反射は,体が覚えてしまった反射機能ですから,「こうしなさい」,「こうしてはいけません」という注意や指示だけでは,なくなりません。
条件反応を外していくためには,それなりの方法を駆使する必要があります。
では,どうすればいいのか。
個人レッスンや直前講座では,そういったパフォーマンス(語り方・表情・デリバリー)の指導も徹底していますので,ご興味のある方は,是非!
河野正夫
レトリカ教採学院