石丸伸二が直接対決を恐れる宿敵 番外編① ~暴言王・泉房穂~
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はじめに
このシリーズでは、石丸伸二の隠れた宿敵を書き連ねているが、石丸の宿敵とは表題にある泉房穂ではなく、安芸高田市と同じ背景から同じ日に、三原市長に就任した岡田吉弘のことである。
当初は、もし石丸が広島県知事を目指しても、岡田が擁立されたら石丸は回避せざるを得ないことだけを書こうと考えていた。しかし、執筆中に兵庫県知事斎藤元彦のパワハラ問題において、ますます深刻な事実が明るみに出ているにもかかわらず、斎藤が辞職を拒み続けていることにより泥沼化し、石丸の兵庫県知事選出馬の可能性がいよいよ無視できなくなってきた。斎藤が辞職するならば、次期知事選に前明石市長泉房穂が名乗りを上げることは念頭に置かねばなるまい。
私はかねてよりポピュリストの見本として、泉を激しく批判していた。泉とは少しタイプが違うが、安芸高田市長時代の石丸を知って、泉と似た違和感を覚えたことで、この二人についても書かねばなるまいと考えた。
自身が放置した案件を職員のせいにするために暴言を吐いた泉
あなたは、泉の数々の暴言を知っても、市民のためを思っての言葉であるとまだ思うであろうか?
思い通りにならないと癇癪を起こす泉の性分は、一生をかけても治らないだけの話である。
パワハラ度合いでは、泉と斎藤は似た者同士
である。
泉を擁護する者は、音声全文を知らないか、知っていても理解できていない
国道2号線の拡幅に伴う用地買収が、計画の5年を経過しても終了していないとの報告を受け、関係職員に暴言を浴びせた録音音声がリークされた。
その音声の文字起こしの記事があるが、記者の説明と文字起こしで語られている内容が異なる点に注目されたい。
「火つけて捕まってこい」
※音量注意
職員に暴言を吐くばかりでなく怒りに任せて、市民の財産に火をつけて壊せと怒鳴った直後に、安全対策とのたまうのは大きな矛盾ではないか。
「予算は今年度で積んでいるんです」
暴言音声の中では全く注目されなかったが、以下の部分を読めば職員には非がないとわかる。
前年度は予算枠が既に一杯で、問題になった最後の案件には予算が付いていなかった旨を聞かされて、泉は職員に落ち度がないことを悟る。
泉は市長でありながら、福祉を重視して土木を目の敵にするあまり、用地買収に関する基本的な知識を欠いている。この時点で「前年度に当該予算が付与されていないので、概算しか提示しようがなかった」ことに漸く気づく。
役所は単年度予算なので、数年がかりの事業費を一度に計上できない。たとえば、5億円の事業費に5年の計画であれば、市長が特別に予算を組まない限りは、毎年の予算は1億円が上限であるから、全契約が完了するのに5年以上かかるのは必然である。予算編成権は市長にしかない。
伝説になった「市民の安全のためやないか」の茶番
泉の暴言を擁護する声が出た発端は、神戸新聞の記事とやまもといちろうのこの投稿であるが、暴言を吐いた泉の発言だけを鵜呑みにした上に著しく事実誤認しており、擁護することが目的化している。
行政を理解している者には、擁護の言い草がナンセンスであることはすぐに気づく。
言うまでもなく泉自身は「市民の安全のため」になることを何もやっていない。やったのは職員である。
盟友の井戸まさえですら、辞職して落胆する泉を案じながらも、自分が放置したことを誤魔化すために、職員を怒鳴ったと言い切っている。
思えば、政治未経験で学んだことすらなく市長に就任した石丸の口から、「勉強します」とは聞いたことがない。それどころか、口を開けばメディアや議員を罵るばかりである。
泉と比べてもよく似た二人と言えなくもない。
出直し当選してからは、ますます増長して暴言を吐きまくった末に政治家引退
泉は暴言で辞職したにもかかわらず、「市民のためを思っての勇み足」と間違って伝わったために、出直し選挙では圧勝した。
これにて本格的なポピュリストが誕生することになる。市民の信任を得たと勘違いした泉は、性懲りもなく関係者や議員に暴言を吐きまくるようになり、議会からの反発が大きくなっていく。問責決議案が出されることになり、遂に泉は爆発した。
私には、泉が引退宣言を守り抜くとは到底思えない。
石丸は知事になることにしか興味がない
理由は簡単である。既に市長になる目標は達成したからである。石丸にとっては、市長として善政を施すことよりも、市長になったという事実が重要なのである。したがって、安芸高田市がどうなろうが「後は知りません」などと平然と言い放つのである。市長就任の既成事実ができたら、次に知事を目指すのは自明の理である。おそらく、東京都知事選出馬を決めたのも、自身の失政によって市民からの支持が薄れたと感づいて、このロジックが働いたからであろう。
いや、国政進出するかもしれないという反論が聞こえてくる。しかし、石丸は徒党を組むことを厭い、競争を避けたがる。今さら党則に縛られた陣笠議員に甘んじるのは真っ平御免であろう。他に考えられるのは、知事になれる可能性が薄くなった後の、政令指定都市市長か参議院全国区出馬である。
首長(都道府県知事・市区町村長)は名実ともに地方公共団体のトップで実権者である。首長を目指す野心は責められるべきではないが、広島県人の石丸が、東京でも兵庫でもいいと考えるならば、自分ファーストの謗りは免れない。
そうは言っても石丸も人の子である。故郷の市長になれた暁には広島県知事を目指す青写真は、今も失われていないと断言する。現時点では他府県の知事に就任した事実はないので、石丸が自分は何ら咎められないと考えているのが目に浮かぶからである。石丸は三菱UFJ銀行在職時に、姫路支店に勤務した経験があるので、兵庫県を第二の故郷と呼ぶ。また、東京にも勤務していたので、こちらは第三の故郷なのかと意地悪を言いたくもなる。
そして、注目は現職の去就の時期である。もし、石丸が兵庫県知事選に出馬するならば、どこでもいいから知事になりたいだけの政治屋であることを、身をもって証明することになる。
出馬をめぐる節操のなさは、旧聞に属するが古賀誠による自民党からの衆議院選出馬要請に、「私を総裁候補としてお戦いになるつもりがおありでしょうか」と返して墓穴を掘った、元宮崎県知事・衆議院議員の東国原英夫を、さらに小粒にした感がある。
石丸でも泉でも斎藤県政の二の舞は必至
どうやら一定割合以上で、石丸や泉のように不必要に論議を巻き起こし、スムーズな合意形成が苦手な首長を、「自分に寄り添ってくれている」と感じる人がいるようだ。
泉のように何度も暴言を吐く者が、本当に寄り添う政治家と言えるのか考えてほしい。
政治家引退を表明して、タレント活動が多くなっている泉であるが、読売テレビ「なんでも言って委員会NP」で石丸を猛批判した経緯から、もし石丸が兵庫県知事に出馬しようものなら、前言撤回して狼煙を上げる可能性は無きにしも非ずと言えよう。
二人とも根回しを嫌うが故に仲間が少なく、市民からの人気を頼りにしている点では共通している。そして、他責思考もよく似ている。なんとH県A市I前市長のイニシャルまで偶然にも一致している。
二人にはモラハラ・パワハラの実態もあるので、どちらが斎藤に代わって知事になったところで、一時的に痛みを忘れることにしかならないのである。
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