【面接で合格をつかむ!回答力を劇的に高める3つのポイント】

【面接で合格をつかむ!回答力を劇的に高める3つのポイント】

教員採用試験面接準備に役立つ「語りの脚本」とは?

★★「あなたが授業をするときに留意していることは何ですか?」

という面接質問への回答を一例として。

面接準備において、自分の回答を他者に添削してもらうのはよくある方法ですが、単にコメントをもらったり、赤ペンで修正したりするするだけでは、本質的な改善は難しい場合があります。

特に、もとの回答が根本的に改善を要する場合、単なる「添削」だけでは合格水準に達しません。

では、受験者が準備した面接回答をどう改善すれば、より効果的で評価の高い回答になるのでしょうか?

ここで重要なのが、「コメント」、「リライティング」、「トーキングポイント」という3つのアプローチです。

この3つを組み合わせることで、受験者の回答を劇的に向上させられます。

具体的な面接例で考えてみましょう

例えば、次のような質問があったとします:

質問:「あなたが授業をするときに留意していることは何ですか?」

受験者が準備した回答例を見てみましょう。

回答例

「授業をする際に留意しているのは、生徒が自ら考え、学びを深められる環境を整えることです。生徒が自分で答えを見つけ出せるような場面をつくり、質問に対して自ら解決しようとする姿勢を大切にしています。また、生徒の興味に合わせた教材を準備することで、彼らが主体的に学ぶことができるよう工夫しています。」

一見悪くはありませんが、具体性や深みが不足しており、これでは面接官に強い印象を与えにくいです。

この回答を「コメント」、「リライティング」、「トーキングポイント」に基づいて見直すとどうなるかを考えてみましょう。

1. コメント

具体性の欠如

「生徒が自ら考え、学びを深める」という表現が抽象的で、実際に授業中にどのようにその場をつくるのかが分かりづらいです。

面接官に具体的な授業観が伝わりにくくなっています。

教師の役割の不足

回答に教師がどのように授業を組み立て、支えるのかが示されていないため、生徒が主体的に学ぶための環境づくりや指導方法が伝わりません。

繰り返し表現

「自ら考える」、「解決しようとする」などが繰り返されており、回答が単調に感じられるため、表現を広げる工夫が求められます。

成長要素の不足

授業で生徒がどのように成長し、次に生かす学びを得るかについての言及がなく、生徒の成長に対する理解が浅い印象を与えます。

2. リライティング例

改善された回答

「授業では、生徒が自ら学習課題に関心を持ち、目標設定から振り返りまでのプロセスを体験できるよう意識しています。例えば、歴史の授業では、生徒が興味を持ちやすいテーマを設定し、グループディスカッションを通じて意見交換しながら理解を深める活動を取り入れます。授業後には自分の学びを振り返る時間を設け、次回の学びにどうつなげられるかを考えることで、主体的な学びを育てたいと考えています。また、教師としては生徒が安心して発言できる雰囲気づくりを大切にし、適切なタイミングでフィードバックを提供しながら支援します。」

このように書き換えることで、具体的な授業の流れと教師のサポートが明確になり、面接官に「授業で留意していること」への深い理解と意欲を伝えることができます。

3. トーキングポイント

リライティングした回答を覚えるだけではなく、面接での追加質問に応えられるよう、以下のトーキングポイントも用意しておくと効果的です。

「生徒が自ら学習課題に関心を持つ」とは?

 生徒が「もっと知りたい」と思う気持ちを抱くこと。興味を持つことで学習に前向きに取り組む姿勢を育みます。

「目標設定から振り返りまでのプロセスを体験する」とは?

 授業の初めに目指すものを自分で決め、振り返りを通して自分の成長を実感する流れを自分で行うことです。

「深い学びや理解」とは?

 表面的な知識にとどまらず、内容を本当に理解し、関連する問題や他の知識と結びつけられるようになることです。

「自己評価力が高まる」とは?

 自分の学びを振り返り、良かった点や工夫の余地を見つける力です。

「授業環境を整える」とは?

 生徒が安心して発言し考えられるよう、教室の雰囲気や授業の流れを整えることです。

こうしたトーキングポイントを活用することで、面接での追加質問にも的確に対応でき、面接官に「しっかり準備をしてきた」という印象を与えやすくなります。

面接の回答には、単なる「添削」以上の工夫が必要です。

優れた面接指導では「コメント」、「リライティング」、「トーキングポイント」の3つをセットで提供することで、受験者が自信を持って面接に臨み、合格に近づけます。


レトリカ教採学院
河野正夫


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